VRの市場規模予測

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VR元年

2016年に入って、米Oculus VR社の「Rift」、台湾HTC社の「Vive」、韓国LG社の「LG360VR」の発表があり、10月にはソニーの「プレイステーションVR(PSVR)」が発売されるということもあってか、今年はVR元年だといわれています。

正確にはアメリカのベンチャー企業・VPLリサーチ社が世界初の商用VRシステム『Reality Build for 2』を発売した、1989年(平成元年)がVR元年であって、今のブームはVRビジネス元年であるという指摘もあります。

確かに、VRが様々なビジネスの分野に導入されてきています。VRはゲーム・映画・テレビなどメディア産業だけにとどまらず、医療分野、製造業の商品開発プロセス、商品販売などのサービス業など、あらゆる業種に導入されビジネスモデルを大きく変えようとしていると言われています。さらにビジネスだけでなく、観光、教育、防災などの分野でもその活用が期待されています。

今後大きく飛躍するだろうと期待されているVRビジネスですが、各社は今後のVRの市場をどのように予測しているのでしょうか。

各調査のVR市場規模予測

(1)Digi-Capital

英国の投資銀行Digi-Capitalが、昨年発表した報告では、2016年における、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)を合わせた世界のビジネス規模は約50億ドル、2020年には1200億ドルと推測しています。1200億ドルのうちVR関係は300億ドルで、残りの900億ドルはAR関係としています。Digi-Capitalの当初の発表では、2020年までのVR/AR業界収益予測を1500億ドルとしていましたが、2016年1月に1200億ドルと訂正しています。ただし、VRは変わらずARのみ300億ドルダウンさせています。ARは機器を身に着けて外出することができるなど、行動に制限がないことからスマートフォンのような用途の広がりが期待できるとしてVRよりも市場規模を大きくなると見ているようです。その時期は2018年を転換点と見ています。

vr_market_001_R(http://www.digi-capital.com/news/2015/04/augmentedvirtual-reality-to-hit-150-billion-disrupting-mobile-by-2020/#.V8PVxI9OK9x より)

(2)TrendForce

市場調査会社TrendForceが昨年の12月に発表したVR関連マーケットの調査結果によると、ハードウェア、ソフトウェア両方合計した市場規模は、2016年が67億ドルで、2020年までに700億ドル規模と試算しています。その上で、FacebookやYouTubeなどのソーシャルメディア・ネットワークが制作用のソフトウェアやツール類を提供することで、ユーザーがVRコンテンツを作るところから幅が広がっていくと予想しています。

vr_market_002_R(http://press.trendforce.com/press/20151204-2210.html より)

(3)ドイツ銀行

ドイツ銀行が2015年9月に発表したリポートによれば、2020年までに全スマートフォンユーザーの3%がVRヘッドセットを装着するようになり、全世界で約2500万人が利用することになると予測しています。そして、2020年までにVRの市場規模が70億ドルになると見ています。内訳としては、40億ドルがハードウエアとコンテンツで残りの30億ドルが広告です。さらに具体的には、2016年にOculus VR社の親会社であるFacebook社は6億ドルの収益を上げるほか、ソフトの売上からは7500万ドルから1億ドル程度の収益をあげるとの見通しを示しています。

(4)ゴールドマン・サックス

アメリカの大手投資銀行ゴールドマン・サックスのグローバル投資調査部はAR・VR市場が2025年には約950億米ドルまで 拡大し、PC・スマートフォンに続く第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性があるとしています。

vr_market_003_R(http://www2.goldmansachs.com/japan/gsitm/report/pdf/2016/flashrept_20160803.pdf より)

また、2016年1月に発表した「Goldman Sachs Global Investment Research」によれば、VR・AR機器の出荷台数は、最も早い場合で3億台程度、ベースとなる予測で1億台程度、遅い場合は5,000万台程度です。ハードウェアの市場規模を予測したグラフです。最も加速した場合で1100億ドルでテレビの990億ドルを超える可能性があります。通常通りの普及であれば450億ドル、最も遅い場合で150億ドルとの予測です。最も加速した場合のソフトウェア市場を720億ドルと予測しています。

vr_market_004_R(Goldman Sachs Global Investment Research より)

2025年時点での用途としてはゲームが最も多く116億ドル、医療等のヘルスケア51億ドル、エンジニアリング47億ドル、ライブイベント41億ドル、映像エンターテイメント32億ドルと続きます。

vr_market_005_R(Goldman Sachs Global Investment Research より)

(5)IDC

米IDCの発表によると、2016年のAR・VRの世界市場規模は52億ドルで、製品出荷台数は1000万台に達するとしています。1000万台のうちVRが960万台です。これが2020年にはVRが6480万台、ARが4560万台で合わせると出荷台数が1億1000万台を超えるとの見通しを立てています。また、市場規模は2020年には1620億ドルになると予測しています。

vr_market_006_R(データ:IDC http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS41199616 より)

(6)SUPERDATA

米国のリサーチ会社SUPERDATAが2016年4月に発表したリポートによれば、ハードウェアとソフトウェアを含めた今年の全世界におけるVR製品の市場規模は29億ドル、これが4年後の2020年には403億ドルまで伸びると予測しています。1月の発表では51億ドルと見込み、その後36億ドルに修正し、最終的には29億ドルとしたようです。下方修正した理由としてはハードの出荷の遅れが主な要因のようです。さらに現在はまだハードウェアの普及期に当たり、3年後の2019年頃からソフトウェアの売上がハードウェアの売上を上回ると予想しています。

vr_market_007_R(https://www.superdataresearch.com/market-data/virtual-reality-industry-report/ より)]

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