2017年度概算要求のIoT関連新規事業

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2017年度概算要求のIoT関連新規事業

2017年度予算編成に向けた各省庁の概算要求が8月31日に出そろいました。各省庁の概算要求の特徴としては、成長戦略関連や1億総活躍プランを受けた地方活性化策や育児・雇用支援、テロを受けた安全対策などがあげられるようです。
ここでは、総務省、経済産業省、文部省の概算要求に挙げられているIoT、人工知能、ロボットなどの先進技術関連の新規事業をいくつか紹介します。

総務省の概算要求のIoT関連

総務省の要求額は16兆6,743億円で、今年度よりも6,828億円多くなっています。平成29年度予算は、「地方創生と地域経済の好循環の確立」、「世界最先端のICT大国へ」、「国民の生命・生活を守る」、「暮らしやすく働きやすい社会の実現」、「未来を拓く行政基盤の確立」の5つの大きなテーマからなります。IoTに関連する「世界最先端のICT大国へ」は、さらに「生産性向上につながるIoT・ビッグデータ・AI等の活用推進」「新たなイノベーションを創出する世界最高水準のICT社会の実現」「ICT海外展開・国際的な政策連携」の3つからなり、その中の新規事業としては、以下のようなものがあります。

〇「IoT/BD/AI 情報通信プラットフォーム」の構築と社会実装の推進(12億円)

・膨大なIoT 機器により実空間の情報を収集し、そのビッグデータを人工知能(AI)で解析することで様々な産業分野の価値創出を行う基盤となる「IoT/BD/AI 情報通信プラットフォーム」の構築に向けて、音声処理、自然言語処理等のAI 基盤技術を多様な分野に展開し、人間と自在な対話が可能な次世代サービス等を実現するための社会実装や国際標準化を推進

〇3 省(総務省、文科省、経産省)連携による次世代人工知能技術の研究開発(12億円)

・ 「人工知能技術戦略会議」において、人工知能(AI)の研究開発目標及び産業化ロードマップを策定し、3 省連携により研究開発と成果の社会実装を加速化
・ 平成29 年度から脳科学の知見をAI に適用した次世代AI 技術の開発に取り組むとともに、複数のAI がネットワーク等を介して連携し、自律的に役割分担し、人や社会を最適に支援する革新的なAI 連携協調技術の開発等を推進

〇IoT を支えるネットワークに関わる人材育成(6億円)

〇IoT サービス創出支援事業(13.3 億円)

・ 第4 次産業革命の実現に向け、IoT サービスの創出・展開に当たって克服すべき課題の解決に資するリファレンス(参照)モデルを構築するとともに、データ利活用の促進に必要なルールの明確化等を行うための実証事業等を実施

〇第5 世代移動通信システムの総合実証試験(27億円)

〇IoT対応インターネット整備支援事業(4.8億円)

・大量のデバイスがインターネットに接続されるIoT 時代に向けて、膨大なアドレス空間を持つ通信方式であるIPv6 に対応したネットワークの整備を推進
(平成29 年度総務省所管予算概算要求の概要 平成28 年8 月 より)

また、「暮らしやすく働きやすい社会の実現」の中の「ICT による社会的課題の解決」ではIoT関連で下記の新規事業があります。

〇若者・スタートアップ等を対象としたIoT人材育成(3.3億円)

・ 今後、多様な分野・業種において膨大な数のIoT機器の利活用が見込まれる中で、若者・スタートアップや多様なユーザの電波利用に係るリテラシー向上を図るため、①若者・スタートアップを対象としたIoT体験型教育やハッカソン、②IoTユーザの基本知識の要件(スキルセット)の策定、③分野毎・地域毎の講習会等の周知啓発事業を推進し、IoT時代に必要な人材を育成

(平成29 年度総務省所管予算概算要求の概要 平成28 年8 月 より)

経産省の概算要求のIoT関連

経済産業省の平成29年度予算の概算要求は前年度当初予算比9・5%増の1兆4457億円となっています。概算要求は大きく「福島復興の加速化」「世界に先駆けた民間の未来投資を誘発する取組(第4次産業革命等)」「中小企業等の活力向上と国内外の需要開拓」「世界経済不透明リスクの克服」「産業安全保障の強化」「エネルギー政策の再構築と地球環境への貢献」の6つのポイントからなります。自動走行やロボット・、ドローンなど戦略分野に引き続き予算を注力するようで、「世界に先駆けた民間の未来投資を誘発する取組(第4次産業革命等)」では次のような内容が示されています。
・人工知能に関する研究開発の実施(40億円)
・IoTの活用や実証に向けた取組(81億円)
・ロボット・ドローン導入促進、技術開発支援(105億円)
・自動走行システムの研究開発・実証(30億円
・再生医療の産業化、次世代治療・診断に向けた基盤技術の開発(107億円)
・我が国のヘルスケアサービスの海外展開、健康寿命の延伸(19億円)
・ライフデータの解析や個人の健康医療情報の利活用(11億円)
・ベンチャー企業のイノベーション創出・新事業(81億円)

IoT関連の新規事業としては次のようなものがあります。

〇ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(43.1億円)

・物流やインフラ点検等を効率化できるロボットやドローンの社会実装を世界に先駆けて進めるため、それらの性能を評価する基準、複数機の運行を管理するシステム及び他の機体や建物との衝突を回避する技術等を、福島県のロボットテストフィールド等における実証を通じて開発する。その成果を国際標準化につなげるとともに、世界の最新技術を日本に集め、日本発のルールでロボットの開発競争を加速させる仕組みを構築する。

〇産業系サイバーセキュリティ推進事業(7.9億円)/エネルギーインフラへのサイバー攻撃対策事業費補助金(10億円)

・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に「産業系サイバーセキュリティ推進センター」を創設し、世界的な専門人材を招聘し、システム強靱性の検証や攻撃対応演習を実施する。またエネルギーインフラのサイバー攻撃に対する防御力の検証・戦略立案や、国内外の最新のサイバー攻撃に関する情報収集・分析等を行う

〇研究開発型スタートアップ支援事業(50億円)

・研究開発型のスタートアップ創出・発展のため、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が認定したベンチャーキャピタル等から出資・ハンズオン支援を受けるスタートアップが取り組む実用化開発を支援するとともに、起業家候補の事業立ち上げ活動を支援する。

〇大学の産学連携機能強化事業(1.8億円)

・「イノベーション促進産学官対話会議」で策定されたガイドラインに基づき、大学の産学連携活動状況の調査や産学連携機能強化のための全学的戦略のモデル構築を行うことにより、大学における本格的な産学連携機能の質を高める取組を強化する。

(平成29年度産業技術関係予算 概算要求の概要 平成28年8月 経済産業省産業技術環境局より)

文部科学省の概算要求のIoT関連

文部科学省の5兆8266億円の要望額のうち科技分野には、未来の大きな社会変革や生産性革命に対応し、超スマート社会(Society5.0)を実現するため、新たな価値創出の「鍵」となる、革新的な人工知能、ビッグデータ整備・解析技術の開発、さらにはその基盤となるデータサイエンティスト等をはじめとする人材育成を重点的に推進するとして、1兆1254億円を計上しています。
特に目立つのは、人工知能(AI)やビッグデータ(大量データ)、IoT(モノのインターネット)、サイバーセキュリティー関連を統合したプロジェクトは「ソサエティー5・0」実現で重要なことから42億円増の96億円を要求し、この分野の研究基盤強化のための拠点形成や人材育成と合わせて、157億円(102億円増)を計上しています。

〇新たなイノベーションの鍵となる人工知能・ビッグデータ等に関する研究基盤の強化157億円(102億円増)

◇データプラットフォーム拠点形成事業 57億円(新規

・理研AIPセンターと連携し、特定国立研究開発法人をはじめとする国立研究開発法人を中核として、様々な研究を通じて蓄積された膨大・高品質なデータを産学官で共有・利活用し、オープンイノべーションを推進するためのプラットフォームを構築する。これにより、ナノテク・材料、ライフサイエンス、防災分野などのデータ解析及び共有・利活用を促進し、新たな価値の創造につなげる。

◇AIP:人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト 96億円(42億円増)

・未来社会における新たな価値創出の「鍵」となる、人工知能、ビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティについて、「理研革新知能統合研究センター(AIPセンター)」に世界最先端の研究者を糾合し、革新的な基盤技術の研究開発や我が国の強みであるビッグデータを活用した研究開発を推進するとともに、関係府省等と連携することで研究開発から社会実装までを一体的に実施する。
あわせて、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業において、人工知能やビッグデータ等の分野における独創的な若手研究者等による挑戦的な研究課題の支援を実施。

◇データ関連人材育成プログラム 3億円(新規

その他にIoT関連の主な新規事業としては、次のようなものがあります。

〇次世代アントレプレナー育成プログラム(EDGE-NEXT)(7億円)

・EDGEプログラムの成果や知見を活用しつつ、人材育成プログラムへの受講生の拡大やロールモデル創出の加速に向けたプログラムの発展に取り組むことで、起業活動率の向上、アントレプレナーシップの醸成を目指し、我が国のベンチャー創出力を強化する。

〇イノベーション創出をけん引する革新的研究開発の推進(90億円)

・将来の社会変革や新産業創出をもたらすテーマを設定し、他の追随を許さない画期的・革新的成果創出に向け、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発(未来社会創造事業)を推進。
(課題例:2050年温室効果ガス大幅削減に向けた異次元エネルギー技術の創出、レーザープラズマ加速技術等による加速器の革新的小型化)

〇データプラットフォーム拠点形成事業(防災分野)(7.34億円)

・首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト
(平成29 年度科学技術関係概算要求の概要平成2 8 年8 月文部科学省科学技術・学術政策局研究振興局・究開発局 より)

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