クラウド/フォグ/エッジ

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OpenFog Japan Regional Committee

フォグコンピューティング(Fog Computing )を推進する業界団体OpenFog Consortiumの日本支部「OpenFog Japan Regional Committee」の発足について発表が2016年6月10日にありました。また、先日、経済産業省がOpenFog Consortiumの日本支部と連携して、「エッジ間協調」に求められるネットワーク技術やブロックチェーン技術などの動向を調査し、今年度内にまとめるIoTの普及を見据えた次世代ネットワーク技術推進のための国家戦略に反映させ、そしてこれをもとに次年度に「ブロックチェーン技術」の実証実験を行うとの報道もありました。

フォグコンピューティング(Fog Computing )は、シスコシステムズが提唱するクラウドとデバイスの間にある分散処理環境で、クラウドよりデバイスに近い位置に広く分散したデータ処理装置を設置し、全体を統一のインターネットプロトコルで設計するネットワーク構造です。クラウド(雲)よりデバイスに近く、霧のように広く分散していることからフォグ(霧)コンピューティングと呼んでいます。
このフォグコンピューティング(Fog Computing)を推進するOpenFog Consortiumは、2015年11月に、Ciscoの他、ARM、Dell、Intel、Microsoft、プリンストン大学などによって設立され、現在はその数も増えで7カ国の約30の企業・団体に上っているとのことです。日本からは東芝、富士通、さくらインターネットが参加し、今回の日本支部の発足に合わせてNTTコミュニケーションズも参加することになりました。

フォグコンピューティング・エッジコンピューティング・エッジヘビーコンピューティング

フォグコンピューティングとエッジコンピューティングは同義語として扱うことが多いようです。エッジコンピューティングはNTTが最初で、フォグコンピューティングはCiscoが最初に用いたという説明もあります。

一方で、フォグコンピューティングの関係者はフォグコンピューティングの特徴をエッジコンピューティングとの違いから次のように述べています。

「フォグコンピューティングはエッジコンピューティングのようにデバイスに近いところで処理を行うだけでなく、その処理のためのコンピューティングリソースを分散化して最適に配置する仕組みであり、フォグコンピューティングはエッジコンピューティングを包含している。」
「エッジコンピューティングはエンドポイントだけが対象だ。それに対し、フォグコンピューティングはクラウド側の技術をエッジに落とし込みながらリアルタイムに分散処理することを目指している」
(ZD Net Japan「フォグコンピューティングは定着するか」 http://japan.zdnet.com/article/35084645/ より)

NTTコミュニケーションズは、エッジコンピューティングを、エッジサーバに演算処理機能、ストレージを備え、アプリケーションプログラムの実行、コンテンツデータの蓄積に利用することができ、小規模なクラウドDCがユーザ近傍に分散配置されたものと説明しています。

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(IoT時代を拓くエッジコンピューティングの研究開発NTT技術ジャーナル 2015.8 より)

と説明しています。

エッジヘビーコンピューティングはPreferred Networks社が提唱するもので、データを1カ所に集めずに深い分析を実現できるというコンピューティング環境を指します。同社のWebによれば、

・・・エッジヘビーコンピューティングでは、ネットワークデバイス・エッジデバイスにも高度な機械学習のアルゴリズムを搭載し、分散協調的に機械学習を行っていきます。それにより、バックボーンのネットワークのバンド幅にとらわれることなく、大量のデータを処理することができます。
・・・エッジヘビーコンピューティングでは、処理の「レイテンシ(遅延時間)」を大幅に下げることができます。それにより、デバイス同士をリアルタイムで協調させることが可能になります。

とあります。
IoTデバイスが生成するデータ量は多いが価値密度は低く、エッジ側で分散機械学習を行うことによってその価値密度を向上させるとともに、エッジ側で処理することで低レイテンシを実現し、データをデバイスに留めることでプライバシを保護するということが可能になといことのようです。

クラウド集中型の限界

これまでのコンピュータシステムの流れは、よく言われるように集中と分散を繰り返してきています。

fog_004_R(次を見据えた新たな「自律・分散・協調」戦略 産業構造審議会情報経済小委員会 分散戦略WG(第1回)平成28年3月28日経済産業省商務情報政策局 より)

今はクラウドの進展によって集中型ですが、インターネットにつながったデバイス(端末)の数が2020年には500億台になり、デバイスが生み出す膨大なデータがクラウドコンピュータ集中したとき、今のままでは処理できなくなるといわれています。こうしたことから分散型へと流れが反転すると見られています。
経済産業省の産業構造審議会情報経済小委員会では次のように「データ量とトランザクション」「タイムラグ」「フラットな競争の阻害」を挙げ、クラウド集中型の限界と懸念示しています。

①データ量とトランザクション
・IoTの急速な普及は、データの爆発的な生成をもたらし、ネットワークの帯域拡張をもってしても、全データをクラウドに送信することは不可能になりつつある。
②タイムラグ問題
・即時応答が必要な分野ではデバイスからクラウドまでの往復距離による応答遅延がサービスの足かせになる。
〇フラットな競争の阻害
・ データ処理の付加価値はクラウド上のプラットフォーマーに一極集中する傾向
・ 過度に集中し過ぎれば、フラットな競争を阻害する可能性ありとの指摘あり

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(次を見据えた新たな「自律・分散・協調」戦略 産業構造審議会情報経済小委員会 分散戦略WG(第1回)平成28年3月28日経済産業省商務情報政策局 より)

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