モバイルIoTイニシアチブ

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モバイルIoTイニシアチブ

2015年12月、GSMAが、「新たに登場した省電力広域(LPWA)市場向けの技術標準でモバイル通信業界が合意し、3GPP(※1)が同標準を受け入れた」ことを歓迎するとのニュースがありました。ちなみに、これらの補完的技術は3GPPリリース13(2016年予定)で規定されるとのことです。

ところで、GSMA(GSM Association)は、「モバイルIoTイニシアチブ」を立ち上げ。認可周波数帯でのLPWA(低消費電力広域)ソリューションの使用に取り組んでいますが、IoTアプリケーションの要件は多種多様であることから、単一の技術ではLPWA使用事例のすべてに対応できないとして、補完的な認可済み3GPP標準規格に注目していました。

モバイルIoTイニシアチブは、2015年8月にLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークによってIoTを加速化するためのプロジェクトとして設立されたものです。ボーダフォンやファーウェイなど、モバイル通信事業者、OEM、チップセット企業、モジュール企業、インフラ企業などから26社が参加しています。日本からはNTTドコモとKDDI参加しています。

低消費電力を特徴とするLPWAネットワークを普及していくことで、IoTやM2Mといった市場の活性化を目指しており、発足時での発表では、LPWAソリューションの最初の仕様は、2015年末に完成、最初の実装は2016年前半、完全な商用ソリューションは同年後半と見込んでいます。

(※1)3GPP (Third Generation Partnership Project)は、第3世代(3G)移動体通信システムの標準化プロジェクト及び同プロジェクトによる移動体通信システムの標準規格です。

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(http://www.mobileworldlive.com/featured-content/home-banner/gsma-launches-mobile-iot-initiative/ より)

LPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク

IoTの通信部分を担う代表的な技術としては、無線LAN、ZigBee、Bluetooth Low EnergyやWi-SUNなどの近距離無線系と2G、3G、4Gという移動通信系がありますが、LPWAネットワークは機器間(M2M)アプリケーションのうち、低データ転送速度でバッテリー駆動時間が長く、長時間にわたって無人で稼働するアプリケーション向けにデザインされています。安全監視、水とガス計量、スマートグリッド、さらには駐車場、自動販売機、街灯、ウエアラブル機器など、幅広いアプリケーションに使用されることが期待されています。

前述のように、単一の技術でのLPWA使用事例すべてへの対応が難しいとして、3GPPに対して、狭帯域のIoT(NB_IoT)、拡張カバレッジGPRS(EC-GPRS)とLTEマシンタイプ通信(LTE_MTC)のRelease 13での標準化を促していました。なお、EC-GPRSについては3GPPの計画にはないが、移動通信用IoT向け拡張GSMである「Extended Coverage GSM(EC-GSM)」に関係があるとのことです。

lpwa_0011(http://www.microchip.com/pagehandler/ja-jp/technology/personalareanetworks/technology/lora.html より)

NB-IoT(NarrowBand-IoT)

NB-IoTは、携帯電話網などを活用したIoT通信手法で、移動通信の業界団体3GPPで標準化が進められています。各種の小型センサーや機器に組み込めるような小さな送受信モジュールを使い、数kmの伝送距離(最大20km程度)でデータをやりとりします。利用する帯域幅が180kHzでLTEに比べると狭帯域で、LTEのガードバンド(※2)やGSM(※3)の周波数帯など様々な帯域を活用できるとのことです。

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(https://www.qualcomm.com/news/onq/2015/09/28/harmonizing-industry-narrowband-iot-specification より)

NB-IoTは、Vodafone社とHuawei社が2014年前半に共同提案し、2015年9月から3GPPで本格的な仕様検討が進められてきました。2015年11月には、Vodafone、Huawei Technologies、Ericsson、Nokiaなどは、NB-IoTの推進に向けて業界団体を設立することを明らかにしています。

2015年12月21日には、スペインでNB-IoTの商用試験にHuawei Technologiesのチップセットとソフトウェアを使用し、世界で初めて成功したとの発表がありました。

Huawei Technologiesは、NB-IoTに力を入れており、これまでも展示会などで様々な試作品を公開してきました。2015年11月に香港で開催された「Global Mobile Broadband Forum 2015」でも、GPS機能を組み合わせて物品の位置情報を管理できる「スマートトラッキングシステム」として公開していました。

NB-IoT技術の標準規格は、セルラー通信の国際標準化機構である3GPPにより、Release-13の規格として2016年初頭に策定される予定です。

(※2)隣接する周波数帯域を利用する別のシステムとの干渉を防ぐために設けられる未使用の周波数帯域のことです。

(※3)GSMはヨーロッパ、アメリカ、アジア(日本と韓国を除く)などの国と地域で使われておますが、3G前の通信方式のため速度や品質では劣ります。

 

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