日本のドローンの状況は?

drone_003_R

3年以内にドローンで配送?

2015年11月、首相官邸で、早ければ3年以内にドローンによる荷物配送を可能にするため官民の協議会を立ち上げるとの発表がありました。その前には、東京オリンピックまでの自動運転の実現などの発表もあったばかりで、近未来の技術の実現が加速しそうなアナウンスが続いていますが、果たして順調に進むのでしょうか。ドローンに関してはアマゾンやグーグル、最近ではウォルマートもテストを行っているという話もあり、世界での日本の存在感は薄いのが現状です。政府肝いりでこの劣勢を挽回していけるのか注視していきたいものです。

近未来技術実証特区でドローン

国の「国家戦略特区」のテクノロジーに特化したものとして、2015年1月に「近未来技術実証特区」が設けられました。ここで取り上げられる近未来技術とは、遠隔医療、遠隔教育、自動飛行、自動走行等です。その中の自動飛行いわゆるドローンに関しては、提案が33件あり、その主体は自治体が20、民間等 43でした。

この近未来技術実証特区が設けられたころ、ドローンは航空法第 99 条の2及び同法施行規則第 209 条の4において、地表又は水面から 250m以上(航空路内においては 150m以上)の飛行が制限されていたり、電波法令において、が利用可能な周波数帯や出力が制限されていたりして、これらを特区において緩和することなどが取り上げられていました。

ドローンに実証実験として秋田県仙北市の「国有林野を活用したドローン実証実験」が第1号として認定されたようです。仙北市の提案は次の5つからなります。

① 火山監視・遭難救助への活用

火山活動の把握等への活用や、山菜採りや雪山登山による遭難事故の救助活動への活用

② 動物の行動範囲調査への活用

クマやニホンジカなどと人との遭遇を軽減や農作物の被害調査・対策への活用

③ 農業への活用

家畜の行動範囲や運動量から環境整備や病気等の早期発見等の効率的な畜産業

④ 森林育成の調査への活用

健全な森林育成に向けた効果的な主伐・間伐・植栽時期を把握

⑤ 観光への波及

仙北市内の温泉や観光資源を活かしドローンに関するコンペや国際会議等の開催

※ 2015年9月23日の日本経済新聞の報道によれば、政府は仙北市で、国内外から一般人や企業、研究者が参加して性能や操作技術を競う「ドローンレース」を開催するとのことで、期日は定かではありませんが、早期の実現をめざすとのことです。

(仙北市の提案から要約)

高層ビルへのドローン配送(国家戦略)

こうした「近未来技術実証特区」での仙北市の取組の他にも、千葉市がドローンを使った高層マンションへの宅配サービスを「国家戦略特区」に「幕張新都心から挑戦する未来都市実証特区」として応募しています。応募では、東京湾臨海部の物流倉庫と幕張新都心の住宅地区まで、海上と河川の上空を飛行すること約10キロの飛行実証実験が可能なことと、幕張ベイタウンや若葉住宅地区などの高層マンションを想定し、配送の上り下りを減らしてコスト削減を図れる利点があることなどをアピールしています。

drone_004_R

(幕張新都心から挑戦する未来都市実証特区 ~ 多世代・ 多 文 化 が 共 生 す る 国 際 都 市 ~ 千葉市http://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/kikaku/documents/151030_kokkasenryakutokku.pdfより)

離島へのドローン宅配(経済産業省)

経済産業省2016年からドローンを使って離島に物資を配送する実証実験をスタートさせるようです。実験計画は、静岡県熱海市の沿岸から初島までの約10キロの距離で、荷物の重さは約10キロを想定しているようです。他にも伊豆半島の沿岸から伊豆大島までの約20キロ、神奈川県の横須賀港近辺から猿島(神奈川県)までの約5キロなども候補として挙がっているようです。

実験では準天頂衛星のGPSを利用し、測位誤差を10センチ以下に抑えるというものです。経済産業省の計画では、準天頂衛星が4機になる2018年までにドローンによる荷物運搬を導入させたいようです。

9月に成立した改正航空法では、ドローンの飛行範囲を「目視できる範囲」と限定しています。準天頂衛星を使って目視できない状況であっても安全な飛行が可能であることが実証されれば、ドローンの規制の見直しが図られ、ドローンビジネス拡大にもつながるものと期待されています。

ドローンの新たな規制

2015年11月17日に、国土交通省が小型無人機「ドローン」の飛行規制の細則を定めた省令を公布(施行は12月10日より)し、これまでより規制がより細かくなりました。具体的には人や建物との距離を30メートル以上と設定し、1平方キロあたりの人口が4000人を超える人口集中地区や高度150メートル以上の飛行を禁じました。東京23区や地方主要都市の市街地の大半でドローンの飛行が制限されることになりそうです。この省令の先に、9月に成立した改正航空法でドローンの飛行範囲を「目視できる範囲」と限定していましたが、この「範囲」をより詳しく規定したものと言えます。ただし、規制空域でも国の許可を受ければ飛ばすことができます。また、機体の重さが200グラム未満の場合は「おもちゃ」として対象外となります。さらに事故や災害時の捜索活動、政府が設けた特区は規制外になります。

無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について

 drone_001_R

(国土交通省 http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html より)

無人航空機の飛行の方法

 [1] 日中(日出から日没まで)に飛行させること

[2] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること

[3] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること

[4] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと

[5] 爆発物など危険物を輸送しないこと

[6] 無人航空機から物を投下しないこと

(国土交通省 http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html より)

承認が必要となる飛行の方法

 drone_002_R

(国土交通省 http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html より)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です