ZETA

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LPWAの新しい規格ZETA

ZETA(ゼタ)は、ZiFiSense社が開発したアンライセンス方式の超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)のLPWA規格です。ZiFiSense社は本社はアモイにあり、支社が上海、重慶、ケンブリッジにあるます。2014年に開発された規格ということで、まだなじみのない名前ですが、2018年6月には、ZETA(ゼタ)の普及を目指したZETAアライアンスが設立されています。また、地方版IoT推進ラボの実証実験として、宮崎県の山間部にあるチョウザメの養殖場で、生簀(いけす)の水位などのセンサー情報を収集しリアルタイムに状態を把握することにZETAネットワークが使われています。また、上海において世界で2番目に長い東海大橋での震動や違法駐車、違法侵入などの監視や、上海電信のマンホールや光ファイバー中継器の監視などに使用されているそうです

ZETAの特徴

アライアンス設立メンバーのプレスリリースなどによれば、LoRa、Sigfox、NB-IoTといったLPWA規格と比較して次のような特徴があるそうです。

超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信

Meshネットワークによる広域での分散アクセス

双方向での低消費電力通信

約1/20から約1/5の初期費用でのシステム構築

LTEなどより一桁少ないランニングコスト

(株式会社 テクサー http://techsor.co.jp/zeta.php より)

ZETAとLoRa、Sigfox、NB-IoT

ZETAの使用する帯域はサブGHzのISMバンドです。日本では920MHzまたは429MHzを使用するそうです。ちなみにISMバンドとは、「産業」(industrial)「科学」(scientific)医療」(medical)の分野で利用されている帯域で、それぞれの頭文字をとって「ISMバンド」と呼ばれています。2.4GHz帯や5GHz帯が知られていますが、920MHz帯は2012年7月からISMバンドとして割り当てられています。429MHz帯は産業用途として古くからつかわれている帯域です。

ZETAの特徴の一つにUltra Narrow Bandがあります。資料によればZETAのチャネル帯域幅は0.6k~2.0kHzと非常に狭い帯域となっています。データ通信速度は100 bps~ 50 kbpsとなっています。

LoRaは、ZETAと同じ920MHz帯を使い、使用チャンネル幅はチャンネル数37chの場合125kHzです。通信速度は、250 bps~ 50 kbps程度です。SIGFOXは、やはりZETAと同じ920MHz帯を使い、1チャネル幅は200kHzですが、この200kHz幅をさらに100Hz幅(シングルキャリア周波数帯幅)に分割しています。通信速度は上りが100bps、下りが600bpsです。NB-IoTは、使う帯域が180kHz幅で、通信速度は上りが62kbps、下りが21kbpsとなっています。

ZETAはマルチポップのメッシュ型のネットワークということですが、マルチホップとは、複数の無線端末がそれぞれの隣接する無線端末を経由して、データを伝送していく通信技術です。ZETAの場合はMote(モト)と呼ばれる中継器をメッシュ状に配置したネットワークとなっています。SIGFOXやLoRaはスター型のネットワークです。

ZETAの通信距離は資料では2~10kmとなっています。しかし、4ホップまで可能なため10km以上の長距離通信が実現できるともあります。LoRa は都市で1~5km、郊外で5~15km、Sigfoxは都市で3~10km、郊外で30~50km、NB‐IoT 約20kmとなっています。

ZETAは上り下りの双方向での通信が可能で低消費電力とのことです。LoRaやNB-IoT も双方向の通信が可能です。Sigfoxは、以前は上りのみでした。しかし、2017年10月から下り通信のサービスが開始され、双方向での通信が可能となっています。

また、低消費電力については、ZETAはバッテリー寿命5~10年となっています。Web上に公開されている資料を見ると概ねSIGFOXもLoRaもNB-IoTも10年程度のようです。

初期費用やコストについては、メッシュ型ネットワークは、スター型ネットワークと比べて一般に敷設コストが高くつくと言われていますが、ZETAは他のLPWAの1/5以下のコストでIoTネットワークを構築し、ランニングコストもLTEより1桁少ないとしています。KDDIが2017年に発表したセルラーLPWA のLTE-M(Cat.M1)の場合、月間10KBまでの一番安いプランで、1回線あたり月額40円となっています。2018年4月にソフトバンクは、NB-IoTの商用サービスで1回線当たり10Kバイトまで月額10円というプランを発表しています。

ちなみにLTEではないSigfoxの場合、契約デバイス数が100万台以上で1日の通信回数が2回以下の場合には1デバイス当たり年額100円、契約数が3万で1日の通信回数が50回以下なら年額500円、1万台の時は年額1000円ほどとあります。

三井物産戦略研究所技術・イノベーション情報部 デジタルイノベーション室の「急速に普及が進むLPWAで広がるIoTビジネス」によると、通信モジュールや通信料金などは、SIGFOXが通信モジュール1ドル程度~で通信料金は月数円、LoRaは通信モジュールが1ドル程度~で、通信料金が月数十円、NB-IoTは通信モジュールが5ドル程度~で、通信料金が月数十円となっています。

(参考資料)

・PRESS RELEASE 2018 年 6 月 5 日  ZETA アライアンスの設立 ~LPWA 低消費電力メッシュネットワークにより、超スマート社会に貢献~ アイティアクセス株式会社、株式会社 QTnet、株式会社テクサー、凸版印刷株式会社(https://www.toppan.co.jp/news/2018/06/sto3as0000000a8k-att/sto3as0000000aal.pdf )

・LPWAに関する無線システムの動向について 平成30年3月7日 総務省 移動通信課(http://www.soumu.go.jp/main_content/000543715.pdf

・「急速に普及が進むLPWAで広がるIoTビジネス」三井物産戦略研究所技術・イノベーション情報部 デジタルイノベーション室(https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/13/1806t_tsuji.pdf

・情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会 報告 平成 29 年 3 月 31 日 陸上無線通信委員会(http://www.soumu.go.jp/main_content/000477030.pdf

 

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