Smart Manufacturing

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Smart Manufacturing

スマートマニュファクチャリング(Smart Manufacturing)は、「最先端ITを産業分野で活用した高効率生産システム」とか「IoTをものづくりの分野に適用する試み」あるいは「部品や産業機械、プロセスのトラッキングや監視など、製造工程におけるIoTの活用」、「探知・解析・制御・意思決定などの様々な機能を組み込んだ、高度な製造システム」といった説明がなされます。IDC Japanの説明では、製造業へのIoTを導入には、「スマートマニュファクチャリング」、「つながる製品」、「つながるサプライチェーン」の3つがあるとし、スマートマニファクチャリングは社内向の業務の効率化・コスト削減を目的としたIoTといったとらえ方をしているようです。

特許庁が2017年3月に公表した「平成28年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)スマートマニュファクチャリング技術」では、次のように説明しています。

・・・IoT 技術の活用の一つであり、「工場内の設備等に情報通信技術及び情報処理技術を取り入れて工場の生産性の向上や新しいビジネスの創造を目指す技術の総称」とされ、生産ラインにおける個別の製造条件や製造機器のログデータ等、これまで活用しきれなかったデータを、収集・分析することで、生産性、生産管理の向上及びサービス化を図るための技術等の向上につなげることが可能となる技術である。
(特許庁 「平成28年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)スマートマニュファクチャリング技術」 より)

スマートマニュファクチャリング概念図

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(第四次産業革命時代に向けた標準化体制の強化 平成29年2月経済産業省産業技術環境局基準認証政策課 http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/daiyoji_sangyo_chizai/pdf/007_02_00.pdf より)

スマートマニュファクチャリングの国際標準化の動き

標準化の分類には、プロセスによる分類、地理上・政治上・経済上などの拘束度の高さ(水準)による分類、方法やサービスなどの目的による分類などいろいろな分類ができるようです。

プロセスの違いによる分類では、「デジュール標準(de jure standard)」「デファクト標準(de fact standard)」「フォーラム標準(forum standard)」「コンソーシアム標準(consortium standard)」などに分類されます。

デジュール標準とは、ISO(国際標準化機構:International Organization for Standardization)、IEC(国際電気標準会議:International Electrotechnical Commission)、ITU(国際電気通信連合:International Telecommunication Union)などの公的機関によって定められた標準です。デファクト標準とは、市場で大きな競争力を持っている民間企業の製品が事実上の標準となるようなもので、Windowsなどがそうです。フォーラム標準とは、関連する企業や団体などが合意の上定めた標準でBluetoothなどがそれにあたります。コンソーシアム標準とは、特定の技術方式を複数の企業が共同で行い、他の同様の目的を持った組織と市場競争で勝利を目指す企業連合(コンソーシア)によって策定される標準です。

水準による分類とは、拘束度が高いか自由度が高いかによる分類の仕方で、最も拘束度の高いものから「国際標準(ISO、IEC、ITU)」「地域標準(CEN、CENELEC)」「国家標準(JIS/JAS、ANSI、BSI、DIN、AFNOR)」があり、その下にフォーラムやコンソーシアムなどの団体規格・企業規格が位置付けられます。

smartmanufacturing_002_R(第四次産業革命時代に向けた標準化体制の強化 平成29年2月経済産業省産業技術環境局基準認証政策課 http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/daiyoji_sangyo_chizai/pdf/007_02_00.pdf より)

サプライチェーン全体を機器・製品レベルでネットワーク化し、設計・生産から小売・保守までの全体を効率化していくというスマートマニュファクチャリングでは、影響範囲が多岐にわたるため標準構築が重要とされています。

デジュール標準(国際標準)化の動きは、ISO、IECで行われています。ISOでは「TC184(オートメーションシステム及びインテグレーション:議長フランス)」という組織で行われています。IECでは「TC65(工業用プロセス計測制御:議長ドイツ)」で行われています。その他に、IECでは「SEG7 (システム評価グループ:Systems Evaluation Group)“Smart Manufacturing”」というグループがあり、ISOには「SMCC(スマートマニュファクチャリンク調整委員会:Smart Manufacturing Coordinating Committee)があります。いずれも他組織間の調整や連携・評価などを行う組織です。2017年からはISOの「TC184」とIECの「TC65」のJoint Working Group(JWG21)が設置され、Smart Manufacturing Reference Model(s)に関する標準を共同で作成するための議論を行われているようです。

ところで近年は、グローバル企業による各国標準化機関への影響力が問題化されているようです。それは、ISOやIECには日本をはじめ各国の標準化機関の代表が出席しますが、グローバル企業は現地法人を通じて複数国の標準化機関に代表を送り込み、その結果として、同じ企業が、一国一票制度のルールのもとで国を超えてISOやIECで複数票を獲得することができるということです。

スマートマニュファクチャリングのリファレンス・アーキテクチャー

リファレンスアーキテクチャモデルとしては、ドイツの「Reference Architecture Model Industrie 4.0(RAMI4.0)」が有名です。

smartmanufacturing_003_R(内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 重要課題専⾨調査会 システム基盤技術検討会資料4「Society 5.0リファレンスモデル検討について」平成28年12月27日 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/juyoukadai/system/8kai/siryo4.pdf より)

RAMI4.0に次いで注目されるものは、インダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)の「IIRA(Industrial Internet Reference Architecture)」があります。今、RAMI4.0とIIRAとのすり合わせが行われつつあるとのことです。

smartmanufacturing_004_R(The Industrial Internet of Things Volume G1: Reference Architecture https://www.iiconsortium.org/IIC_PUB_G1_V1.80_2017-01-31.pdf より)

こうしたモデルは世界で10種類くらいが提案されているとのことですが、日本が提案しているのはIVIが策定した「IVRA(Industrial Value Chain Reference Architecture)」です。

高さ方向を「アセット(資産の視点)軸」とし、「4M(人、方法、製品、工場)」、奥行き方向は「マネジメント(管理の視点)軸」とし、クオリティー(品質:Q)、コスト(原価:C)、デリバリー(納期:D)、環境(E)の「QCDE」、横方向は「アクティビティ軸」とし、Plan、Do、Check、ActionというPDCAサイクルという3つの視点で「スマートマニュファクチャリングユニット(SMU)」を作っています。

smartmanufacturing_005_R(ものづくりバリューチェーンの参照アーキテクチャー https://iv-i.org/docs/doc_161228_Industrial_Value_Chain_Reference_Architecture_JP.pdf より)

さらにこのSMUを組み合わせて企業全体でどういう組み合わせを実現するのかを表現するのが「ゼネラルファンクションブロック(GFB)」です。
GFBでは高さ方向で企業や工場の規模を示し、横軸は、エンジニアリングのフローを表現し、奥行き方向はニーズや供給のフローを表現しています。

smartmanufacturing_006_R(ものづくりバリューチェーンの参照アーキテクチャー https://iv-i.org/docs/doc_161228_Industrial_Value_Chain_Reference_Architecture_JP.pdf より)

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