医療専用のID

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医療分野における番号制度

厚生省の有識者会議「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」が、医療機関が診療の履歴など患者の情報を共有できるようにするために国民一人一人に新たなIDを割り当て、マイナンバー制度のインフラの一部を活用して専用のネットワークを構築するとした報告書をまとめ、近いうちに厚生労働省に報告書が示されるもようです。報告書案は18ページからなり、厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-jyouhouseisaku.html?tid=197584)からダウンロードすることができます。

報告書案は、2015年6月30日に閣議決定した『「日本再興戦略」改訂 2015ー未来への投資・生産性革命ー』を受けて、有識者会議が検討してきた結果をとりまとめた形になっていますが、さらに元をたどれば2014年の6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2014」にさかのぼります。

日本再興戦略と医療分野における番号制度

日本再興戦略改訂2014で、「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会において、医療分野における番号の必要性や具体的な利活用場面に関する検討を行い、年内に一定の結論を得る」とされ、これを受けて、有識者会議は2014年12月に「中間のまとめ」として報告書が提出しました。この中間のまとめをもとに2015年6月30日、『「日本再興戦略」改訂 2015 ー未来への投資・生産性革命ー』の中で、マイナンバー制度のインフラを活用した医療分野における番号制度の導入が閣議決定されました。

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(医療等分野におけるICT化の推進について平成27年5月29日厚生労働省 より)

具体的には、2017年7月以降早期に医療保険のオンライ ン資格確認システムを整備し、医療機関の窓口において個人番号カードを健康保険証として利用することを可能とし、医療等分野の情報連携の共通基盤を構築、また、医療等分野における番号の具体的制度設計や、固有の番号が付された個人情報取扱いルールについて検討を行い、2018年度からオンライン資格確認の基盤も活用して医療等分野における番号の段階的運用を開始し、2020 年までに本格運用を目指すというものでした。

この閣議決定を受けて、具体的な制度設計や運用方法などを盛り込んだものが今回報道された報告書案になります。

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(医療等分野の情報連携に用いる識別子(ID)の体系に関する参考資料 より)

医療IDの具体的使用方法

具体的には、国民にID番号(地域医療連携用ID)を割り当て、そのIDで病気の治療の履歴、薬の処方の履歴などを管理し、それを医療機関が共有できるようにマイナンバー制度の一部を活用して専用のネットワークを構築しようというわけです。実際には患者が病院へ行くと、マイナンバー制度で交付される個人番号カードを提示します。そうすると、病院はネットワーク内にある患者の情報が閲覧できるようになります。ですので、患者が病院を変更した場合であってもそれまでの履歴が分かりますので、継続的な診療・治療や薬の処方が可能になります。

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(医療等分野におけるICT化の推進について平成27年5月29日厚生労働省 より)

なお、使用されるIDは、安全性や効率性などの面から「見える番号」ではなく、電磁的な符号(見えない番号)を識別子に用いて、人の手を介さずにシステム間で連携するようになります。電磁的な符号(見えない番号)とした場合、IDの書き取りや人の手を介在することがないことや、患者自身がⅠDの文字列を知ることもないので、患者が他者からIDの告知を求められるおそれがなく、人が故意に漏えいさせる危険性も相当程度小さいことなどが報告書に書かれています。

 

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