国際標準化

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戦略的情報通信研究開発推進事業(国際標準獲得型)

総務省は2016年8月に「戦略的情報通信研究開発推進事業(国際標準獲得型)~スマートシティ分野のICT に関する公募~」を発表しました。
これは、研究成果の国際標準化や実用化を加速し、さらなるイノベーションの創出や我が国の国際競争力の強化、国民生活や社会経済の安全性・信頼性の向上等に資することを目的とし、米国内に設置された大学、民間企業、地方公共団体等の研究機関に所属する研究者との間で共同で研究開発を実施する、日本国内に設置された大学、民間企業、独立行政法人、地方公共団体等の研究機関に所属する研究者に対するものです。公募する研究開発課題は、先に情報通信審議会からの出された「新たな情報通信技術戦略の在り方」第2次中間答申を踏まえたものであるとのことです。

ところで、この「新たな情報通信技術戦略の在り方」第2次中間答申にはIoT/BD/AI IoT/BD/AI IoT/BD/AI 時代に、我が国経済が引き続き国際競争力を維持・強化し、持続的な成長を図るために今後取り組むべき技術戦略として、横断的な推進方策と分野別の推進方策を示しています。横断的な推進方策には「IoT/BD/AI IoT/BD/AI IoT/BD/AI時代における人材育成」と「IoT/BD/AI IoT/BD/AI IoT/BD/AI時代の標準化戦略」、分野別の推進方策には「先端的なIoT分野」と「次世代人工知能」が挙げられています。

こうしたことを受けて、標準化に関しては、研究成果目標に、「同分野における標準化活動に貢献し、研究成果のグローバル展開を促進する」ということが含まれています。また、提案要件の一つに、「スマートシティ分野の標準化活動に貢献すること」とあります。

dejure_004_R(新たな情報通信技術戦略の在り方<平成26 年12 月18 日付け諮問第22 号>第2次中間答申(案)平成 28 年 7月 7日情報通信審議会 より)

国際標準化に取り組むメリット

標準化は多様化、複雑化、無秩序化を防ぐための行動であり、国際標準は標準化により制定される国際的な取決めです。こうした国際標準化に企業が取り組むことは、本来は互換性の確保や製品品質の保証が主たる目的でしたが、経済のグローバル化により、世界中に様々な製品が流通するなか、「市場創出及び市場の拡大」「生産及び研究開発の効率化」「競争環境の整備と付加価値の創造」とその目的は変化してきています。今や企業にとって知的財産と並んで重要なものとなっています。

少々古い資料ですが、総務省の「ICT 国際標準化推進ガイドライン」には国際標準化の目的について次のように述べてあります。

1. 標準化を事業戦略ツールとして利用し、市場の創出/拡大、コストダウン等により、利益の追求を図ること(ビジネスの視点)
2. 標準化により製品やサービス内容を明確に表示し、消費者・顧客が適切かつ誤解なくそれらを選定できるようにすることで、顧客満足度を向上すること(消費者・顧客の視点)
3.公正な競争や貿易の壁を排除することによる社会・産業全体の発展を目指し、 社会に貢献すること(産業・社会など公的な視点)
(ICT 国際標準化推進ガイドライン 総務省)

また、国際標準化のメリットについては次のように述べています。

1. 標準化により製品や技術が普及促進され、市場が拡大すること
2. 製品や技術の差別化競争に標準化を有効活用できること
3. 自社特許を標準に組み込むことが知的財産権の強化、さらにはロイヤリティ収入の増加やクロスライセンスによる支出削減による収益力の向上につながること
4. 標準に準拠した自社製品は品質や相互接続性等が担保され、安心して使われること
(ICT 国際標準化推進ガイドライン 総務省)

国際標準化の種類

国際標準化を進める団体には、国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、国際電気通信連合(ITU)、ASME、ASTM International、IEEE,、IETF、OIDF、SAE International、TAPPI、W3C、UPUなど数多くあり、ITUのような公的な機関もあれば、ISOやIECのような民間の標準化団体もあります。

こうした団体を作成プロセスから分類すると、デジュール標準、フォーラム標準、デファクト標準の3 種類に分けられます。(「ICT 国際標準化推進ガイドライン(総務省)」より)。この3つに「コンソーシアム標準」を加えて4つに分けることもありようです。

dejure_003_R(第二次中間とりまとめ(案)総務省情報通信審議会IOT対策委員会 平成28年4月15日より)

〇 デジュール標準

デジュール標準のデジュールとは、ラテン語の“de jure”に由来し、「法にあった」、「法律上で正式の」という意味があり、ITU(国際電気通信連合)やISO などの公的な標準化機関において公正な手続きのもと、関係者の合意の上で公的な標準として策定されるものです。開放性・透明性が要求され、反対国の意見も聞ききながら、最終的に多数決で採決するため、策定プロセスに一定の時間とコストがかかります。従って、今はフォーラム標準が主流になりつつありようです。
また、デジュール標準には、ITUやISOのような国際標準の他に、EN(欧州規格)のような地域標準、JIS(日本)、ANS(アメリカ)のような国家標準があります。

〇 フォーラム標準

特定技術分野の標準策定に関心のある複数の企業などが集まってフォーラムと呼ばれる組織を形成し、開放性・透明性のあるプロセスを経てその組織が業界の実質的な標準を作成するものです。公的機関の定める標準ではありませんが、IT分野等の変化の早い分野では、実質的にはデジュール標準案の検討機関として働くことが増えています。フォーラムの例としてはIEEEや、IETFなどがあります。

〇 コンソーシアム標準

特定方式を押す企業連合が合同で規格を策定して標準とするのがコンソーシアム標準です。ただ、複数組織間による競争により規格を策定するため、競争と協力という複雑な利害関係が各企業に生じます。WEBの標準規格を決める団体「W3C」の策定する規格は、コンソーシアム標準に当たります。

〇 デファクト標準

デファクト標準のデファクトはラテン語の“de facto”に由来し、「事実上の」という意味があります。例えば、マイクロソフト社のWindowsのように、市場で多くの人に受け入れられ圧倒的シェアによって事実上の標準とみなされるようになったものを指します。

dejure_001_R(事業戦略への上手な国際標準化活用のススメ(初版)2007年3月事業戦略と標準化経済性研究会より)

 

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