2050年以降の世界

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2050年の世界の技術

総務省の「ICT分野における技術戦略検討会(第2回)」が2018年1月16日に行われましたが、その資料に「2050年以降の世界について」という「社会・経済」「人口」「技術」の分野についての2050年ごろの世界を予測したものがあります。

社会・経済面では、世界平均気温が産業革命前と比べ3~6℃上昇し、世界の経済規模は2016年の2倍を超えるものの、日本のGDPは世界第8位になるとしています。人口については、女性の平均年齢が90歳を超え、65歳以上の高齢者がおよそ40%になると予想しています。

技術面での予測では、2050年の予想として次の7つを挙げています。

人工知能(AI)を搭載したロボットと人間が結婚する

地球と宇宙をつなぐ「宇宙エレベーター」が実現する

脳に電気信号を読み取るチップの埋め込みが普及する

脳に埋め込まれたチップによる無線通信が可能になる

目の細胞に外部信号を送ることで、盲目の人が見えるようになる

記憶を消すことができるようになる

富裕層は子供の遺伝子構造を選択できるようになる

(ICT分野における技術戦略検討会(第2回)資料2-2「2050年以降の世界について」 平成30年1月16日http://www.soumu.go.jp/main_content/000527336.pdf より)

もう少し詳しく

〇 人工知能(AI)を搭載したロボットと人間が結婚する

2017年1月8日付け朝日新聞Globeに記事から引用したもので、イギリスのデビッド・レビ(David Levy)博士の予測です。さらにデビッド・レビ氏は、「幹細胞と人工染色体の研究における最近の進展を鑑みれば、人間とロボットが子供を作ることは可能」と主張しているそうです。

〇 地球と宇宙をつなぐ「宇宙エレベーター」が実現する

大林組プロジェクトチームは、2050年の完成を想定した「宇宙エレベーター建設構想」を発表しています。

ケーブルの長さは、地球から月までの距離の約1/4(約9万6000km)で、駅やケーブルの建設費は約10兆円、工事期間は20年と見ていますので、2030年建設開始なら2050年には運用できるというわけです。

〇 脳に電気信号を読み取るチップの埋め込みが普及する

日本語版では、2014年6月8日付けの「lifehacker」に「2050年に人間の脳はどうなるか。脳科学者たちの7つの予測」と題して、このことが書かれています。

事業主向け情報やビジネス関連のニュースを掲載しているIncでは、2014年5月30日付けでChristine Lagorio-Chafkinによる「7 Predictions for Your Brain in 2050」として掲載れています。

実際にこうした研究開発は進められており、Kernelというスタートアップは、脳の海馬に小さなデバイスを埋め込むことで認知症を改善する研究開発を行っていますし、アメリカ南カリフォルニア大学のセオドア・バーガー博士の研究チームは博士(写真下)率いる研究チームは脳へ埋め込むインプラントの研究、開発を行っており、Kernelはこのチームの開発したデバイスを使用しているそうです。

イーロン・マスク氏も、人間とコンピューターをつなぐ脳インターフェイスを開発するNeuralink社を設立しています。

〇 目の細胞に外部信号を送ることで、盲目の人が見えるようになる

前述の「7 Predictions for Your Brain in 2050」に書かれているもので、コーネル大のSheila Nirenberg博士はTEDで補綴装置を視神経に直接つないで、網膜から電気信号を脳に送信するという方法で特定の失明状態を抱える患者に対して視覚回復が望める大胆なアプローチを紹介しています。光受容体細胞が死滅しても、出力細胞は生きているそうで出力細胞に正しいコードを送れば、視覚が戻るということのようです。

〇 記憶を消すことができるようになる

これも前述の「7 Predictions for Your Brain in 2050」に基づくもので、DARPAでは、脳を負傷した軍人や民間人の記憶を回復させることを目的とした脳埋め込み型装置の開発を行っているという話もありますし、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報通信総合研究所、情報通信研究機構(NICT)脳情報通信融合研究センター(CiNet)、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)、ケンブリッジ大学などのグループが、思い出すのもつらい記憶を消去し、記憶によって引き起こされる恐怖反応を弱める技術を開発したとの情報もあります。

なお、この「7 Predictions for Your Brain in 2050」にはほかにも「意識を機械にダウンロードして永遠に生き続ける」ということも書かれています。

〇 富裕層は子供の遺伝子構造を選択できるようになる

出典はBBC「Tomorrow’s World」からのようですが、2013年の朝日新聞では「デザイナーベビー」が取り上げられています。遺伝子を操作するなどして、外見や知力、体力など、親の希望をかなえた形で生まれる赤ちゃんのことです。

2013年にアメリカの遺伝子会社「23 アンドミー」が遺伝子情報を解析して目の色や髪の色、がんや病気のリスクを予測する手法について特許取得し、1万円ほどの値段で事業してます。

2015年に中国でクリスパー・キャス技術を用いて人の受精卵の遺伝子編集を行ったという論文が発表されています。

こうした状況を見ると、これは、2050年よりも早く実現するかもしれません。

その他の予測

この資料では2050年以降についてもいくつか予想しています。例えば、2062年に「最初のクローン人間が登場する」、2060年に「DNA情報を用いたモバイル決裁が行われる」「高速3Dプリンティング技術の普及で、国際貿易が75%に縮減する」などです。

「DNA情報を用いたモバイル決裁が行われる」については、がInstitute for Global Futures(IGF) の協力の下で予測した「Hotels.comホテル未来予測レポート」を基にしています。このレポートでは、他にも「ロボ バトラー」「オーダーメイドのモーフィング ホテル」「客室に3Dメーカーを完備」「好みの夢を選ぶニューロ ドリーミング」「拡張現実ホテル」「トラベルアバター」「お客のDNAから嗜好を特定し、レシピやメニューを作るグルメ ゲノミクス」などが書かれています。

「高速3Dプリンティング技術の普及で、国際貿易が75%に縮減する」は、オランダの総合金融サービス大手INGが、2017年9月に発表した「3Dプリンティング:世界貿易への脅威(3D printing: a threat to global trade)」が出展です。このレポートでは、今後40年以内にすべての製造品の半分以上が3Dプリンタで製造され、国境を越えた貿易の25%が消滅する可能性を指摘しています。

2050_002_R(https://www.ing.nl/media/ING_EBZ_3d-printing_tcm162-131996.pdf より)

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