モノのインターネットとは?

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IoT(Internet of Things, モノのインターネット)とは、身の回りにあるモノがプロセッサやIDタグを持ち、モノが直接インターネットに繋がっていると形容できる状態を指します。

0ae18a2b-s (http://blog.livedoor.jp/cartan0216/archives/54743416.html より)

M2M、ユビキタスネットワークという概念を包含する、かなり広い概念です。1999年から用いられている言葉ですが、2014年に広く浸透しました。

25483b   日本国内のIoT市場の売り上げ希望の実績と予測2013年~2018年 (出典:IDC Japan, 2014年8月「国内IoT市場 2013年の実績と2014年~2018年の予測)

IoT関連機器やサービスの国内の市場規模IDC Japanによると「2013年の国内IoT市場規模は11兆1240億円、また同年のIoTデバイスの普及台数は4億9500万台」(http://japan.zdnet.com/article/35052086/ より)とされています。

cover01_img02  (http://cisco-inspire.jp/issues/0010/cover_story.html より)

ほかにも下記のような定義や説明がされています。

我々の身の回りにあるモノに画像や情報などを感知するセンサーを埋め込み、それをインターネットに繋げることでネットワークをつくること(http://diamond.jp/articles/-/60831 より) コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと(http://e-words.jp/w/IoT.html より) モノのインターネット(Internet of Things : IoT)とは、従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットに、それ以外の様々な”モノ”を接続する技術です。(http://tocos-wireless.com/jp/tech/Internet_of_Things.html より) 人の介在なしにローカルまたはグローバルにIP接続による通信ができ、識別可能なエッジデバイス(モノ)からなるネットワークのネットワーク(つながり)(http://japan.zdnet.com/article/35052086/ より) 電気製品や工業製品、産業機械などが常にネットワークにつながり、顧客とタッチポイントを持ち続けるという「プロダクト・アズ・ア・サービス」(製品機能のサービス提供)の進展です。製造業を中心にアフターサービスなどサービスを収入源とする比重が高まり、ビジネスモデルの変革を迫られる。(http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/14/262522/110400060/ より)

なぜ今IoTなのか?

これは筆者の見解ですが、今、IoTが普及すると見込まれているのは、下記の要因によるものと考えています。

(1)スマフォが普及し、機能の一部をスマフォに任せることができるようになったから

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スマフォが普及したため、システムの中にスマフォを入れてサービスを設計することができるようになりました。このため、モノの側に求められる機能が減り、それに伴ってモノの側のコストが低くなりました。このため、スマフォの無かった時代と比較すると、IoT導入への敷居が下がった状態にあります。 スマフォに任せる機能の例としては通信機能があります。モノがインターネットにつながる経路をスマフォ経由とすることで、モノの側に必要な回線やハードウェアのコストは、そうでない経路と比べるとかなり抑えることができます。スマフォ経由でのインターネット接続経路とは、例えば、モノがBluetoothでスマフォに繋がり、スマフォのアプリからサーバアプリケーションにつながるという経路です。 また、スマフォの側で重たい処理や、ディスプレイでの表示の機能を担わせることもでき、そうするとモノの側にはディスプレイや高額なプロセッサを搭載しなくて済みます。

(2)通信機能を持たせるコストが下がったから

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(http://freesoftweb.blog61.fc2.com/blog-entry-2173.html より)

MVNO (Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信業者)の普及に伴って、3G回線を使用するシステムを組むことが容易になってきました。このために開発のコストは低くなりました。また回線の利用料も下がってきています。 また、先述のように、Bluetooth LEなどの小型、低消費電力で比較的安価な通信モジュールでもインターネットに接続することが容易になってきており、これも開発コスト、回線コストを従来よりも下げる要因です。

(3)センサ技術や情報の解析技術が発達したから

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半導体の小型化、低価格化、設計技術の発展、MEMSなど微細加工の技術の進展に伴い、センサ技術も引き続き発展しています。先端的な例ではコンタクトレンズの中に目の生体情報を得るためのセンサを埋め込んだものも研究レベルでは実現されています。カメラや、温度センサ、加速度センサ、マイクなどの技術についても数年前と比べてMEMS(※1)化され小さくて消費電力の小さな機種が増えています。 得られた情報の処理技術も引き続き発展しています。パターン認識処理でいえばGoogle社の発表したDeep Learning(※2)という技術が最近発表された強力な技術としてあります。

(※1)MEMSとは「Micro-Electro-Mechanical Systems」の頭文字をとったもので、日本語では、微小電気機械システムと表記されます。日本でいう「マイクロマシン」に近いものと言えますが、厳密に言えば、「マイクロマシン」は可動部品の機械構造と電子回路を持つ微細機械であるのに対して、「MEMS」の場合は、機械・電子・光・化学などの多様な機能を集積化した微細デバイス全般を言ます。ただ、はっきりとした定義はまだ確立していないようで、DNAチップなどもMEMSと呼ぶことがあります。

(※2)Googleが、カナダの従業員わずか3名の研究企業DNNresearchを買収したことで「Deep Learning」という技術が一躍注目されるようになりました。Deep Learningは深層学習とも呼ばれ、ニューラルネットワークの層をこれまでより深くして機械学習を行う技法です。ディープラーニングが得意とするのは、主に音声認識や画像認識、自然言語処理の分野です。自動運転技術の開発にもディープラーニングが用いられています。医療の分野で様々な検査結果を機械に読み込ませることで、病気を自動検出するシステムの構築も考えられています。

(4)ウェブでの需要供給や人同士のマッチングの機会が増え、小規模な製造販売が可能になったから

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これはB2C(※3)のIoT関連製品の普及に寄与する要因です。 kickstarterなどのクラウドファンディングが普及したことで、個人など小規模な組織でも初めに資金を集めてからハードウェアの製造販売を行うことが容易になりました。Raspberry Piなどの安価な汎用の小型デバイスが広まり、世界の個人開発者の作成したソフトウェアなど要素の技術はgithub(※4)などのオープンなソース管理サービスを利用して公開されています。この数年で、小規模な開発と資金調達がはじめやすい環境になったといえます。 ネットワーク機能をモノに持たせることの利点はB2C領域ではまだ伝えにくい状況で、需要がニッチ過ぎて製品化が難しいものである場合が多いと筆者は考えていますが、その制約も、小規模な製品化が容易になるにつれて緩まってきている状況だと考えています。 いまはまだ席巻する共通規格はなく、多数の業界団体とIoT規格が乱立している状態ですが、それに決着がついたところでニッチな製品群が連携するようになるとまさに多種類の製品がネットワークにつながる、IoTといえる状態になるでしょう。

(※3)B2Cは「Business to Consumer」の略で、企業と個人(消費者)間の商取引、あるいは、企業が個人向けに行う事業のことで、一般消費者向けの製品の製造・販売や、消費者向けサービスの提供、個人と金融機関の取引などを指します。他にも企業が企業向けに行う事業であるB2B(Business to Business)、企業が政府や自治体(Government)との間で行なう電子商取引B2G、企業と従業員(Employee)との間で取り交わされる取引「Business to Employee」B2E、一般消費者と一般消費者の間の取引「Consumer to Consumer」C2Cなどがあります。

(※4)Gitは、プログラムソースなどの変更履歴を管理する分散型のバージョン管理システムのことで、自分のパソコンなどに、全ての変更履歴を含む完全なリポジトリの複製が作成されます。分散型ではないバージョン管理システムでは、サーバー上にある1つのリポジトリを、利用者が共同で使うため、利用者が増えると変更内容が衝突したり、整合性を維持が課題となります。Gitは、ローカル環境にもコードの変更履歴を保存することができるので、リモートのサーバーに常に接続する必要がなく、ネットワークに接続していなくても作業を行うことができます。

GitHubは、このGitの仕組みを利用して、世界中の人々が自分の作品を保存、公開することができるようにしたウェブサービスの名称です。GitHub社という会社によって運営されています。

(シックス・アパート株式会社 http://blog.sixapart.jp/2014-03/mttips-02-what-is-git.html より)

 ユビキタスネットワークとIoTとの違いは?

大変ざっくりとした解釈では  IoT = ユビキタスネットワーク+M2M  という関係にあると言えます。 野村総研の調査報告記事によると、ユビキタスネットワークは携帯電話、情報家電、PDAなどが人を取り囲み、いつでもブロードバンドに接続できる状態を指します。人を中心にして、人を取り囲む機器が、インターネットへのアクセスを可能にしている状態です。 これに対して、IoTでは、ユビキタスネットワークに含まれるサービスの提供状態に加えて、さらに、必ずしも人を中心とはせずにモノ同士が直接通信をしたり、人が意識しないところでモノがインターネットと繋がって人にサービスを提供したりするという状態も指します。スマートフォンやウェアラブルな通信機能を持つデバイスや、スマートホームといったものがIoTでは特徴的なデバイスです。下図の「エキゾチック・ネットワーク」と書かれている部分がIoTの該当する概念です。 iot-nri-300x139 (https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2012/pdf/forum183_1.pdf より)

 M2MとIoTとの違いは?

IoTとはM2Mを含む概念です。M2Mは物理的なデバイスに限る概念ですが、IoTのほうはバーチャルなモノも含んだネットワークを指します。バーチャルなモノとはNFC(※2)やコンテンツです。このためIoTは大変広い概念です。

iot-m2m-nri (https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2012/pdf/forum183_1.pdf より)

技術的には下の図のような違いがあります。 weblogic_001_R (http://builder.japan.zdnet.com/sp_oracle/weblogic/35051684/ より)

(※2)NFCは、ソニーとフィリップス(現NXPセミコンダクターズ)が共同開発し、国際標準規格として承認された近距離無線通信技術で、「かざして通信」するための規格です。短波HF帯(13.56MHz)を利用し、数センチ程度の短い通信エリアが特徴です。

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