日米のIoT推進団体の連携

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日米のIoT推進団体の連携

「IoT推進コンソーシアム」が米国のゼネラル・エレクトリック(GE)やマイクロソフトなどが設立した2つの共同研究組織と10月3日に覚書を結ぶとの報道がありました。2つの組織とは「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」(IIC)と「オープンフォグ・コンソーシアム」です。通信やセンサーの規格、サイバー攻撃を防御するセキュリティー技術などのIoTの国際標準策定で協力するとのことです。
ちなみに、一部の報道では「了解覚書」と記しています。これは英語ではMemorandum of Understanding(MOU)と呼ばれるものです。通常は法的拘束力がなく、取り決めを破った場合の罰則などは規定されません。
そのねらいについては、「国際標準の策定への関与を強め、日本企業が国際的に事業を展開する環境を整備したい(NHK)」「日本はハードに強い独とソフトに強い米とのタッグで、世界市場でのIoT戦略を有利に進める狙い(日経新聞)」「日本は米独主導で進みかねない規格策定に「待った」をかけ、3カ国による枠組みの中で日本の意向を反映させていく考え(時事通信)」「技術面で主導権を握り、成長市場をけん引したい考え(毎日新聞)」と各社は分析しています。

競争から協調への動き

2015年4月、ドイツのIoT推進団体「Plattform Industrie 4.0」とアメリカのIoT推進団体「Industrial Internet Consortium」が相互協力の推進で合意し、そして2016年3月に両運営団体が、産業分野で規格標準化などに必要な工程表や見取り図を互いに持ち寄り、相互に運用できるようにすることで合意しました。そして、インダストリー4.0リファレンス・アーキテクチャ・モデル「Reference Architecture Model Industrie 4.0(RAMI4.0)」と、IICが推進するインターネット・リファレンス・アーキテクチャ「Industrial Internet Reference Architecture(IIRA)」について、テスト推進連携や標準化、基準制定に向けて動きだしました。

2016年3月、日本とドイツはIoT分野における両国の連携協力に関して基本合意し、4月に両国間でIoT分野の共通規格・標準を整備することを目指した共同声明への署名が行われました。共同声明のポイントは、経済産業省とドイツ経済エネルギー省の間で、IoT/インダストリー4.0協力に関する局長級対話を毎年実施し、IoT/インダストリー4.0に関心がある民間団体等の参加を得て、① 産業サイバーセキュリティ ② 国際標準化 ③ 規制改革 ④ 中小企業 ⑤ 人材育成 ⑥ 研究開発について連携していくことです。具体的には、「制御システムセキュリティに関する共同演習の実施」「ドイツが進めるアーキテクチャーモデル「RAMI4.0」を利用した国際標準づくりの推進」「IoT 関連の規制(自動運転やスマートホームを含む)に関する協力」などです。

IoT推進コンソーシアム

国内企業約2400社と経済産業省、総務省などで作る産学官協議会で、IoT/ビッグデータ/人工知能時代に対応し、企業・業種の枠を超えて産学官で利活用を促進することを目的として総務省などの呼び掛けで、2015年10月に設立されました。同コンソーシアムは、IoTに関する技術の開発・実証及び標準化等の推進、IoTに関する各種プロジェクトの創出及び当該プロジェクトの実施に必要となる規制改革等の提言などを行っています。

consortium_002_r(https://iotlab.jp/jp/about.html より)

インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)

インダストリアル・インターネット・コンソーシアムは、AT&T、シスコシステムズ、ゼネラル・エレクトリック、IBM、インテルの5社によっ2014年に設立されました。現在240以上の企業、団体が参加し、日本からも日立製作所、東芝、三菱電機、富士電機、富士通、NEC、富士フイルム、トヨタ自動車、ルネサス、リコーなど10数社が参加しています。IoT&インダストリアル・インターネットの分野で、最大のコンソーシアムでIoTの産業実装を目的とした団体です。

インダストリアル・インテーネット・コンソーシアムの目的

consortium_004_r(「Industrial Internet Consortium の最新状況と日本への対応」吉野 晃生 一般社団法人日本OMG代表理事 http://www.soumu.go.jp/main_content/000415662.pdf より)

オープンフォグ・コンソーシアム

ARM、シスコ、Dell、Intel、Microsoft、プリンストン大学エッジ研究所によって2015年に結成されたフォグコンピューティングの普及を目指した業界団体です。約30のメンバーが加入しており、日本からは東芝やさくらインターネット、富士通などが参加しています。
OpenFog コンソーシアムのFAQには、コンソーシアム設立の意図について次のように次のように記されています。

構成可能性に優れたアーキテクチャと、フォグ/エッジ/分散コンピューティングへのアプローチを構築することで、既存の産業向けIoTの取り組みをさらに進めるものです。IoTソリューションを実現し、IoT 市場の開拓を進めるプロバイダーの全体的なエコシステムにおける緊密な連携を促進します。・・・・最終的に、次世代のIoTを実現し促進することに寄与したい・・・
(https://www.openfogconsortium.org/wp-content/uploads/Public-QA-OpenFog-FINAL-for-web-JapaneseVersion.pdf より)

consortium_001_r(http://cisco-inspire.jp/issues/0023/closeup2.html より)

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