攻めのIT経営銘柄

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攻めのIT経営銘柄

経済産業省が東京証券取引所と共同で2015年5月に「攻めのIT経営銘柄」を18社選びました

「攻めのIT経営銘柄」というのは、東京証券取引所の上場会社の中から、収益拡大や事業革新等のための積極的なIT投資や活用を実施する企業です。

選定は、東京証券取引所に上場する全ての企業に対して「攻めのIT経営」に関するアンケート調査を実施し、「 経営計画における攻めのIT活用・投資の位置づけ」「 攻めのIT活用・投資の企画に関わる社内体制及びIT人材」「攻めのIT活用・投資の実施状況(事業革新のためのIT活用)」「攻めのIT投資の効果及び事後評価の状況」「攻めのIT投資のための基盤的取組」の5つの項目についてスコアリングし、一定基準以上であることや、財務状況によるスクリーニングを行い、直近3年間の平均ROE(株主資本利益率)が業種平均以上であること、重大な法廷違反がないことをベースに行われました。

「攻めのIT経営銘柄」選定の背景

こうした企業の選定を国が行う背景には、大胆な事業再編を通じた選択と集中を行うとともに情報化による経営革新を進め、グローバル・スタンダードの収益水準・生産性を達成して国際競争に打ち勝ち、「日本の稼ぐ力を取り戻す」という政府の「日本再興戦略」があるようです。「攻めのIT経営」を行っている企業モデルを「銘柄」として示すことで、同業他社に波及していく好循環をねらったものです。また、投資家に対しては、長期的な視点からの企業価値の向上を目指す魅力ある企業を総する機会になるといったメリットもあります。

選定にあたっての報告書では、我が国と米国との比較において、米国では新たな価値の創出やそれを通じた競争力の強化を目指す、「攻め」 のIT活用を積極的におこなっているのに対して、日本では社内の業務効率化・コスト削減を中心とした「守り」に主眼が置かれており、さらに日本企業の経営者は、米国企業経営者に比べて、IT活用、新しい技術動向に対する関心が低く、「ITを活用したビジネスモデル変革」、「ITによる製品/サービス開発強化」等の「攻めのIT」に対する重要性の認識が十分ではないとしています。

こうした日本企業の実態から経営者の意識変革を促すとともに、投資家等からの評価を受ける枠組みを作るということも背景としてあるようです。

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(「攻めのIT経営銘柄 2015年5月26日 経済産業省。東京証券取引所」より)

選定された18社

「攻めのIT経営銘柄」として選定された企業は次の18社です。

企業名 業種
積水ハウス株式会社 建設業
アサヒグループホールディングス株式会社 食料品
東レ株式会社 繊維製品
株式会社エフピコ 化学
株式会社ブリヂストン ゴム製品
JFEホールディングス株式会社 鉄鋼
株式会社小松製作所 機械
株式会社日立製作所 電気機器
日産自動車株式会社 輸送用機器
株式会社ニコン 精密機器
トッパン・フォームズ株式会社 その他製品
大阪ガス株式会社 電気・ガス業
東日本旅客鉄道株式会社 陸運業
株式会社アルファポリス 情報・通信業
三井物産株式会社 卸売業
株式会社三井住友フィナンシャルグループ 銀行業
東京海上ホールディングス株式会社 保険業
東京センチュリーリース株式会社 その他金融業

(経済産業省http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150526003/20150526003.html より)

攻めのIT経営銘柄の特徴

経済産業省商務情報政策局は2015年7月に「高ROE企業のIT活用の特徴について」という報告書を出しました。これは、5月に公表した「攻めのIT経営銘柄」を選定する際に行った分析から見えてきた特徴的な事柄について示したものです。

ところで、ROEというのは聞きなれない言葉ですが、ROEはReturn On Equityの略で、日本語では自己資本利益率と言われています。企業の収益性、つまり、株主による資金が、企業の利益にどれだけつながったのかを示しもので、ROE(株主資本利益率)=1株あたりの利益÷1株あたりの株主資本で表されます。要するに、企業が株主から預かった資金である自己資本をどれだけ効率的に活用して利益をあげることができるかを表す指標と言えます。そしてこのROEが8%を超えることがグローバルな投資家から認められる指標になっているようです。

「高ROE企業のIT活用の特徴について」のタイトルにある「高ROE企業」とは、自己資本利益率が8%を超えている企業を指しており、この報告書はそうしたITの活用を通して収益力を高めている企業とそうでない企業を比較検証したものです。

報告書は、「経営トップのITに対する関心」「事業部門へのIT人材の配置」「社内でのIT人材の育成」「情報システムの維持管理及び刷新」「情報セキュリティリスクへの対応」「株主に向けたITの活用に関する情報発信」「事業革新のためのIT活用開始からの経過年数」の7つの観点からその特徴を示しています。

当然ながら、高ROE企業においては、トップ自身がITについて高い関心を有しているし、情報システムの刷新にも自ら取り組み、情報セキュリティリスクを認識し、対応していいます。また、 事業部門へのIT人材の配置や社内におけるIT人材の育成に力を入れています。事業革新のためのIT活用も他社に先駆けて開始していますし、株主等に向けてITに関する取組を説明も積極的に行っています。

以下に各項目ごとの結果を報告書から引用してみます。詳細は報告書を参照してください。

(1)経営トップのITに対する関心

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

(2)事業部門へのIT人材の配置

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

(3)社内でのIT人材の育成

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

(4)情報システムの維持管理及び刷新

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

(5)情報セキュリティリスクへの対応

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

(6)株主に向けたITの活用に関する情報発信

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

(7)事業革新のためのIT活用開始からの経過年数

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(「高ROE企業のIT活用の特徴について」平成27年7月 経済産業省 商務情報政策局 より)

 

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