地域IoT実装推進ロードマップ

chiikiiot_003_r

地域IoT実装推進ロードマップ

2016年12月に「地域IoT実装推進ロードマップ」および「ロードマップの実現に向けた第一次提言」を総務省が公表しました。これは、2020年までの地域IoTの普及に向け、進捗状況や課題の把握とともに、必要な対応策を講じることを目的として、総務省が9月から開催してきた「地域IoT実装推進タスクフォース」において取りまとめられたものです。

「地域IoT」とは聞きなれない言葉ですが、総務省では以前、ICT利活用による地域課題の解決を図るため、地域における効果的・効率的なICT利活用を推進し、「地域ICT利活用事例集」なども取りまとめていました。「地域IoT」は、そうした従前の「地域ICT利活用」が果たしてきた効率化・活性化の効用を、データ利活用により新たな価値を創造することで加速化するものと位置付けているようです。キーワードは「価値の創造」ということになるのでしょうか。「地域IoT」が生み出す新たな価値の創造によって地域経済の活性化、地域課題の解決に貢献しようというわけです。

chiikiiot_002_r(地域IoT実装推進ロードマップhttp://www.soumu.go.jp/main_content/000453151.pdf より)

このロードマップでは、地域IoT実装による地域の将来像の具体を次のように描いています。

・託児所完備のサテライトオフィスで都心の仕事を地域でも実施
・教育クラウドを活用し、個々にあった高い水準の教育
・収穫の状況をリアルタイムで把握しながら小売店やECサイトでの販売
・自動走行のトラクター、スマートビニールハウスで、生産性が高く効率的な農業
・リアルタイムにスマートフォンや街頭のサイネージに災害や避難情報を表示し、迅速な避難行動
・EHR・PHRの情報に基づき、避難所においても適切な処置
・訪日外国人が多言語翻訳アプリでスムーズに買い物
・旅行者をサイネージで目的地へ案内

(地域IoT実装推進ロードマップについてhttp://www.soumu.go.jp/main_content/000453148.pdf)

ロードマップの概要

今回示されたロードマップの特徴としては、一つ目は、「分野別モデルの設定」があります。分野は「生活に身近な分野」の7つとIoT基盤からなり、次の分野が挙げられています。

教育

①教育クラウド・プラットフォーム、②プログラミング教育

医療・介護・健康

①医療情報連携ネットワーク(HER)、②医療・介護・健康データ利活用モデル(PHR)

働き方

①テレワーク

防災

①Lアラート、②G空間募債システム

農林水産業

①スマート農業・林業・漁業モデル

地域ビジネス

①地域ビジネス活性化モデル、②マイキープラットフォーム

観光

①観光クラウド、②おもてなしクラウド。③多言語音声翻訳

IoT基盤

①利活用ルール、②セキュリティ、③テストヘッド、④ネットワーク

二つ目の特徴としては「KPI」設定と具体的な工程の提示があります。KPIとはKey Performance Indicatorで日本語にすると「重要業績評価指標」ということになりますが、ここでは2020年までに達成すべき指標ということです。具体的には次のような達成すべき指標を挙げています。

教育

①クラウド上の教材等を円滑に利活用可能な学校: 100%
②クラウド上の教材や地域の人材を活用したプログラミング教育を実施可能な学校: 100%

医療・介護・健康

①EHR:実装医療圏数15程度(~2017)~順次拡大、患者数人口の5%
②PHR:実装主体数80団体、利用者数30万人

働き方

①都市部・地域を併せたテレワーク導入企業数3倍(2012年度比)、雇用型在宅型テレワーカー数10%以上
②ふるさとテレワーク拠点整備箇所数:23箇所(2016年度末見込み)→100箇所、地域における雇用創出:1,600人

防災

①Lアラートの運用都道府県数: 41(2016年10月末現在)→全都道府県(2018年度末目途)、Lアラートの情報伝達者数: 632者(2016年10月末現在)→1,000者、Lアラートの高度化システム(地図化等による災害情報の視覚化)の実装都道府県数: 15都道府県(全都道府県の約1/3)
②G空間防災システム実装自治体数:12(2016年10月時点)→100

農林水産業

①スマート農業・林業・漁業モデル実装地域300地域

地域ビジネス

①地域で活動する企業におけるICT端末・サービスの利活用状況を全国区に展開する企業と同程度まで引き上げ
②ポイント導入自治体数1,303団体

観光

①観光クラウドのシステム実装団体数:48団体(2016年10月時点)→150団体
②実証実験の結果を踏まえ検討
③翻訳システム導入機関数:100

IoT基盤

①データ利活用の促進等のために明確化するルールの数:20、参照モデルの実装数:50
②演習受講者数年間3,000人以上
③テストベッド整備数10・利用者数100
④公共的な防災拠点等におけるwi-fi環境について、推計29,000箇所、世界に先駆け5G実現

三つめの特徴としては地域の将来像及び経済効果を提示していることが挙げられます。
経済効果については「地域実装がもたらす効果」と「ICT分野に及ぼす効果」に分け、さらに「地域実装がもたらす効果」については経済波及効果と雇用創出効果、「ICT分野に及ぼす効果」はICT投資増加額とICT雇用創出効果に分けて示しています。(下図参照)

chiikiiot_001_r(地域IoT実装推進ロードマップについてhttp://www.soumu.go.jp/main_content/000453148.pdf より)

このように示された「地域IoT分野別モデル」が確実に実装されていくために、総務省が早急に推進すべきことがらについて、同時に公表された「ロードマップの実現に向けた第一次提言」の中で3つ示されています。

一つ目は「各分野の機運を高める縦の糸(関係する府省、団体等を中心とした推進体制を確立)」、二つ目は「地域間の協奏を進める横の糸(官民連携の全国ネットワークと地方自治体間の情報連携体制を構築)」、三つ目は「分野横断的に地域を紡ぐ斜めの糸(地方自治体、関係団体、民間企業、大学、市民・NPO 等の民産学官の緊密な連携を実現する体制を確立)」です。

そして提言では、ロードマップを円滑に実現するための基盤となる地域における自律的実装、ICT人材の確保、地域資源の有効活用について、検討を加速し、速やかに具体化を図るべきとしています。

(参考資料)
(ロードマップの実現に向けた第一次提言 平成28年12月8日 地域IoT 実装推進タスクフォースhttp://www.soumu.go.jp/main_content/000453154.pdf
(地域IoT実装推進ロードマップhttp://www.soumu.go.jp/main_content/000453151.pdf
(地域IoT実装推進ロードマップについてhttp://www.soumu.go.jp/main_content/000453148.pdf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です