IoT推進ラボ

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IoT推進ラボ(IoT Acceleration Lab)

経済産業省と総務省は2015年10月末に「IoT推進ラボ(IoT Acceleration Lab)」を立ち上げることになりました。IoT 推進ラボは、IoT推進コンソーシアムの中に設置される「技術開発」「先進的モデル事業」「その他(セキュリティ、プライバシーなど)」の3つのワーキンググループの一つで、先進的モデル事業WGがIoT推進ラボとよばれるものです。経済産業省が8月に出した「平成28年度 経済産業政策の重点」では、

IoT 推進ラボに関して「IoT・ビッグデータ・人工知能の活用を通じて、あらゆる産業のビジネスモデルの革新を推進すべく、産学官の様々な主体が参画した「IoT 推進ラボ(仮称)」を創設し、民間主導のユースケー スを迅速に掘り起こすとともに、課題となる規制・制度改革やルール形成の検討等を行う

と述べており、こうした動きの中で今回の創設となったものと思います。

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(IoT推進ラボについて 平成27年10⽉ 商務情報政策局 より)

IoT推進ラボ設立の背景

IoT・ビッグデータ・AI等のITの技術革新によって、実世界から得られたデータを分析・解析し、その結果を再び実世界にフィードバックする、つまり、データが新たな価値を⽣み、データが社会を変えていく「データ駆動型社会」が現実的のものになっています。そして、全ての産業でデータを核としたビジネスモデルが生まれ、産業構造の大変革が進行しており、既存のビジネスが急速に陳腐化する懸念が起きています。

アメリカやドイツでは、すでに「インダストリアル4.0」などのIoT技術による産業・社会変革を見越した具体的な取組が進められています。しかし、現在の日本の産業界においては、例えば、自動運転と道路交通法との関係、シェアリングビジネスと既存業法との関係など新しいビジネスの創出を躊躇させる制度が多くあります。また、自前主義に固執し、自社の強みを活かした他社との連携によるエコシステムの構築・参画が上手くできているとは言い難い状況です。さらに、「データ駆動型社会」の実現を支えるコアテクノロジーや人材も弱く、このままでは欧米のみならず中国などの国々との競争に取り残されてしまうという危機感が、官民を挙げて未来への投資を促す適切な環境を整備するためIoT推進コンソーシアムそしてIoT推進ラボの設立になったのだろうと思います。

IoT推進ラボの役割

IoT推進ラボは、「企業間連携の強化に向けた環境整備」「IoTプロジェクトに対する資金援助」「課題となる規制改革、ルール形成」「IoT推進のための分野別戦略の策定」の政府への提言を行う産学官の拠点としての役割を担います。具体的には①IoTプロジェクトの組成、②実施、③実⽤化・製品化のフェーズ毎に、それぞれ、①マッチング等による企業連携、②国による資⾦⽀援、③規制・制度改⾰への政府提⾔を実施していきます。

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(IoT推進ラボについて 平成27年10⽉ 商務情報政策局 より)

IoTプロジェクト発掘・実現イニシアティブ

「IoT推進ラボの4つの機能」の中の「②資金支援」として「短期的に実施する個別プロジェクト」と「中期的に実施する大規模プロジェクト」が示されていますが、これはIoTプロジェクト発掘・実現イニシアティブの「TOPPAイニシアティブ」「Tren-cubationイニシアティブ」に対応し、TOPPAイニシアティブは1年未満、Tren-cubationイニシアティブは2~3年程度のプロジェクトです。

商務情報政策局の資料では、

TOPPAイニシアティブでは、短期的な個別プロジェクトの組成として、データを有した企業とソリューションを有した企業(ベンチャー等)とのマッチング、ピッチ⼤会等を通じてAI・IoTを活⽤した新規プロジェクトを組成。

Tren-cubationイニシアティブでは、中期的な業種横断的プロジェクトの組成として、多様な主体が参画する議論の場を提供し、規制改⾰提⾔や実証等につながる中期的プロジェクトを組成。

既に⺠間⼜は官⺠で取り組まれているプロジェクトも含め、推進ラボに実績を蓄積し、参加主体である会員に共有。必要に応じ、国(IPA等)による資⾦⽀援やFS/実証を実施するとともに、規制改⾰に向けた政府提⾔を⾏う。

としています。

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(IoT推進ラボについて 平成27年10⽉ 商務情報政策局 より)

具体的には、IoTのビジネスモデルを募集し、有望なものには規制緩和の特区の紹介やビジネスマッチング、資金的支援などを行うようです。報道では、すでに企業が手掛けている時程約20件を取り入れるほか、ドローンによる建設現場やインフラの点検管理、AIによる生産設備の異常検知システムスマートフォンで撮影した皮膚画像から病状を推測する遠隔医療支援システム、センサーで作物の育成環境を収集するシステム、小ロットの食材をレストランとマッチングする仕組みなどを検証し、将来のビジネスにつなげる環境整備を検討するとのことです。

(日刊工業新聞 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520151014abav.html より)

さらに、活動は国内に限らずグローバルにも目を向け、海外からの投資呼び込み、成果のグローバル展開なども目指すとのことで、「IoT推進コンソーシアム」には海外からIBMやインテルなどが会員として加わるとのことです。

 

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