iotと今後のビジネス市場(伸びるM2M市場)

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M2MであらたなGoogleが誕生か?

M2M(Machine to Machine)という言葉は2000年ごろから使われだした言葉のようです。それ以前、M2Mによく似た概念として「ユビキタス・コンピューティング」という言葉が使われていました。これは、ゼロックスのパロ・アルト研究所が提唱した概念で「コンピュータが人々の生活のいたるところにあってその存在を意識させることなく、自動的に他のコンピュータと連携して処理を行い、人間の生活を支援していく環境」を指しています。

このように、M2Mそのものには比較的長い歴史があるのですが、期待されてきたわりには普及が進んでいるとは言えないのではないでしょうか。M2Mはまだ初期段階にあり、本格的な拡大にはいくつかの課題が存在するという見方があります。一方、M2Mの進化を3段階に分けて、現在、M2Mはビッグデータの活用、クラウドによる情報処理のプラットフォーム化を迎えて、これまでの計測・制御の段階から新世代のM2M(第3段階)になってきており、大きく市場が拡大するという見方もあります。

今後のM2Mについてはいろいろな見方があるようですが、全体的にはM2Mへの期待は大きく、様々な研究所からM2Mの国内あるいは世界の市場規模予測が出されていますが、飛躍的に市場が拡大することは間違いないでしょう。日本経済新聞電子版では、「M2Mは人に関わる情報だけでなく、物に関わる膨大な情報を集めることを可能にし、それを適切に活用する者が勝者になる。M2Mで情報が集まる時代には、小売や物流、医療、農業、建築・土木などの業界ごとに新たなグーグルの誕生が期待されている」(要約)と、M2Mが大きなビジネスを生むであろうことを報じています。

M2Mの市場規模予測

m2m_nri_001_R出典:NRI野村総合研究所

M2Mマーケットは年率30~50%で成長しており、2013年の市場規模は2377億円でしたが、上図のように2018年には1兆円規模になると野村総合研究所は予測しています。M2M市場の初期段階では監視カメラシステムやホームセキュリティシステムを中心としたセキュリティ領域、 建設機械、工場・プラント、エレベーター等の遠隔監視、POS レジ端末や自動販売機等からの売上・在庫データ等の収集・管理、テレマティクスサービスなどで利用が進められてきました。それは、人件費の削減や追加で係るコストを吸収しやすいといういわゆる儲けが目に見えて分かるものが多かったようです。今後について、「ITナビゲータ2014版」では、エネルギー領域が伸び、市場に占める割合は6割以上になると予測している。セキュリティ(監視カメラ、ホームセキュリティ)、自動車、流通の領域でも、年率10%程度の堅調な成長が期待されています。

さらにCisco社の発表によると、インターネットへの接続デバイス数は、2010年に125億個(人口1人当り1.84個)だったのが、2015年には250億個(1人当り3.47個)、2020年には500億個(1人当り6.58個)と5年毎に2倍になると予測しています。また、M2Mモジュール数を、2012年から2017年までの年平均伸び率36%とし、3億6900万台から17億台に増加すると予測し、M2Mトラフィックは、2012年から2017年までの年平均伸び率89%で、同期間中に1月当たりの平均トラフィックは、24ペタバイトから24倍の563ペタバイトに成長すると予測しています。

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(Cisco Visual Networking Index)http://cisco-inspire.jp/issues/0010/cover_story.htmlより

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出典:Cisco Vini Mobile,2012

あらためてM2Mが注目

これまでは、初期導入や運用に経費がかかり、M2Mは一部の機器だけがネットにつながる状態でした。しかし、ここ2,3年の各種センサを搭載したデバイス、高速通信基盤、通信モジュール価格の低廉化、クラウド型サービスの普及などによって、黎明期にあったM2Mに新しい側面が加わってきました。さらに、データの蓄積から分析、アクションまでの機能をクラウド型で提供するプラットフォームは、M2Mに参入する事業者を増やす変化を起こさせているようです。

これまで普及を妨げていた障壁が打破され、Infonetics Research 社は、来年(2017年)には世界規模で約3兆円の市場規模になるだろうと予想しています。この流れに乗り遅れまいと、移動通信業者、通信モジュール企業、ITシステム企業がなどが次々にM2M市場に参入してきています。

M2Mが再び注目されてきたのには、前述のような技術の進歩や低価格化というだけでなく、自然災害、インフラの老朽化に伴う安全・安心の確保、高齢化に伴う就労人口の減少や介護や医療など、非常に困難な社会的課題を解決する有効が技術としての期待もあるようです。

M2Mイノベーションが実現されるには

M2Mの本格的な普及を支える基盤が整いつつあります。だからと言って何もせずに事が運ぶはずはありません。「このままの状態でM2Mの本格期が到来すると考えるのは、いささか楽観的だろう」と日経エレクトロニクス(2014年1月6日号)は述べています。

m2mが浸透するには、一つ目にコスト削減あるいはコストを回収する新たなビジネスモデルの創出、二つ目に端末の増加に備えた通信・情報基盤の整備が大事であろうと考えられます。

(1)新たなビジネスモデルの創出

一つ目の新たなビジネスモデルの創出に関して、先の日経エレクトロニクス(2014年1月6日号)では、「機器をネットワークに接続して初めて生み出せる価値を業界ごとに発見すること」「その価値を生み出すためにかかるM2Mのコストを回収する方法を工夫すること」と述べています。また、ボーダフォンの「M2M普及状況調査レポート2014」によれば、これまで企業の内部向けに利用してきたM2Mが、今後は製品やサービスに対して、顧客に直接コンタクトできる機能を組み込んだ外部向けM2Mが増えるとしています。報告書では次のように述べています。

最初のM2Mの波は、コネクティビティを利用して、ビジネスプロセスを効率化することから始まりました。そして次に来る波は、製品やビジネスモデルの変更と考えられます。M2Mを外部向けに用いているケースはまだ少ないため、これには慎重なアプローチが必要です。しかし、この対応は企業の将来のビジネスに非常に大きな影響を与える重要事項です。このため現在は躊躇していても、競合上のプレッシャーから、最終的にはM2Mを受け入れざるを得なくなるでしょう。

ボーダフォン「M2M普及状況調査レポート2014」より

 M2Mからは膨大なデータを得ることが出来ます。その「ビッグデータ」も、そのままではただの情報でしかありません。すでに、得られた顧客を気象データと組み合わせて販売予測精度を向上させたり、価格の設定や販促計画に活かすといった試みがなされていますが、そのようなビジネスに結び付ける工夫が必要だといえます。

 また、M2Mの導入及び運営にはそれなりのコストがかかります。通信ハードウェアやセンサーのコスト、ネットワーク回線利用コスト、 機器から収集されたデータの蓄積と分析にかかるコスト、システムの運営・保守のコストなどです。こうしたコストをどうやって回収するかの工夫が必要となります。

(2)通信・情報基盤の整備

 

 

 

(執筆中)

 

 

 

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