Society 5.0(Part2)

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Society 5.0とCEATEC JAPAN 2017

10月3日~6日に今年で 18 回目を迎える「CEATEC JAPAN 2017」が幕張メッセで開催されました。2016年に家電見本市からIoTをメインテーマにしたCPS/IoT総合展へと衣替えをし、今年は、「日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信する“Society 5.0”の展示会」として「つながる社会、共創する未来」をテーマに、667社/団体が出展しました。来場者数も前年より4.7%増加し、登録来場者数152,066人を数えました。

今回は、「社会課題を解決してSociety 5.0(超スマート社会の実現)を築く」をテーマにした主催者特別企画「IoTタウン2017」が注目されていたようです。会場ではSociety 5.0を特集した冊子「Society 5.0 BOOK」が無料配布の他、Fintech、スマートホーム、地方創生などのフロントランナーによるコンファレンスなどが行われていたようです。

Society 5.0と未来投資戦略2017

Society5.0は、2016年に政府の総合科学技術・イノベーション会議が作成した2016年度から2020年度までの5年間の科学技術政策の「第5期科学技術基本計画」の中で使われているコンセプトです。ドイツの「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」と対比して述べられることが多いようですが、「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」は産業の目指す姿であり、IoTによる製造業の革新だとすれば、Society5.0は産業だけでなく、IoTによる社会の変容を描いた概念と言えるかもしれません。そうした背景には、日本特有課題(少子高齢化、環境・エネルギー、防災など)があると言われています。

Society5.0の社会とは、具体的には、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな経済社会を指し、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた「超スマート社会」で、これにより、地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズ、潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで経済的発展と社会的課題の解決を両立し、人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を 送ることのできる、人間中心の社会としています。

2017年6月に、「Society 5.0(ソサエティ5.0)」の実現を目指した「未来投資戦略2017-Society 5.0の実現に向けた改革-」が閣議決定されました。
そこでは、「Society 5.0」は、先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、「必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供する」ことにより、様々な社会課題を解決する試みであるとして、勝ち筋となり得る「戦略分野」次の5つを挙げて政策資源を集中的に投入するとしています。

1 健康寿命の延伸
・データ利活⽤基盤の構築
・保険者・経営者による「個⼈の⾏動変容の本格化」
・遠隔診療、AI開発・実⽤化
・⾃⽴⽀援に向けた科学的介護の実現
2 移動⾰命の実現
・世界に先駆けた実証(トラックの隊列⾛⾏、地域における無⼈⾃動⾛⾏による移動サービスの、⼩型無⼈機(ドローン)による荷物配送の実現、安全運転サポート⾞の制度整備・普及促進など)
・データの戦略的収集・活⽤、協調領域の拡⼤(⾼精度三次元地図作成(25cm単位)に向けた仕様・仕組の策定、5Gの実現・⾃動⾛⾏等への活⽤、サイバー攻撃対応の⾞載セキュリティの強化など)
・国際的な制度間競争を⾒据えた制度整備(⾼度な⾃動⾛⾏(レベル3以上)に向けた、政府全体の制度整備の⽅針策定)
3 サプライチェーンの次世代化
4 快適なインフラ・まちづくり
5 FinTech
(未来投資戦略2017 ―Society 5.0 の実現に向けた改革― 平成29 年6月9日 参照)

また、2016年6月に産業技術総合研究所が発表した「203年に向けた産総研の研究戦略(Ver.1.0)」では、超スマート社会(Society 5.0)を実現のための柱となる研究として、次の6つのテーマを挙げています。

・CPS(Cyber Physical System)における知覚・制御を可能とする人間拡張技術
・革新的なAI用ハードウェア技術とAI応用システム
・AI応用の自律進化型セキュリティ技術
・情報入出力用デバイスおよび高効率のネットワーク技術
・マス・カスタマイゼーションに対応できる次世代製造システム技術
・デジタルものづくりに向けた革新的計測技術
(「203年に向けた産総研尾研究戦略(Ver.1.0)」平成28年6月国立研究開発法人 産業技術総合研究所 http://www.aist.go.jp/Portals/0/resource_images/aist_j/information/strategy2030/honbun_v1.pdf より)

society_2017_001_R(我が国の科学技術イノベーション戦略 ― Society 5.0実現に向けて ―内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 久間 和生 http://www.affrc.maff.go.jp/docs/commitee/Renkei/attach/pdf/Renkei_Symposium20190602-4.pdf より)

Society 5.0とConnected Industries

2017年3月に経済産業省は、「Connected Industries(つながる産業)」を発表しました。これは日本の産業が目指す姿を示すコンセプトで、ドイツの「Industrie 4.0」に相当するもので、2010年のハノーバー・メッセ2011で初めて公にされ、これによって第4次産業革命という言葉が世界に広がったとされています。

ちなみに前述の「未来投資戦略2017」では、「Connected Industries」と「Industrie 4.0」について触れる中で、その違いを次のように記しています。

「ドイツの「Industry 4.0」や米国の「Industrial Internet」が、主として製造業の生産管理や在庫管理をIoT によって個別工場や企業の枠組みを超えて最適化しようとする試みであるのに対し、我が国は、製造業を超えて、モノとモノ、人と機械・システム、人と技術、異なる産業に属する企業と企業、世代を超えた人と人、製造者と消費者など、様々なものをつなげるConnected Industriesを実現していかなければならない。」
(未来投資戦略2017 ―Society 5.0 の実現に向けた改革― より)

ドイツの「Industrie 4.0」を契機に、こうした国家構想は各国でも打ち出されるようになりました。アメリカでは2011年に「Advanced Manufacturing Partnership 2.0」が発表されています。イギリスでは「ハイ・バリュー・マニュファクチャリング(HVM、高価値製造)」、フランスでは「Industrie du Futur(産業の未来)」、中国では「Made in China 2025(中国製造2025)」、韓国では「Manufacturing Innovation 3.0」などが打ち出されました。
ところで、Society 5.0とConnected Industriesとの関係ですが、「Society 5.0」を実現する産業構造が「Connected Industries」というとらえ方の方が分かりやすいようです。経済産業省の資料においても「Connected Industries」について「⽬指すべ き未来社会像であるSociety 5.0を実現するための産業の在り⽅」という表記があります。

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