AGL

agl_001_R

AGL

AGLは「Automotive Grade Linux」の略で、The Linux Foundationが2012年に発足させたワーキンググループです。コネクテッドカーの共通基盤となるLinuxベースのソフトウェアスタックを開発するオープンソース共同開発プロジェクトです。発足時には、日産やトヨタ、ジャガー・ランドローバー、デンソー、富士通、インテルなどが参加していました。その後参加企業が増え、現在、日本からは前述の企業の他にマツダ、三菱自動車、富士重工業、アイシン・エィ・ダブリュ、富士通テン、三菱電機、NTTデータMSE、パナソニック、パイオニア、ルネサス エレクトロニクスなど多数参加しています。また、2016年5月9日のアナウンスメントでは、「Oracle, Qualcomm Innovation Center, Texas Instruments, and others Support the Connected Car by joining Automotive Grade Linux」とあり、Movimento、オラクル、クアルコムイノベーションセンター、テキサス・インスツルメンツ(TI)、UIEvolution、VeriSiliconの6社が最近あらたに加入したようです。現在その数は70社以上になるとのことです。
AGLには、貢献レベルに応じてプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4種類があり、プラチナメンバーズにはデンソー、ルネサス、マツダ、トヨタ、パナソニックの日本企業が名を連ねています。

agl_002_R

(https://www.automotivelinux.org/about/governance より)

新しいディストリビューション

2016年1月のアナウンスメントには、新しいLinuxディストリビューション(※1)を開発したとあります。

agl_003_R

(https://jp.linux.com/news/linuxcom-exclusive/437779-lco20160108 より)

当初AGLはデジタルメーターから車載情報システムまで様々な端末向けのアプリ開発で標準仕様を作るために、Intelなどが推進するTizen(※2)プロジェクトと協力していくということで、「Tizen IVI」をベースにしていました。そして2014 年7月には、Tizen IVI プラットフォームをベースとし、HTML 5 アプリケーションを動作させる最初の AGL リファレンス プラットフォームをリリースしました。
しかし2015年からは、ユニファイドコードベース(UCB)と呼ばれる「Yocto Project」をベースにした新しいディストリビューションを開発する方針に変更しました。アナウンスメントには「This new Linux distribution was built from the ground up to address automotive specific applications and leverages the best software components from AGL and other existing open source projects such as Tizen and GENIVI Alliance.」と述べられており、TizenやGENIVIアライアンスなどの他の既存のオープンソースプロジェクトから最高のソフトウェア・コンポーネントを活用しているとのことです。また、新しいAGLの機能と利点として次のことが述べられています。

Yocto Project をベースにした完全な Linux ベース ディストリビューション
複数のプロジェクト (AGL、GENIVI、その他) が共有できる共通の IVI レイヤ
Git コード リポジトリ、Gerrit コード レビュー、および Jira バグ・イシュー トラッキングなどの完全なオープン ソース開発基盤 (すべて Linux Foundation がホスト)
Jenkins による継続的インテグレーション (Continuous Integration: CI)
自動検査基盤
Weston IVI shell と Wayland IVI extension (GENIVI 製)
QT マルチメディアと QML アプリケーションのサポート
ホーム スクリーン、メディア ブラウザ、HVAC コントロール/ディスプレイ、AM/FM ラジオ、およびナビゲーションなどのデモ アプリケーション
マイクロチップ技術で開発された最初のオープン ソース MOST デバイス ドライバー
ネイティブ アプリと HTML5 アプリのオプション
(http://www.linuxfoundation.jp/news/announcement/2016/01/automotive-grade-linux-introduces-new-unified-code-base-distribution より)

新しいディストリビューションは、同じコードベースから自動車のあらゆるアプリケーション (計器盤、ヘッド アップ ディスプレイ、テレマティクス、コネクテッド カーなど) に対応できるさまざまなプロファイルを作成できるよう設計されているとのことです。

(※1)ディストリビューション (distribution)は「配布」「流通」といった意味がありますが、Linuxはそのままでは動作しないため、ユーザーがLinuxを利用できるように、Linuxカーネルとドライバやアプリケーションをパッケージにして配布するLinuxの配布形態のことを指します。
(※2)Linuxベースのモバイル機器向けOSで、特徴は、アプリケーションをHTML5やJavaScriptなどの技術を用いて開発することができることです。IVIとはIn-Vehicle Infotainmentの略語であり、Intelが車載情報機器を示す単語として提言したものです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です