デジタル・ディスラプター/ディスラプション

disruption_002_r

デジタル・ディスラプター/デジタル・ディスラプション

最近、デジタル・ディスラプター(digital disruptor)とかデジタル・ディスラプション(digital disruption)といった言葉を耳にするようになりました。多少表現に違いはありますが、デジタル・ディスラプターは「デジタル時代の創造的破壊者」、デジタル・ディスラプションは「デジタルテクノロジーによる破壊的創造・破壊的イノベーション」というふうに日本語では表されていることが多いようです。既存の産業がデジタル技術を駆使した新たなビジネスにとって代わられるような破壊的なイノベーションということのようです。

デジタル・ディスラプターについて、アメリカのアナリストであるジェイムズ・マキヴェイはその著書『DIGITAL DISRUPTION(デジタル・ディスラプション)——破壊的イノベーションの次世代戦略』(実業之日本社)の中で、デジタル・ディスラプターというのは、あらゆるところから現れ、デジタル・ツールやデジタル・プラットフォームを活用して顧客を奪い、業界にイノベーションを起こすと述べています。

また、創造的破壊については古くから経済の発展に重要なものであることが指摘されており、オーストリアの経済学者シュンペーター(Schumpeter1883-1950)は、その著書「経済発展の理論」の中で、イノベーション(新結合という言葉で表現)を、新しいものを生産する、あるいは既存のものを新しい方法で生産することと述べ、企業家が、既存の価値を破壊して新しい価値を創造していく「創造的破壊」が経済成長の源泉であり、経済の発展は「新結合(イノベーション)」が 非連続的に現れることができるときにのみ実現すると主張しているそうです。

ディスラプションとイノベーション

ディスラプション(disruption)いう言葉は、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授の著書『イノベーションのジレンマ』で独自のイノベーション分類の一つとして破壊的イノベーション(disruptive innovation)として使われています。 この中で、クリステンセンはイノベーションを「技術的内容の継続性」と「企業の継続性」という2つの分類軸でとらえています。

「技術的内容の継続性」では、既存技術を漸進的に改良したイノベーションをインクリメンタル・イノベーション(incremental innovation)、既存技術とは全く異なる不連続のイノベーションをラディカル・イノベーション(radical innovation)としています。
「企業の継続性」では、イノベーションが既存企業の存続に肯定的な効果をもたらす場合を持続的イノベーション(sustaining innovation)、既存企業の存続に否定的な効果をもたらす場合を破壊的イノベーション(disruptive innovation)としています。破壊的といのは、既存企業が市場で存続できずに市場から消えていく可能性が高いといういうことです。

時々、この「技術的内容の継続性」でのイノベーションと「企業の存続性」でのイノベーションを混同し、持続敵イノベーション(sustaining innovation)がインクリメンタル・イノベーション(incremental innovation) と、破壊的イノベーション(disruptive innovation)がラディカル・イノベーション(radical innovation)と同一視されて語られることがあるようです。

ディスラプター50とデジタル・ディスラプターの特徴

米大手メディアのCNBCが、2013年より「ディスラプター 50」という企業リストを発表しています。これは、ビジネスモデル、創業者の経歴、ファイナンス状況、想定される市場規模、スタートアップが生み出す新しいエコシステムなどを総合的に評価して選出されています。

disruption_001_r(http://www.cnbc.com/2016/06/07/2016-cnbcs-disruptor-50.html 参照)

2016年のランキングではUberがトップになっています。2番目がAirbnbです。2015年では両社は4位と5位でした。2014年では10位と41位となっています。

2015年のオラクル社の特集記事に「Uberに見るデジタル・ディスラプターの成功要因」という記事があり、その中でUberの成功要因を次のように記しています。

• ユーザー・エクスペリエンス全体がモバイル端末に統合されている。
• サービスの透明性(自動車が到着する時刻、自動車の車種、ドライバーの名前、移動する距離、費用の総額が事前に知らされる)
• 面倒なプロセスの排除(サービスの利用料金が自動的に利用者のクレジットカードに課金される)
• コンシューマーがどこでも利用できるようなグローバル戦略
• 文化的トレンドの活用(シンプルに生活し、柔軟な時間に働くというミレニアル世代の「シェアリングエコノミー(sharing economy)」にマッチしている)
• 自社を社会的価値と結び付けている。(例えば、自動車数の減少、混雑緩和、公害削減、都市の美化へと向かう世界観との適合)
(日本オラクル http://www.oracle.com/jp/corporate/features/digital-disruptors/index.html 参照)

また、(株)ドリームインキュベータの2014.8.8「NEXT GENERATION」ではディラプターの特徴を次の4点でとらえています。

①  個人間の「つながり」を活用
②  「所有からシェア・利用」への流れ
③  IT・ネットを利用し、従来と発想から異なるサービス
④  IT・ネット化を促進する技術・サービス
(http://www.dreamincubator.co.jp/next_g/18603.html より)

2015.6.4「NEXT GENERATION」では、①の「つながり」を活用する企業をさらに詳細に次の4つに分類しています。

① 「つながり」をあえて限定
② 「つながり」以外の付加価値を提供
③ 新たな「つながり」の創出
④ 他サービスの「つながり」を利用
(http://www.dreamincubator.co.jp/next_g/25099.html より)

ReadWrite[日本版]の2016.4.21のTREND「既存産業を破壊するデジタル・ディスラプションとは?」という記事では、デジタル・ディスラプターを大きく次の3つのタイプに分類しています。

① マッチング型
② 価格破壊型
デジタルによる圧倒的な低コストで同じアウトプットを実現(FinTech企業など)
③ プラットフォーマー
デジタル・ディスラプターを生み出すプラットフォームを提供し、彼らの収益を自身の収益源とするビジネスモデルを構築(GoogleやAppleなど)
(http://readwrite.jp/trend/29967/ より)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です