フィールドネットワーク

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フィールドネットワーク

フィールドネットワークは、産業用ネットワークの一つで、コントローラ(PLC等)とフィールド機器間のデジタル通信を主としたネットワークです。フィールドネットワーク=フィールバスとする説明も多く見られます。工場を3つに階層化して、下位層をフィールド・ネットワークとしてその中にフィールドバスを置くとする説明もあります。同じように3つに分けるのですが、上位層(コントロールネットワーク)、下位層(フィールドネットワーク)、最下位層(フィールドエンドネットワーク)とし、下位層のみの場合を狭義のフィールドネットワーク又はフィールドバスとしてフィールドネットワークとフィールドバスを同じものとする説明もあります。 また、フィールドバスをコントロールバス、フィールドバス(狭義)、センサーバスの3つの形態に分類し、狭義のフィールドバスをフィールドネットワークとする説明があります。あるいは、ファクトリー-オートメーション(FA)におけるネットワークをコンピュータレベル、コントロールレベル、デバイスレベル、ターミナルレベルの4つに分け、デバイスレベルとターミナルレベルをフィールドネットワークとする説明もあります。 もっと広義に、前述のコンピュータレベルやコントロールレベルも含めて、あるいは上位層(コントロールネットワーク)、下位層(フィールドネットワーク)、最下位層(フィールドエンドネットワーク)を含めてフィールドネットワークとする見方もあります。

フィールドバス

フィールドバスは、産業オートメーション用のローカルエリアネットワークのうちの1つですが、日本フィールドバス協会によれば次のように説明しています。

インテリジェントな計測・制御機器間のディジタル、双方向、マルチドロップ通信(※1)のこと。高度プロセス制御、リモート入・出力や高速ファクトリオートメーションアプリケーション用のローカルエリアネットワーク(LAN)の役割を果たす。 (日本フィールドバス協会 システムエンジニアリングガイドライン3.1版 http://www.fieldbus.org/images/stories/international/asiapacific/japan/documents/2011_10_5/sysengguidev3.1j.pdf より)

 

情報を統合するオープンなトータルアーキテクチャであり、フィールド機器、制御監視システムを相互接続する全ディジタル、シリアル(※2)、双方向通信システムである (日本フィールドバス協会 FOUNDATIONTMフィールドバス の特徴と有効性http://www.fieldbus.org/images/stories/international/asiapacific/japan/documents/2012_12_3/2012h1_features.pdf より)

日本プロフィバス協会は次のように定義しています。

工場などで稼動している現場機器(測定器、操作器)とコントローラ間の信号のやり取りをデジタル通信を用いて行う規格 (日本プロフィバス協会http://www.profibus.jp/what_is/fieldbus2.htm より)

(※1)マルチドロップ接続とは、同じバス上に複数のデバイスを接続するネットワーク接続形態のことです。1台のデバイスで複数のデバイスを管理することができます。 (※2)シリアル通信とは、1本の信号線や回線を使って1ビットずつ順番にデータを送受信する通信・転送方式です。

Ethernetベースの通信規格

RS-485ベースのデジタル通信規格と比較して通信速度や接続可能台数などでEthernetベースは性能が上回っており、利用が拡大しています。しかし、RS-485ベースの通信規格に対応した機器も多く存在しています。

〇 EtheNet/IP(ODVA)

EtherNet/IPはODVAが推進している産業用イーサネットです。Ethernetの標準プロトコルTCP/IPに準拠していますが、工場現場で要求されるリアルタイム性、信頼性に対応するため、様々な工夫が施されています。

〇 PROFINET(PROFIBUS & PROFINET International)

PROFINET(プロフィネット)はプロフィバス協会が提案する産業用Ethernetの標準です。RS-485ベースPROFIBUSをイーサネットベースに開発したものです。PROFINETはオープンな標準規格です。PROFINETは、制御データのリアルタイム性能を維持したまま、汎用通信TCP/IPデータとの共存が可能で、リアルタイム性能も維持されます。また、OPC UAデータ通信とも共存できます。

〇 EtherCAT(ETG(EtherCAT Technology Group))

EtherCAT(Ethernet Control Automation Technology)は、トヨタ自動車が全面採用したことでも話題となった、産業用オープンネットワークです。 EtherCATには一定周期でデータ送受信を実行するサイクリック通信と任意のタイミングでデータ送受信するメッセージ通信があります。ノードから特定のノードに対して、任意のタイミングで、1:1でデータを送受信するメールボックス送信機能、通信するデータの中にEthernetのパケットをカプセル化して通信するEoE(Ethernet over EtherCAT)機能、ファイル転送のパケットをカプセル化して通信するFoE(File over EtherCAT)機能があります。

〇 Modbus-TCP(Modbus Organization)

Modbus(モドバス)とは、アメリカのModicon社がPLCと上位のコンピュータとのデジタル通信規格として開発した通信プロトコルです。高速でのデータ通信には対応していないことと、アラーム発生時のスレーブ側(※4)からの通信などが決まっていないことから制御データの通信にはあまり使われていないようです。Modbus はマスタ・スレーブ方式(※3)で通信をしており、すべてマスタ側からコマンドを送信して通信します。Modbus TCPは、TCP/IP上でModbus通信を行うためのプロトコルです。一般のTCP/IP通信ほど高速ではないようです。

〇 CC-Link IE(CC-Link協会)

CC-Link IEは、情報系からフィールドレベルまでをシームレスにつなぐイーサネットベースの統合オープンネットワークの総称です。CC-Link IEにはCC-Link IE ControlとCC-Link IE Fieldがあり、CC-Link IE Controlは基幹ネットワーク用、CC-Link IE Fieldはフィールドネットワーク用で、両社は混在できません。 CC-Link IE Fieldはスター型、ライン型、スター・ライン混在型、リング型などのネットワークトポロジなどのネットワークが構築できます。最大接続台数は254台、最大局間距離は100mです。CC-Link IE Controlは最大接続台数120台、最大局間距離550mです。 非営利団体であるCC-Link協会(CLPA)により、CC-Link仕様の技術開発、サポート、普及活動等が行われています。

〇 MECHATROLINK-Ⅲ(MECHATROLINK協会)

安川電機によって開発されたコントローラと各種コンポーネントを接続するオープンなプロトコルです。MECHATROLINK協会によって管理されています。 MECHATROLINK-ⅢはRS-485相当のMECHATROLINK-Ⅱの物理層にEthernetの技術を利用することにより、100Mbpsの高速通信を実現したものです。モーション制御に必要な高速サイクリック通信と大容量メッセージ通信を実現しながら、62スレーブ(※4)における完全同期を実現しています。

(※3)マスタ・スレーブ方式とは、主従関係をもつ通信形態のネットワークで、複数の機器や装置などが連携して動作する際に、一つが管理・制御する側、残りが制御される側という役割分担を行い、制御する側を「マスタ」、制御される側を「スレーブ」といいます。スレープ機はマスタからの問い合わせがあったときに信号を送ることができます。

(※4)スレーブは、奴隷という意味ですが、IT分野では、上述のようにマスタ(master)の対義語として、制御される側という意味で使われます。

master_slave_001http://www.dossier-andreas.net/software_architecture/masterslave.html より)

 

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