時間通貨

1120920_R

新たな通貨

先日、NHKで資本主義のシステムに生じてきているひずみをテーマにしたスペシャル番組を放送していました。番組では、現金が消えつつある各国の様子や、それに代わって広がるスマホ決済や新たな通貨の誕生について取り上げていました。

これまでの通貨の概念とは全く違うものとして「時間通貨」が話題となっていました。時間は誰もが平等にもっているもので、番組では「ビルゲイツも路上生活者も同じ24時間が財布に入っている」と言っていました。それを通貨に見立てたものが「時間通貨」です。

番組では、オンラインで小学生に英会話を教え、教えた時間に応じたタイムコインと言われる時間通貨を得ると、今度はそれを使って自分が他の人から趣味の料理を教えてもらうという事例を紹介していました。仮想通貨のように、テクノロジーの進歩によって、時間までも通貨に変えられるようになり、お金を回すという経済と全く異なる経済の在り方がそこに存在するというわけです。時間通貨の利用者は現在110か国3万人以上に及んでいるそうです。日本の利用者もいるようですが、まだ普及するまでにはいたっていません。

1時間=1時間

番組で取り上げられていたのはTimeRepublikです。2012年にガブリエレ・ドナティ(Gabriele Donati)とカリム・ヴァリニ(Karim Varini)によって設立されました。通貨としてお金ではなく時間を使い、だれもが自由に才能とスキルを交換できる場所を提供しようと始めたものです。現在、ニューヨーク、イタリア、スイス、ブラジル、スペイン、フランス、ドイツ、デンマーク、ロシア、オランダなどで運営されています。

どんなものでも、誰でも1時間は1時間で同等です。利用者の経歴や年齢、スキルの内容によって時間の価値が変わることはありません。前述のように英会話であっても料理であっても1時間=1時間となっています。

ユーザーにサービスを要求し、そのサービスが完了すると、そのサービスを提供したユーザーから時間支払い要求が送信されます。時間の支払いはTimeCoinで支払いますが、それはインターネット上で行われます。実体がないという点では仮想通貨とよく似ていますが、仮想通貨のように円やドルのような法定通貨に換金することはできません。

また、法定通貨や仮想通貨はため込んでも価値が失われることはありません。ため込めはそれだけその人の資産が増えることになるのかもしれません。しかし、時間通貨の場合、ため込んでも使わないと意味がありません。使わないと価値が失われてしまうかもしれません。

こんな時間通貨ですが、番組では「時間通貨はお金なのか」という問いに対して、お金にはその信用を支える価値の担保、いわば船のいかり(アンカー)のようなものが必要であり、今までは金(ゴールド)であったり国家であったりしたが、仮想通貨はテクノロジーによって価値を担保されているように時間であろうと何でもいいということに人々が気付き、通貨は作る対象にかわってきたという識者の話がありました。

https://timerepublik.com/ 参照)

(NKH マネー・ワールド~資本主義の未来~ 第1集  お金が消える!? 参照)

タイムコイン

紛らわしいのですが、NHKで紹介されていた時間通貨のタイムコインとは全く異なるタイムコインがあります。仮想通貨のタイムコイン(Time Coin)です。「Time Innovation株式会社」と「株式会社グローバルウェイ」のタイムコインです。

Time Innovation社は、カンボジアとシンガポールに法人があります。タイムイノベーションは、ポイント付与するサービスですが、購入金額ではなく店舗に滞在した時間に対してポイントが発行されます。仮想通貨タイムコイン(Time Coin)は時間をお金に換える仕組みを持っています。

グローバルウェイは転職情報サイト「キャリコネ」などを運営する会社です。グローバルウェイ社のタイムコインは個人の時間のシェアリングサービス「タイムチケット」上で、個人の時間の価値を定量的に評価するトークンです。

その他に時間を10秒単位でスマホのアプリでリアルタイムにと売買取引するサービス「タイムバンク」があります。株式会社メタップスが2017年から始めたサービスです。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です