各国のIoTの推進政策:規格に注力のUK、工業に注力のドイツ、アメリカは試行プロジェクトや規格化推進を実施

earth-624x624_R

アメリカ USA

 AT&T、Cisco、GE、IBM、Intelの5社が設立したIIC(Industrial Internet Consortium)に対して、アメリカ政府は年間100万ドル以上の投資を行うと発表しています。また、Cyber-Physical Systems (米国政府はIoTをこのように呼んでいます)を推進するべくSMART AMERICA Challengeというホワイトハウス直下のプロジェクトを組んで、システムのトライアルを実施したり、Expoを開催しています。

smartamerica_homepage

ターゲットとしている領域は、家庭やビルのスマート化、水資源の分配のスマート化、災害復旧システム、製造業関連、交通関連、ヘルスケア関連、セキュリティ関連、エネルギー関連です。

 

イギリス UK

2014年3月に、イギリスは、4500万ポンド(83億円)をIoT関連の研究領域に追加で投じると発表しました。内訳としては下記の領域のスタートアップ企業に資金を投じることになっています。

  • Future Cities programme 2014/15 — £18.5
  • Enabling Technologies for energy 2014/5 — £3M
  • Connected Freight — £4M
  • Digital Health — £5M
  • Location Based Services  £5M
  • Reimagining the High St — £6M
  • Secure Remote Working — £3.5M (EPSRC funding)(http://techcrunch.com/2014/03/10/iot-2014-funding-uk/ より)

また、イギリスは、2014年に1600万ポンドをHyperCatというIoT関連規格にも追加で投じており、これまでの合算では8000万ポンドを投じてきています。

hypercat-city-578-80

(http://www.techradar.com/news/internet/data-centre/business-software/world-of-tech/future-tech/software/applications/uk-government-inject-1-6m-to-finance-hypercat-iot-standard-1262388 より)

フランスのSigfox社は2015年に低スループットで低価格な広域ネットワーク、ウルトラナローバンド(UNB)を、イギリスの電気通信インフラ会社Arqivaとともにイギリス全土に展開することを計画しています。まずはロンドン、バーミンガム、リバプール、グラスゴー、マンチェスター、シェフィールドなどの10都市について当該のネットワークインフラを用意するそうです。既存の3GやLTEなどとは異なる基地局とアンテナを用いたシステムです。Arqiva社のプレスリリースはこちらです。

また、Neul社はテレビ用のホワイトスペースと呼ばれる周波数帯を使って、M2M用のネットワークソリューションNeulNETというものを提供しています。携帯電話用の電波とは異なるインフラを用いています。NeulNETは、NaaS(Network as a Service)であるとうたっています。キーコンポーネンツは下図の通りであるとのことです。

NeulNET

(http://www.neul.com/neul/?page_id=3318 より)

 中国

こちらの記事によると、中国の「工業情報化部電信研究院」が出した白書「物联网白皮书2014」では、「财政部/工業情報化部」から2011年より投じられた、IoT発展プロジェクト資金は累計15億RMB(287億円)であったと述べられています。

また、「既にスマートメータを1.96億個設置したとされ、電気使用状況の自動収集可能ユーザは2億に達した。」とも報告されているようです。

 ドイツ

ドイツではIoTの中でも特にFA関連の分野に力を入れています。2012年から、ドイツは「インダストリー4.0」(Industry 4.0、Industrie 4.0)というプロジェクトを推進しています。インダストリー4.0は、工業分野において、第4次産業革命と呼べる程度の生産プロセスなどの革新を、2020年までに実現することを目指したプロジェクトです。2013年には2億ユーロ(約280億円)の予算が割り当てられました。インダストリー4.0はCPS(Cyber Physical Systems)を発展させて、工場の監視システムや自律システムを進化させて、即時性の高い生産を行ったり、小ロットでも低コストな生産を行えるようにしたり、生産にかかわる意思決定に人間がかかわる程度を減らしたりするということを目指しています。2025年まで米国、中国を抜いて輸出世界第一位になるという目標を掲げています。

img_02_R

 

(http://japan.renesas.com/edge_ol/global/12/index.jsp より)

Industry 4.0では、開発・生産・サービスといった製品のバリューチェーン上のプロセスで扱う情報を、細かくリアルタイムに吸い上げる。取得した情報と既存の情報を解析し、製造装置の制御データや生産管理用のデータとして使うことで、刻一刻と変わる市場ニーズや、工場の稼働状況、原材料の状況に応じて、最適な製品を、最適な時期に、最適な量生産し、市場投入できるようにすることを狙う。 (http://it.impressbm.co.jp/articles/-/11707 より)

あるレポートによると、

インダストリー 4.0の普及には今後15年で欧州に約1兆3,500億ユーロの投資が必要である

(http://www.rolandberger.co.jp/news/2014-04-21-Press_Release_20140424.html より)

といわれており、ドイツ同様に製造業のしぼんでいるほかの欧州各国と連携したアクションがないと厳しいという見方もあります。

下記の記事によると、現状では大変多様な通信規格が乱立しているため、普及に向けては時間とお金がかかりそうです。

工場システムを上位のシステムから見てみると、財務や会計など経営資源管理を行う「ERP(Enterprise Resource Planning)システム」、生産ラインの実行と管理を行う「MES(Manufacturing Execution System)」、制御機器PLC(Programmable Logic Controller)、産業用ロボットや各種センサー、アクチュエーターなど、多数のシステム階層で構成されている。これまでは各層がつながる必要がなく個別に進化してきた。そのため、局所最適化を積み重ね、異なる通信方式やアプリケーションインタフェースが多数共存する状態になっていた。l_km_industry4zu1_R

(http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1407/30/news033.html より)

※「Industrie 4.0」についてはこちらのページもご覧ください。

インド

インド政府の発表によると、インドは今後6年間で150億ドル規模にまでIoT市場を成長させることを目指しています。投下資金の金額はまだ決定ではありませんが、下記のように報じられています。1億8000万ルピーとは3.4億円、3億5000万ルピーとは6.6億円です。

現在、IoT推進政策の計画案はインド通信局内で議論されており、その中には研究センターや技術試験のための実験施設の設置のために1億8,000万ルピーを投じる計画が含まれている。また、同政府はインドのIT業界団体NASSCOMと合同で、仮名”National center of Excellence”というインキュベーションセンターを設立し、今後5年間で同センターに3億5,000万ルピーを投資することも検討している。

(http://www.india-bizportal.com/industry/communication/p14655/ より)

また、インドは、100か所のスマートシティを設ける計画も立てています。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です