Uberization

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Uberization

Uberization(ウーバライゼーション)は、日本語では「Uber症候群」とも呼ばれています。自家用車を所有するユーザーと配車サービスを受けたい乗客を、スマートフォンを使ってマッチングするサービスを提供するUber Technologiesを語源としています。
その意味は、「ビジネスモデルの異なるデジタル企業の参入によって既存の業界が脅かされる状況」「新しいビジネスモデルの競合が市場に参入することで、既存の企業が減衰する現象」「従来は想像もしなかった競合による業界の破壊」といった説明が多いようです。

日立総合計画研究所の「キーワード」Uberizationでは、

「Uberは、・・・タクシー業界のみならず、自動車業界にも、大きなインパクトを及ぼしています。Uberizationは、このようなビジネス環境を示す言葉」

と説明し、その特徴として「シェアリング」「オンデマンド」「レピュテーション」を挙げています。

「ウーバライゼーション」をシェアリング・エコノミーの既存産業への影響というとらえ方とシェアリング・エコノミーだけでなくデジタル企業の異業種への参入による既存産業へのインパクトの大きさと見るとらえ方があるように感じます。

Uberizationの事例

Uberの場合は、従来のタクシー会社が次々と倒産する中で、ついには2015年12月にサンフランシスコ最大手のYellow Cabが会社更生法を申請するという事態になりました。まさに既存の業界の破壊といえます。一方でUberやLyftのなどの運転手向けの業務用レンタカーサイト「Breeze」も登場しています。

Uberのようなビジネスモデルはシェアリング・エコノミーと呼ばれていますが、民泊サービス、着ていない衣服を貸し出すサービス、使っていないときの駐車場を貸し出すサービス、家事などの雑務代行サービスなど様々なシェアリング・エコノミーが誕生し、それによって既存の産業に少なからぬ影響を与えているようです。

例えば、Airbnbなどの民泊サービスについては、みずほ総合研究所が2017年3月14日に発表した外国人旅行者の宿泊に関する資料を見ると、2016年の外国人旅行者が前年比21.8%増加しているのに宿泊者数は前年比8.0%にとどまっており、その原因は統計上の宿泊者数にカウントされないホテルや旅館以外の施設、具体的には「クルーズ船」と「民泊」の利用者の増加にあるとしています。民泊に関しては、Airbnb社の利用者数の推移を表すグラフを示し、民泊の急増がホテルや旅館といった既存の宿泊施設利用者の伸びを減速させている要因になっていることが説明できるとしています。

uberization_001_R(みずほ総合研究所 みずほインサイト 日本経済2017年3月14日「クルーズ船、民泊の利用者急増で伸び悩む統計上の外国人宿泊者数https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp170314.pdf より」

ウーバライゼーションはシェアリング・エコノミーに限定しないならば、アマゾンは、出版や書店流通の業界にウーバライゼイーションを起こしたと言えるかもしれません。アマゾンがネット通販で販売する書籍は、全米の約半数を占めると言われています。2011年にはアメリカで2番目の書店チェーンを運営していたボーダーズ・グループが破綻しています。

金融界のウーバライゼーションはFinTechかもしれません。2015年9月にマッキンゼー発表した「McKinsey Global Banking Annual Review 2015(グローバルバンキング・アニュアルレビュー2015 年版)」では、2025年までにフィンテックによって銀行の収益が最大40%、 利益が最大60%損失する危険にさらされているとしています。2016年のFinTechレポートでは、ドイツの銀行について2020年までに、利益の29%から35%がFinTech企業に奪われるとしています。

uberization_002_Rhttp://www.interest.co.nz/sites/default/files/embedded_images/McKinsey_Global%20Banking%20Annual%20Review_2015.pdf より)

disruptor(破壊者)という言葉があります。Uberはタクシー業界、Airbnbは旅館業界、Amazonは出版業界のルールを変えたdisruptorと言われていますが、そうした破壊力を象徴するものとしてウーバライゼーションという表現が使われていると言えそうです。

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