ペットとIoT

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ペット市場

‹ 矢野経済研究所の2014年の「ペットビジネスに関する調査結果」を見ると、その市場規模はおよそ1兆4,400億円となっています。数字だけではその市場規模の大きさが分かりませんが、財団法人社会経済生産性本部の「レジャー白書」による平成26年の旅館(ホテルを除く)の市場規模が1兆4,200億円、出版科学研究所の調査による2014年の出版物の推計販売額が1兆6065億円、前述の矢野経済研究所の2015年のスポーツ用品国内市場規模調査が約1兆4,000億円となっており、ペット市場と同規模です。こう見るとかなり大きな市場であることが分かります。

また、少々古い資料ですが、一般社団法人ペットフード協会の「全国犬・猫飼育実態調査」では、犬猫を合わせた飼育数が2,061万5千匹で、総務省統計局データによる15歳未満の子供の数は1,643万6千人となっています。これだけでも犬猫の方が子供の数より多いのですが、これに熱帯魚や爬虫類などのペットも加えると、ペットの方が断然多くなります。

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(http://www.yano.co.jp/press/pdf/1350.pdf より)

今、こうした大きな市場がIoTの対象分野として注目されているようです。IoTならぬIoA(Internet of Animals)とうたっているところあります。

ペットとIoT

ペット市場でのIoTとしては、犬や猫の首にICタグを取り付けてスマホなどで監視したり、熱帯業の温度管理したりといった他に、GPSセンサーによる位置確認やカメラを使って離れたところから様子を見たり、ペットがどんな気分なのかを予測・分析したり、熱中症予知やカロリー計算などの健康管理をしたりと様々なものが考案されています。

IoT分野からペットが注目される背景としては、少子高齢化や核家族の進展で高齢者がペットを家族の一員として迎え入れる状況や単身世帯のペット保有者の増加、さらに、ペットの出入りや宿泊可能なマンションやホテルの増加など、いわばペットの市民権の拡大が様々な需要を生み出しているところにあるように思います。こうしたペットの飼いやすい環境は、高額なペットの購入にもつながり、そのことがペットの盗難や健康への気遣いとなって、さらにIoTのニーズを高めているようにも思います。

ペット用IoT製品

様々なペット用の製品がすでに商品として出ています。また、クラウドファンティングで資金を調達して製品化を目指しているものも多数あるようです。そんな中からいくつか紹介します。

anicall(アニコール)

ペットに加速度センサーや温度センサーを内蔵した首輪型デバイスを装着し、位置情報や気持ち、健康状態をBluetooth経由で専用アプリに送信、アプリは情報をクラウド上に送信・解析してその結果を専用アプリに表示するというものです。また、散歩中にすれ違ったペットの情報を検知し、足跡として登録してくれる機能も持っているそうです。現在、ペットの位置情報を取得する「つながるコル」が発売されており、3月末には行動解析で気持ちを知らせる「しらせるアム」が発売されます。「しらせるアム」はテレビでも紹介され、話題となっていました。4月には離れたところからでも心拍や呼吸数を測定する「みまもるヴォル」が発売されます。

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(http://www.anicall.info/cn3/works.html より)

CatFi

猫用の自動給餌器で、インターネットを介して猫の顔認識や健康管理ができます。CatFiは内部のカメラで猫の顔認証をして、登録された猫に合わせた最適の量のご飯を提供します。食べている様子は、スマートフォン等で見ることができます。CatFiに猫が乗ったときに自動的に体重を計測して食事量などを記録します。

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(https://twitter.com/catfiofficial より)

Fishbit

水槽の管理を外出先からリモートで行えるデバイスで、水槽に入れるモニター、器具を接続するコントローラーの2種のハードウェアと、アプリからなります。デバイスを水槽に沈めておくだけで、水槽内のpH、塩分濃度、水温などをスマートフォンに自動送信します。また、Fishbitを照明やポンプ、ヒーターとWifiやBluetoothにより接続することで、どこからでもスマートフォンを通してそれらの装置を操作することが可能になります。

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(https://getfishbit.com/ より)

ヒューマンビジョンコンポ 家族目線

オムロンが2015年9月に発売した表情や性別、年齢、視線、ジェスチャーなどの人の状態を認識し、その結果を無線でスマートフォンやタブレットへ送信してアプリで簡単に操作できる手のひらサイズのネットワークカメラセンサです。画像センシング技術「OKAO Vision」を活用することで、人・ペットの動きや表情の変化を検出し、Wi-Fi経由でアプリに通知します。専用アプリとして、赤ちゃんを見守る「家族目線 赤ちゃん」と、ペットを見守る「家族目線 ペット」が公開されています。家族目線 ペット」には、ペットの動いた領域をグラフィック表示する機能が備わっています。今後は高齢者や子ども、留守宅を見守る「家族目線 おるすばん」を公開予定になっています。

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(http://plus-sensing.omron.co.jp/kazoku-mesen/app/index.html#app_pet より)

Connected Collar

アメリカの犬用グッズメーカーのDogTelligentが開発した首輪型デバイスで、GPS、3G、WiFi、速度計、体温計、LEDライト、超音波スピーカー、マイクといった機能から、実際にリードがなくとも犬を制御できるバーチャル・リードとバーチャル・フェンスという技術も搭載されており、犬に痛みを与えることなく制御できるそうです。スマートフォンアプリと連動し、犬のしつけや安全管理に使うほか、犬が過度に吠える場合、超音波を発して注意を促したり、飼い主がアプリから本体を振動させ、ホイッスル代わりに使うといったことや、散歩中に犬と飼い主の距離が一定以上になると、飼い主のスマートフォンに通知されるといった盛りだくさんの機能があります。

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(http://www.dogtelligent.com/ より)

Nuzzle

GPSロガーが付き首輪アタッチメントによって、ペットの睡眠や移動、活動の活発さなどを記録し、連日の行動がグラフ化されます。首輪型なので、犬だけでなくネコに付けることも可能です。

また、GPSロガーによって専用のスマートフォン用アプリを通じて移動ルートが把握できます。Bluetooth連動することでスマートフォンの圏内からペットが離れるとアラートしてくれる機能もあります。内蔵バッテリーの持ちは約5日間とのことで、製品には2つのバッテリーが付属しています。

残念ながら、今のところ、米国限定での販売です。

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(http://hellonuzzle.com/index.html より)

Wonderwoof’s Bow Tie

犬の首輪型のウェアラブルデバイスで、犬の健康状態、居場所、様子、動向等をBluetoothを通じスマートフォンのアプリで管理します。犬の健康状態は数値化され、その健康状態から、自分の犬の食事メニューやトレーニングプランなどをアプリで設定することができます。

ソーシャルツールの機能もあり、デバイスをつけている近隣のペット同士がアプリ上で表示されます。これによって犬同士及び飼い主同士のコミュニケーションが期待されているようです。

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(https://www.wonderwoof.com/ より)

ProBowl

スマートフォンとWi-Fiで連携し、犬の餌と水の量を管理する餌ボウルです、スマートフォンのアプリで犬と与える餌の情報を入力すると、餌の適量を指示してくれます。餌の推奨値は、犬の成長に応じて自動的に変化するそうです。また、ProBowlの下の部分が緑や赤に光ることで、餌を与える時間や犬が満足したかどうかが分かるようになっています。

犬が食事(餌と水分の量)量を毎回記録し、異変があると飼い主に通知する機能もあります。また、餌の残量を管理して自動的に注文する機能も備えているとのことです。Indiegogoでの目標金額は5万ドルとなっていますが、すでに目標金額を超えているようです。

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(https://www.indiegogo.com/projects/probowl-smart-dog-bowl-and-app#/ より)

 

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