アグリゲート・コンピューティング

aggregate_003_R

アグリゲート・コンピューティング

Aggregateは集合するというような意味ですが、アグリケート・コンピューティングとは近年「TRONプロジェクト」の坂村健教授がユキビタス・コンピューティングの発展形として提唱しておられる考えで、氏の著書「IoTとは何か」(角川新書)では次のように述べておられます。

・個々には単能でもそれらがクラウドとつながり全体として機能する「ヒエラルキーのあるシステム」
・ローカルなインテリジェンスを高度化する方向性でなく、ローカルとクラウドを合わせた「総体」としてのインテリジェンスを高度化する方向性を重視するという方針である。
(「IoTとは何か」:角川新書 より)

また、トローンフォーラムの発表資料には次のように説明されています。

・組込みコンピュータの API をオープン化し、組込みコンピュータ同士または組込みコンピュータ とクラウドが協調動作して、インターネットを含む広域分散システムが総体として(aggregate)動作する、IoT の新しいコンピューティングモデル、及びそれに基づいたプラットフォームシステム
(http://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2016/04/TEP160427_u01.pdf より)

さらに、トローンフォーラムの説明資料はアグリケート(総体)モデルについて次のように述べています。

・組込み製品はメーカーのクラウドに直結。そのクラウドがAPIをオープン化。それらが他のクラウドと連携して動作する
(トローンフォーラム説明資料「Open IoT Platform & IoT-Engine」より)

アグリケート・コンピューティングの具体的なイメージとしては、例えばスマートハウスならば、様々な家電製品が下図のように直接クラウドにつながるということのようです。従来のようなホームサーバーに結ばれるローカルネットワークではないということです。
日刊工業新聞の「ニュースイッチ」(2016年4月6日付け)のインタービュー記事では、機能を分解して活用するということがアグリゲート・コンピューティングの基本的な考えだと述べておられます。例えば、電話を受けるとき電話ボタンでなくても音声であったり、他のモノをタッチしたりしてもできるようにしたり、スピーカも電話機だけでなくテレビにも火災報知機にもスマホにもついており、そうしたものを通して会話できるようにしたり、いわば機能のシェアリングという説明がなされています。

aggregate_001_R

(http://www.tron.org/ja/2016/04/post-1770/ より)

Open IoT Platform

オープンな規格に基づいたIoT向けのプラットフォームがOpen IoT Platformです。モノがオープン性をもってつながるとき、高度で複雑なガバナンス管理が必要になります。そこで、ユーザが基本ポリシーを決めたらあとは自動的にアクセスコントロールを行えるようなフレームワークの実現がOpen IoT Platformの考えのようです。
トローンフォーラムの説明資料では、Open IoT Platformは、アグリゲート・コン ピューティングを実現するためのOpen IoT環境の中でのサービス発見とサービス連携を行うためのアクセスコントロールのためのプラットフォームとしています。

IoT-Engine

IoT-Engine は、この Open IoT Platform につながる IoT 機器開発のための標準開発環境です。アグリゲート・コンピューティングでは、モノの直接的な制御を除く要素をできる限りクラウド側に任せることになりますが、その際のモノの接続と制御を担当するのがIoT-Engineです。

IoT-Engineの特長

〇小型・低消費電力を目指した WPAN(IEEE802.15.4) 無線搭載
〇CoAP、6LoWPANプロトコルを搭載
〇Open IoT Platform接続
〇低消費電力対応μT-Kernel2.0 RTOS搭載
〇IoT-Engineのコネクタの標準化
・0.4mmピッチ100ピンコネクタとコネクタ横の固定ネジ位置
・マイコンの違いを吸収できる自由度を持たせた信号ピン割り当て
・低コスト・短期開発に有効なArduino互換I/O信号ピン割り当てを持つ

aggregate_002_R

(トローンフォーラム説明資料「Open IoT Platform & IoT-Engine」より)

2016年4月からIoT-Engineプロジェクトがはじまりました。国内外から、東芝マイクロエレクトロニクス、ルネサス エレクトロニクス、米Cypress、英Imagination Technologies、台湾Nevoton Technology、オランダNXP Semiconductors、スイスSTMicroelectronicsの7社が参加しています。さらにユーシーテクノロジとパーソナルメディアは、IoT-Engineのソフトウェア開発キットを提供するそうです。
クラウド側を担う企業の参加は今のところ名前は挙がっていないようです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です