IoTと高齢化社会

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高齢化社会 ピンチはチャンス

政府関係機関の報告書では、必ずと言っていいほど、「日本は世界でも類を見ないスピードで少子高齢化が進展し、それに伴う生産年齢人口の減少や社会保障費の増大に世界でいち早く直面する課題先進国である」と述べています。そして、これらの課題を解決する可能性の一つとして、ロボットやIOTなどの技術イノベーションに期待しています。実際に「見守り」「介護」などで、すでに高齢者支援を対象としたIOT技術の実用化が進みつつあります。

ところで、少子高齢化というとどうしても暗いイメージが付きまといます。確かに、課題先進国においては、労働人口の減少、医療費の増大、年金の制度の崩壊などへの危機感があります。しかし、ビジネスという視点で見てみると、60歳以上の個人金融資産は1500兆円あるとも言われており、仮にこの100分の一でも市場に出回れば15兆円にもなり、非常に大きな市場が形成されます。みずほ銀行は2025年の高齢者市場規模を100兆円との見通しを立てています。これは国家予算にも匹敵する膨大な市場です。

こう考えると、高齢化社会はピンチではありますが、一方でチャンスでもあるといえます。こうした大きな可能性を持つシニア市場向けに、ニーズにあった商品やサービスをいかに開発・提供していくことができるかがチャンスをつかむために重要になってきます。

高齢者を支えるiot

政府が以前発表した「成長戦略ビジョン」においては高齢化社会の到来に対応して、健康、介護、医療分野におけるICT利活用の推進を掲げています。例えば、自己の健康医療情報を管理したり、全国どこでも遠隔治療が受けられたり、医療機関間で情報共有できたりする「健康医療クラウド」を整備などです。民間企業でも、介護ロボット、GPS位置情報、テレワーク、テレビ会議、電子政府サービス、電子カルテ、遠隔医療、スマートフォンの高齢者用コンテンツ、スマートホーム、スマートシティなどでのビジネスの動きがみられます。

以下に、そうした動きの中から、高齢者を支えるIoT技術を紹介します。

(1)ニフティの「おへやプラス」

elderly_002部屋に設置した環境センサー(iRemocon Wi-Fi)で室内の温度と湿度を測定し、スマートフォンから離れて暮らす家族の室内の環境を確認することができるほか、現在の温度と湿度から熱中症予防対策の目安を4段階、季節性インフルエンザ予防対策の目安を3段階で表示することもできます。さらに、スマートフォンにプッシュ通知が届くように設定でき、エアコンの操作もできます。

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(NIFTY Corporation http://smartserve.nifty.com/home/plus/service.htm より)

(2)株式会社アートデータの「地域安否確認サービス」

トイレや冷蔵庫、ベッドなどにセンサーを設置して、異変を感知するとあらかじめ登録した家族やヘルパーの連絡先に通知される仕組みとなっています。緊急時に高齢者がみずからボタンを押して助けを呼べる端末も用意されています。センサーは次のようなものが準備されています。

・薄型離着床マットセンサー/体動検知マットセンサー

離床・着床が分かります。体動検知マットセンサーには寝返り等わずかな離床は検知しない機能(誤検知防止機能付)が付いています。

・生活防水型マットセンサー

トイレの入口、台所の床、ベッドの下、玄関、浴室の入口等に設置し、利用する毎に生活信号として外部へ通報できます。

・ドアセンサー

冷蔵庫ドア、居室のドア、トイレのドア、玄関のドアなど日常よく開閉する扉に設置し、扉が開閉する毎に外部に知らせることもできます。

・人感センサー

赤外線で人の動きを検知します。

・ポケット安心電話

ペンダント式のボタン電話を押せば登録した番号へつながり、そのまま会話をすることができる電話です。

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(株式会社アートデータ http://www.artdata.co.jp/anpi/index.html より)

(3)イッツ・コミュニケーションズの「イッツコム インテリジェントホーム」

モーションセンサーやドア窓センサーを取付け、外出してないのにトイレのドアが一定時間開かない時や、動きがない状態の時に家族へメール通知します。ニーズに合わせてセンサーの反応値や期間をカスタマイズすることができます。

また、不審者の侵入時、家内に設置したモーションセンサーが反応し、外出先のスマートフォンへお知らせします。また、宅内ではテレビが自動的に立ち上がり、画面と音等で警報を発信致します。鍵を閉め忘れたときに遠隔ロックできるサービスを2015年8月より開始予定です。

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(イッツ・コミュニケーションズhttp://www.itscom.net/service/smart/intelligenthome.html より)

(4)富士ソフトのパルロ

palro_001話しかけて来る姿は愛嬌たっぷりで、すでに介護施設などに導入されていて、お年寄りと楽しいコミュニケーションをとっています。「Palro(パルロ)」は相手の顔見て会話もができ、顔や声を覚えて、その人に合った会話ができますので、ロボットと話している感覚ではなく、自然な会話を味わうことが出来ます。学習能力もあり、いつ、どこで、何をしたのかを記憶しています。また、インターネット経由で、話し相手の情報をアップデートして、会話することも可能です。

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(富士ソフトhttp://palro.jp/preventive-care/nursing-home.html より)

(5)Amulyteの緊急対応システム

amulyte_001「Amulyte」はアメリカの投資会社Y Combinatorの支援によって立ち上がった”救命ガジェット”です。デバイスの中にセルラー無線、Wi-Fi、GPS、加速度計、全体をコントロールするマイコンを搭載しており、在宅中はもちろんのこと、外出時にも介護者や家族は、被介護者の活動レベルや位置情報などをいつでも知ることができるようになっています。

ペンダントの真ん中にはHELPボタンが取り付けられており、ボタンを押すとあらかじめ登録されている連絡者全員に緊急情報が届くようになっています。また緊急時でなくても、当人の身体情報をいつでもチェックできます。

(Amulyte  http://www.amulyte.com/ より)

(6)エヌジェイアイの「安心ひつじ」

睡眠中の心拍数、呼吸数、体動、離床の4つを一度に計測できるセンサーを寝具の下に敷いておくことで、被介護者が何時に起きたか、何時間の睡眠をとったか、睡眠の状態は良かったかなどを介護者に知らせてくれます。データはインターネットを介してパソコンやタブレット、携帯電話などでどこででも確認することが可能です。

得られた情報は1年分蓄積することが出来、睡眠時間、活動時間、バイタルサイン(血圧、脈拍数、呼吸速度、体温など)をモニターで把握することができるため、本人が気づかない体の変化から病気の予兆を発見し予防するといったことや、早い段階での治療が可能となります。

オプションセンサーでは、照度、温度、湿度、におい、人感、音声センサーを取りそろえた多機能センサーで測定した結果を色別で波形・数値として確認でき、また、遠くの家族と音声で会話も可能となります。

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(株式会社 エヌジェイアイ http://www.nji.co.jp/safety/ より)

(7)NTTドコモの「Docotch」

docomo_010GPSと3G通信で、ペアリングしたスマホから、ユーザーの位置やユーザーが「歩いているのか」「休んでいるのか」といった状況を確認できます。また、ユーザーが一定距離を離れるとスマートフォンと「Docotch」双方に通知されます。さらに、内蔵された温度・湿度センサーで周囲の環境を把握でき、例えば、長時間温度の高いところにいると、スマホに「水分補給を促してください」、「涼しいところで休んでください」といった注意喚起のアドバイス届きます。夏場の熱中症予防や冬場の風邪対策に役立ちます。

(NTTドコモ https://www.nttdocomo.co.jp/product/watch/docotch01/ より)

(8)株式会社ネクストの「ワラッテル」

waratteru内蔵されたマイクが装着者の会話の状態や笑い、咳などをピックアップし、インターネットを介して遠隔地のPCやスマートフォン(スマホ)などに送信するシステムです。さらに「加速度センサ」で転倒や何かにぶつかった衝撃などを感知することもできます。生活行動を通知するデバイスは他にもありますが、「笑い」を感知するというのはユニークな試みと言えます。

(株式会社ネクストhttp://www.warattell.com/ より)

 

(9)富士通株式会社とRT.ワークス株式会社の「歩行アシストカート」

生活支援ロボット「歩行アシストカート」に搭載されたセンサーから収集した情報を、IoTプラットフォーム上で管理・蓄積・分析し、利用者の「位置情報」「歩行距離」「活動量」といったデータから健康状態を把握したり、機器の傾きや転倒といった状態をリアルタイムに検知することで利用者の異変などを予測し、アラートを通知することが可能です。バッテリ状態や機器情報なども分析し、歩行アシストカート購入後の保守サービス、利用者情報、トラブルに対応したり、機器の計画的なメンテナンスや故障の予測なども実現します。

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(富士通http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/05/7-1.html より)

 

(執筆中)

 

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