Hyperledger Projectとブロックチェーン

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Hyperledger Project

blockchain_004_RHyperledger Project はブロックチェーン技術の共同開発プロジェクトで、「Linux Foundation」が中心となり、2016年2月に世界の30社あまりの企業が参加して創設されました。ブロックチェーン技術/P2P分散レッジャー技術の確立を目指し、現在は金融インフラ企業、金融機関、ITベンダーなど5月末現在で48社が加入しているようです。設立時のメンバーには、ABN Amro/アクセンチュア/ANZ銀行/ブロックチェーン/BNYメロン/キャラストーン/シスコ/CLS/CMEグループ/コンセンシス/クレディッツ/米証券保管振替機構(DTCC)/ドイツ証券取引所/デジタルアセットホールディングス/富士通/Guardtime/日立/IBM/インテル/IntellectEU/JPモルガン/NEC/NTTデータ/R3/レッドハット/ステート・ストリート/SWIFT/シンビオント/VMware/ウェルス・ファーゴなどが名を連ねています。現在、ブロックチェーンは、次世代のITインフラ技術として、金融サービスだけでなく、様々なサービスでの活用が展望されています。ただし、未だ世界的なスタンダードは定まっておらず、オープンな環境での技術発展への貢献が求められています。

プロジェクトは複数の業界で利用可能なP2Pかつブロックチェーンベースの汎用プラットフォームの構築に取り組むとのことです。このプロジェクトを先導するのは米IBMで、自社のソースコード(プログラム)をプロジェクトに公開しています。IoTの仕組みとして、ブロックチェーンを活用することがIBMの戦略のようです。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、「ナカモト・サトシ」という謎の人物によって書かれた論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」の公開され、翌2009年に、ビットコインの運用が始まったのが最初で、インターネットに次ぐインパクトのある発明であり、今後人々の生活に劇的な変化を与えるかもしれないとも言われています。

「ブロックチェーン」は、その名の通り「取引の記録」をまとめた「ブロック」を鎖のように順次追加していく仕組みです。「ブロック」には前のブロックの情報と、ある時間内(ビットコインでは役10分間)に行われたすべての取引のリスト(トランザクション)が含まれています。

ブロックチェーンは、記録の維持を特定の管理主体が行うのではなく、ネットワーク接続された数多くのコンピュータ群で分散処理、データ管理を行います。P2P型の分散ネットワークで中央集権を置かずに改ざん・破壊の困難な取引システムを支えるオープンソースプロトコルと言われています。

ブロックチェーンについては、様々な説明がなされています。いくつか紹介します。

〇 ブロックチェーンはインターネット上で複数の人が取引記録などを共有し、相互に取引を認証する仕組み。(日経2016年2月8日付け)

〇 ブロックチェーン技術とは、一つの巨大なシステムで処理とデータ管理するのではなく、ネットワークに接続された数多くのコンピューターで分散して処理やデータ管理を行うことで、同等の機能を実現する技術です。(NTTデータhttp://www.nttdata.com/jp/ja/news/information/2016/2016021001.html)

〇 ブロックチェーンはビットコインなどの分散型暗号通貨を支えるコアの技術である。その名の通り「取引の記録」をまとめた「ブロック」を「チェーン(鎖)」のように順次追加していく仕組みである。(野村総合研究所 金融ITナビゲーション推進部Financial Information Technology Focus 2015.10 より)

〇 分散型台帳技術。複数拠点に分散されたサーバなどの通信機器に、それぞれ同一の記録を同期させて一つの台帳を維持する仕組み。(日立金融ソリューションhttp://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/topics/20160210info-LF_Hyperledger.html より)

〇 ブロックチェーンは主に以下の特徴があります。

分散型台帳・・ブロックチェーンネットワーク参加間で取引情報(台帳)の共有が可能
暗号技術・・・公開鍵暗号方式により取引内容が発行者の意図したものであることを保証
合意形成(取引検証)・・・多種多様な参加者間でも取引の完全性を保証
スマートコントラクト・・・契約条項のようなビジネスルールを組み込み、契約の自動化が可能
(FUJITSU http://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/financial/concept/blockchain/ より)

〇 一般に「分散型台帳技術」と訳すが、ビットコインなどの仮想通貨の基盤技術といった方が分かりやすい。ただ用途は金融取引に限らず、さまざまな産業への展開が期待されている。
(日刊工業新聞 ニュースイッチ http://newswitch.jp/p/4829 より)

〇ブロックチェーン技術とは

• ビットコインを実現させるために⽣まれた技術であり、いくつかの暗号技術がベース
• P2Pネットワークを利⽤してブロックチェーンデータを共有し、中央管理者を必要とせずにシステムを維持することを実現

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(平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備
(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 平成28年4月28日 商務情報政策局 情報経済課 より)

ブロックチェーンを巡る動き

〇 R3コンソーシアム

世界の大手金融機関を中心に42社が参加するブロックチェーンを使った金融取引の共同基盤を提唱するコンソーシアムです。参加している企業群によるPrivate Distributed Ledgerを構築、複数の実証実験を実施中です。

〇 NASDAQ

ブロックチェーン技術を活⽤した未公開株式取引システム「Nasdaq Linq」を発表しています。

〇 イーサリアム

 欧州のオープンソース団体「イーサリアム・ファウンデーション」が推進しています。MSも参加していますが、MSはブロックチェーンの開発自体は行わず、「アジュール」を通してブロックチェーンのサービス化を支援していくようです。

〇 デジタル通貨イニシアティブ

MITメディア・ラボが2015年4月設立した仮想通貨やブロックチェーン技術の研究組織です。ホワイトハウスのシニアアドバイザーとして、オープンデータやモバイルなどに関する先進IT政策についてオバマ政権に助言してきたブライアン・フォード氏をディレクターとして迎えています。

〇 W3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)

2015年10月にウェブ・ペイメント(Web Payments)ワーキンンググループ(WG)を発足させました。デビットカード、クレジットカード、モバイル決済システム、エスクロー(第三者預託)、ビットコイン、分散型台帳の技術を含む既存及び将来の支払方式を広範囲にサポートし、ユーザが選択する決済方法とインターネット上のマーチャントが決済する方式をすり合わせて簡易化することを目指しています。

〇 ブロックチェーン推進協会(Blockchain Collaborative Consortium, BCCC)

国内ベンチャー企業34社が発起メンバーとなって2016年4月に設立されました。同協会の設立趣旨には、ブロックチェーンの普及啓発、ブロックチェーンの適用領域を拡大、ブロックチェーン技術領域への資金調達支援、世界のブロックチェーン団体との連携などが掲げられています。

〇 日本ブロックチェーン協会

日本ブロックチェーン協会(JBA)は、一般社団法人日本価値記録事業者協会(JADA)が改組して2016年4月に発足した組織です。JADAではビットコイン取引所の運営に関わる法整備や自主規制のガイドラインにかかわる活動をおこなってきましたが、仮想通貨ビジネスだけでなく、ブロックチェーン技術に取り組むことから名称を変更したようです。活動内容としては、JBAのウェブに「仮想通貨及びブロックチェーン技術の健全なるビジネス環境と利用者保護体制の整備を進めることで、我が国の産業発展に資すること」「国内での仮想通貨ビジネス振興及び課題解決の自主ガイドラインの制定及び施行」「ブロックチェーン技術の社会インフラへの応用、政策提言」を挙げています。

ブロックチェーン技術の展開が有望な事例とその市場規模

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(平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備
(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 平成28年4月28日 商務情報政策局 情報経済課 より)

 

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