LPWAN

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LPWAN

2016年2月23日にガートナー社が「2017年のIoTテクノロジ・トレンドのトップ10」を公表しましたが、その5番目に「従来のセルラー・ネットワークでは技術的な機能と運用コストの最適な組み合わせを提供することができない」として、「Low-Power, Wide-Area Networks(省電力WAN(広域ネットワーク))」を挙げていました。
IoTデバイスのすべてが高速通信である必要も常につながっている必要もありません。一日に1回あるいは数日に1回定期定期に通信したり、異常を検知した時だけ通信したりするだけでよい場合も多くあります。例えば、水道や電気・ガスなどのスマートメーターの場合、検針データを送信するのは月1回でよく、データ量もわずかです。また、電源のない場所にデバイスを設置したい場合もあります。このような多種多様なデバイス、様々な要件のアプリケーションが混在し、通信範囲、通信コスト、電力消費などの面から従来の近距離無線系や移動通信系ではマッチしない通信の頻度が低く、データ量も少ないIoTデバイスに対応した通信環境として、低消費電力(例えば、単3電池2本で10年以上)の小通信で広域をカバーできる低消費電力広域ネットワーク(「LPWAN」(Low Power Wide Area Networks))のニーズが高まっているようです。2016年5月18日には、20日にかけてパリで「LPWAN Conference 2016-省電力広域ネットワーク会議」も開催されます。

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(http://www.analysysmason.com/About-Us/News/Insight/For-IoT-CSPs-may-need-multiple-networks-each-optimised-for-a-different-use-case-/ より)

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(LPWAN Technologies for Internet of Things (IoT) and M2M Scenarios http://www.slideshare.net/PeterREgli/lpwan より)

英国の調査会社Machina Researchによれば、LPWANは、下図のように今後急速に普及が拡大し、LPWANを利用したM2Mシステムの導入件数は、2023年までに30億を超えると予測しています。また、2019年には150兆円の市場規模にもなるとの予測もあるようです。

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(http://iotbusinessnews.com/2015/07/06/30129-lpwa-will-dominate-the-m2m-wan-in-2024/ より)

LPWAの具体的な技術として、「SigFox」と「LoRaWAN」が先行しています。ほかにも、Neul、Qowisio、NB-IoT・・とたくさんあるようです。

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(2016/3/1付 日本経済新聞 より)

「SigFox」は2009年創業のフランスの新興企業「シグフォックス」が手掛けており、NTTドコモも出資しています。LoRaWANは米半導体大手セムテックが持つ「LoRa(Long Range)」技術を核にした規格で「LoRaアライアンス」が進めており、IBM、シスコシステムズなどが参加しています。

SigFoxは既に、フランス全土をカバーし、スペイン、オランダ、イギリス、ベルギーなどEUを中心に事業を拡大しています。サンフランシスコやニューヨークなどアメリカへも進出しています。アンライセンスのISMバンド(1ギガヘルツ以下の帯域を利用)、Ultra Narrow Band (UNB)と呼ばれる10から1000bits/secまでの低速データ転送に限定した技術を使用しているそうです。そして、超低消費電力で、2.5Ahのバッテリだとスタンバイ時間が20年もあり、さらに基地局の建設も通常の携帯電話基地局の10分の1という低コストで済むというのも大きな特徴となっています。そのため、IoT機器1台あたりの通信料が最低で年1ドルとのことです。

(2016年11月12日追記)
また、上記の表にはありませんが、アメリカのWAVIoT社の提供するオープンなNB-fiプロトコルもあります。こちらにほかのネットワークとの比較があります。
(追記ここまで)

最近注目を集めつつあるのが、NB-IoTです。前述のガートナー社が「2017年のIoTテクノロジ・トレンドのトップ10」の中でも「・・・最初の省電力広域ネットワーク (LPWAN) はベンダー固有のテクノロジを基盤にしていましたが、長期的に見た場合、ナローバンドIoT (NB-IoT) が優位を占めることが見込まれます」と述べています。注目される理由は、免許帯域を使うことで、伝送出力を高められ、送信距離を伸ばせること、混信の可能性が低いこと、既存の移動通信サービスと親和性があることから移動通信事業者が、IoTのサービスに乗り出す際のコストを軽減できることなどがあるようです。

高速化がすすめられきたネットワーク環境も、IoTのためのネットワークという視点からIoTに最適な通信規格の提案が次々になされており、通信方式の主導権を巡って各社の動きがますます活発になってきそうです。

 

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