リープフロッグ

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リープフロッグって何?

リープフロッグ(leapfrog)のleapは飛び跳ねるfrogはカエルという意味があります。ですから「蛙跳び」となりますが、ここでは追い抜く、一足飛びといった意味で、例えば新興国が先進国のような段階的な発展を経ないで、途中の段階を飛び越して一足飛びに最新のテクノロジーやサービスが広がる現象のことを指して使われます。

リープフロッグの事例

リープフロッグ例としてよく出されるのは電話です。先進国では固定電話、携帯電話、スマートフォンという順番で発展してきました。その他にもポケベルやPHSなども携帯電話の普及前にありました。しかし、新興国ではこうした順番を経ずにいきなりスマートフォンが普及しました。スマートフォンの普及に伴って様々なサービスも一気に広がりました。

〇 中国

例えば中国では、日本や欧米諸国ほどに固定電話やパソコンが普及せずに一足飛びにスマートフォンが普及しました。また、クレジットカードも申請が難しいことや手数料が高いなどの理由から普及しませんでした(デビッドカードはそこそこ普及していたようですが‥)。さらには偽札が横行するという事情もあって、モバイル決済が急速に広がっていきました。バス、電車、タクシーのみならず屋台での買い物もQRコードのモバイル決済になっています。ホームレスに寄付するのもスマホでするといいます。

モバイル決済の普及に伴って新しいサービスも生まれてきました。 例えば、ライドシェアリングやバイクシェアリングなどがそうですし、保険会社「平安保険」の「Ping An Good Doctor」というアプリは、医師と連携してユーザーが症状を伝えると数分で診断するというものです。病院の予約薬の購入もできます。

〇 インド

インドでは2014年8月に策定された「デジタル・インディア計画」を推進しています。その中の取組みの一つに国民ID番号の導入があります。Aadhaar(アドハー)プログラムあるいはプロジェクトと呼ばれています。12桁の固有番号となっており、各個人の氏名、生年月日、性別、住所のほかに、顔写真、十本の指の指紋、虹彩といった生体情報が中央のデータベースに登録され、世界最大の生体認証プラットフォームが構築されています。ちなみにこの「Aadhaar(アドハー)プロジェクトには日本のNECが生体認証システムを提供しているとのことです。

さらに2016年からは国民の住所、雇用記録、医療記録さらには納税や銀行取引などのデータを共有する「インディア・スタック」というネットワークシステムが始まりました。そして、こうした取り組みによってインドも中国のようにキャッシュレス社会へと進んでいます。ワン97コミュニケーションズが運営する電子決済サービスPayTM(ペイティーエム)もその一つで、インドの電子決済市場の54%のシェアを占め散るそうです。PayTM はPay through Mobile(モバイルで決済)」の略です。

〇 ルワンダ

アフリカのルワンダでは、医療物資をドローンで輸送するサービスが始まっています。カリフォルニアを拠点とするドローン医療スタートアップであるZiplineが行っています。車で4時間かかるところもドローンなら15分で届けることができるそうです。今は輸血用の血液の配送サービスを行っているようです。また、ルワンダ以外のアフリカの国やアメリカへの逆輸入も進められているとのことです。

〇 マレーシア

マレーシアでは、タクシー配車アプリ企業のGrab(旧MyTeksi)が有名です。東南アジア8カ国で事業を行っています。Uberのようなスマートフォンのアプリを使った配車サービスです。乗降場所を入力すると運転手に通知され迎えに来てくれます。運賃は前もって表示されます。車よりも小回りの利く二輪車でのサービスもあるそうです。

リバースイノベーション

リープフロッグとともにリバースイノベーションが注目されています。リバースイノベーションとは、従来のイノベーションの流れと逆(reverse)であることからつけられたもので、「リバース・イノベーション」という本の著者であるダートマス大学のビジャイ・ゴビンダラジャン教授やクリス・トリンブル教授が中心となって、2009年頃に打ち出してきた概念、あるいはGEの会長兼CEOのジェフリー・イメルト氏が打ち出した概念とも言われています。

これまでの「先進国で起きたイノベーションが新興国に普及する」という流れに対して、途上国で開発されたイノベーションが、川上に向かって逆流するように先進国を含む世界に普及していくというイノベーションの形態を指しています。

欧米企業等では、「新興国から発想したイノベーション」に取り組みはじめており、事例としてよく取り上げられるものにGEによる携帯型心電計があります。GEの技術をもとにインドの訴状を意識して開発されたもので、小型・軽量化、低価格化がなされた製品になっています。それが世界各地で販売されるという流れを生み出しています。

ジュガードイノベーション

リバースイノベーションのように新興国で起きるイノベーションの圭太です。「ジュガード(Jugaad)」とは、ヒンズー語で「間に合わせ」という意味で、ここでは独創性と希少なリソースを使って生まれた即興の解決策を意味するのだそうです。経済産業省の「平成25年度アジア産業基盤強化等事業 (国内外企業の新興国市場獲得の実態に係る調査)新興国イノベーション研究会 報告書2014年2月28日」には、ジュガードイノベーションについて

新興国特有の市場環境・ニーズに対応する中で限られた資源を利用して開発された製品・サービス

(http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2014fy/E003803.pdf より)

とあります。これが、先進国に逆流し、全く新しい市場を形成するといったこと(リバースイノベーション)もあるわけです。

「Jugaad Innovation: Think Frugal, Be Flexible, Generate Breakthrough Growth」という本が出されており、本の中では3M、GE、Siemens、Renault-Nissan、IBM、Googleなどの企業は、ジュガード(Jugaad)を使用して画期的な成長を実現しているとしています。そしてジュガード(Jugaad)の基本原則として「逆境で機械を求める」「よりすくないものでより多くを実現する」「柔軟に考え、行動する」「シンプルを保つ」「末端層を取り込む」「自分の直観に従う」という6つの指針を示しています。

(参考資料)

・東レ経営研究所「TBR産業経済の論点」No.18-02 2018年2月22日「2018年の日本産業を読み解く10のキーワード」http://www.tbr.co.jp/pdf/report/eco_g057.pdf

・お金が消える?「電子マネーで世界最先端を走る中国、日本の対応と現状、未来」2,017年8月http://www3.boj.or.jp/sendai/sitentyou/_userdata/soejima3.pdf

・野村証券「Nomura Fund 21」vol.127 2018.6-7 https://www.nomura.co.jp/market/report/nomurafund21/pdf/nf21_vol127.pdf

 

 

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