5GPPPのプロジェクト

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5GPPP

NECは2016年1月、プレスリリースで5GPPP(Public-Private Partnership :5Gインフラストラクチャ構築に関する官民パートナーシップ)の共同研究プロジェクトに参画したと発表していました。

5GPPPには19のプロジェクトがあり、NECは、以下5つのプロジェクトに参画しているとのことです。

(1)SONATA

ネットワークサービスのチェーニングやオーケストレーションなどを行う柔軟で拡張性の高い仮想化ネットワークの開発・検証

(2)XHaul

C-RAN(Centralized-RAN)における無線アクセスとコアネットワーク機能、モバイルバックホール・フロントホールのネットワークデザインの開発

(3)5G NORMA

基地局からコアネットワークまでに適用できる5Gを活用したネットワークの概念の開発・検証

(4)FLEX5G WARE

5Gネットワーク向けに拡張性と仮想化を実現するハードウェア、ソフトウェア、プラットフォームの開発

(5)Superfluidity

通信遅延を短縮化し高速レスポンスを実現するモバイルエッジコンピューティング(MEC、注2)技術の開発

(NECプレスリリースhttp://jpn.nec.com/press/201601/20160112_01.html より)

なお、SONATA、XHaulではプロジェクトリーダーを務めています。

5GPPPのプロジェクトにはいろいろな企業・大学などが参加しています。例えばNECがリーダを勤めるXHau(5G-Crosshaul)には、エリクソン、ノキア、アトス、フランスのオレンジなど情報通信関連の企業な名を連ねています。中国のファーウェイも存在感を示しており、次の5つのプロジェクト・グループに関わっています。

(1)METIS-II(2020年の情報社会に向け、モバイルおよびワイヤレス通信を実現)

(2)FANTASTIC-5G(5Gネットワークにおける柔軟な無線インターフェースによって拡張性のあるサービスを実現)

(3)mmMAGIC(5Gのミリメートル波技術に基づく無線アクセス・ネットワーク)

(4)5G-Xhaul(スモールセルおよびクラウドRAN向けの動的構成が可能なバックホール/フロントホール)

(5)5G Exchange(ソフトウェア定義ネットワーク向けのサービス・オーケストレーション)

(Huawei Technologies  http://www.huawei.com/minisite/5g/jp/huawei-5gppp.html 参照)

19のプロジェクト

5GPPPは第5世代移動通信方式(5G)のコンセプトや技術を検討、研究開発を推進する欧州の団体で「Horizon2020」(※1)の通信インフラ分野における産学連携による研究プロジェクトの1つです。

2015年から本格的に活動を開始しており、2020年以降に5Gを活用した通信インフラの実現を目指しています。

5GPPPの掲げる第5世代移動通信方式(5G)の要求水準は次の通りです。

①2010 年時と比較して1000 倍の通信容量

②2010 年時と比較してエネルギー消費量を10分の1に

③サービス製作平均時間を90 時間から90 分に

④データ送受信停止時間(“zero perceived”)が感じられないような安全で信頼できるインターネット・サービスを提供

⑤70億人以上が利用する7 兆デバイス以上が接続する無線通信リンクの濃密な展開促進

⑥誰でもどこでもアクセス可能なユニバーサルで低価格なサービス

⑦Internet of Things(IoT)のプラットフォーム

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(https://5g-ppp.eu/ より)

前述のNECなどが参加している5GPPPのプロジェクトですが「Euro-5G」を筆頭に、以下の合わせて19のプロジェクトがあります。

①Euro-5G

②Flex5Gware:Flexible and efficient hardware/software platforms for 5G network elements and devices

③5G-NORMA :5G Novel Radio Multiservice adaptive network Architecture

④METIS-II:Mobile and wireless communications Enablers for Twenty-twenty (2020) Information ⑤Society-II

⑥5G-XHaul:Dynamically Reconfigurable Optical-Wireless Backhaul/Fronthaul with Cognitive Control Plane for Small Cells and Cloud-RANs

⑦CHARISMA:Converged Heterogeneous Advanced 5G Cloud-RAN Architecture for Intelligent and Secure Media Access

⑧SESAME:Small cEllS coordinAtion for Multi-tenancy and Edge services

⑨SELFNET:A FRAMEWORK FOR SELF-ORGANIZED NETWORK MANAGEMENT IN VIRTUALIZED AND SOFTWARE DEFINED NETWORKS

⑩CogNet:Building an Intelligent System of Insights and Action for 5G Network Management

⑪VirtuWind:Virtual and programmable industrial network prototype deployed in operational wind park

⑫5GEx:5G Exchange

⑬FANTASTIC-5G:Flexible Air iNTerfAce for Scalable service delivery wiThin wIreless Communication networks of the 5th Generation

⑭COHERENT:Coordinated control and spectrum management for 5G heterogeneous radio access networks

⑮SONATA:Service Programming and Orchestration for Virtualized Software Networks

⑯Superfluidity:a super-fluid, cloud-native, converged edge system

⑰5G-Crosshaul:The 5G Integrated fronthaul/backhaul transport network

⑱mmMAGIC:Millimetre-Wave Based Mobile Radio Access Network for Fifth Generation Integrated Communications

⑲Speed 5G::quality of Service Provision and capacity Expansion through Extended-DSA for 5G

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(https://5g-ppp.eu/5g-ppp-phase-1-projects/ より)

(※1)Horizon 2020は第8次欧州研究開発フレームワーク計画(FP8)の別名で、2014年1月より、FP7の後継フレームワークプログラムとして始まったものです。その目的は下記の3つのプライオリティと7つのフラッグシップイニシアチブで構成されています。

(1)スマートな成長

1.デジタルアジェンダ、2.イノベーションユニオン、3.若者の支援

(2)持続可能な成長

4.資源効率の高い社会、5.国際化に対応した産業政策

(3)包括的な成長

6.新しいスキルと仕事、7.貧困対策プラットフォーム

(「欧州の新しい研究開発・イノベーション枠組プログラムHorizon 2020の概要」独立行政法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター より)

5GPPPは、H2020で計画されているネットワーク・インフラにおけるフラッグシップ研究プロジェクトです。

5G関連団体

NECは、5Gの実用化に向け3GPP(3rd Generation partnership Project)やNGMN(Next Generation Mobile Network)(※1)、5GMFなどに参加しているとのことですが、5Gの標準化や5GPPPのような研究イニシアチブの団体が各国にいくつも存在しています。前述の「5GMF」は日本の研究開発・標準化を推進する日本のフォーラムで、5GMFと5GPPPは2015年3月に、5Gに関する協力の覚書を締結しています。その他の団体としてはITU-R (ITU Radiocommunications Sector) 、GSMA (GSM Association) 、TIA (Telecommunications Industry Association) 、METIS(※2)、5GNOW(※3)、4G Americas(※4)などがあります。その他、韓国には5G Forum(※5)、中国にはIMT-2020(※6)、863-5G Project(※7)そして日本にはARIB 20B AH(※8)などがあります。

(※1)世界をリードするモバイルネットワーク事業者によって設立されたオープンなフォーラムです。その目的は、次世代ネットワークインフラストラクチャ、サービスプラットフォームおよびデバイスのための要求条件や運用シナリオなどを検討する団体で、2015年にホワイトペーパーを策定しています。

(※2)欧州の多年次助成プログラムであるFP7に基づいて欧州委員会が2012年に設立し、5Gに向けた、チャネルモデル、評価モデル、要素 技術、スペクトラム、アーキテクチャなどを幅広く検討し、5Gの基本コンセプトの作成を行っています。

(※3)EUが資金を提供し進めてきたプロジェクトの一つで、他にもMETI、iJOIN、MIWEBA、CREW、EVARILOSなどがあります。5GNowは新波形技術の研究を行っています。

(※4)米国の通信関連企業のコンソーシーアムで、LTEの研究開発や標準化を推進していますが、LTE の次世代の5Gへの取組も開始しており、5Gの開発投資や標準化でも国内で主導的立場を担っています。参加企業は、ATT&T、Telefonica、Sprint、T-Mobile、America Mobil、CISCO、Qualcomm、Cable&Wireless、Ericsson、Nokia、Intel、Hewlet Packard、Commscope、entel、Mitelの15社です。

(※5)官民パートナーシップとして、5Gの標準化を推進するために2013年に設置されました。

(※6)中国の工業情報部(MIIT)、国家発展改革委員会(NDRC)、科学技術部(MOST)が2020年移行のIMTを検討する場として2013年に設立しました。

(※7) 2014年3月から始まった中国のハイテク技術の研究開発を促進することを目的とした国家プロジェクトです。外資系企業なども参加し幅広いテーマで5Gに向けた研究が実施されています。

(※8)名称は2020 and Beyond AdHocで、電波産業会(ARIB)内に日本における2020年移行のモバイル通信システムを検討する場として2013年から活動しています。

 

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