ヒアラブル
ヒアラブル(hearable)は 2016年後半からポストスマホあるいはウェアラブルの次のトレンドとして、注目されてきています。ヒアラブルデバイスは耳に装着する小型デバイスを指しますが、音楽を聴くだけでなく、ハンズフリー通話、生体情報のモニタリング、ナビゲーション、同時通訳などの機能が付加され、音声技術やAI技術を駆使したノールックAI家電とかイヤホン型コンピュータとも評されています。耳に装着し両手が自由になることから、生産現場や物流現場などビジネスでの活用が期待されているようです。
ヒアラブルの機能と活用
2016年11月のWiFore Wireless Consultingのレポートでは、ヒアラブルの購入としては、最初のうちは音楽の再生を目的としているが、アプリケーションの品質の向上とともに購入の選択はデバイスの他の機能に基づいて行われるようになるとしています。
(WiFore Wireless Consulting 「The Market for Hearable Devices 2016-2020」 http://www.nickhunn.com/wp-content/uploads/downloads/2016/11/The-Market-for-Hearable-Devices-2016-2020.pdf より)
上の図では、音楽再生の他に「internet of voice」「オーディオキュレーション」「モニタリング(バイオメトリックス)」「アクティブプロテクション」「拡張聴覚」「補聴器」などの6つ機能を挙げています。
それらはさらに、例えば「internet of voice」では音声認識やスマートホームコントロール、翻訳など、「モニタリング(バイオメトリック)」では、アスリートや医療などの機能を挙げています。
具体的には、心拍や呼吸などの体内音もクリアに得られので、身体状況やストレス状況を測るという活用や耳の中の音の反響音が個人ごとに特徴を示すことを利用した常時認証による不正防止、さらにヒアアラブルにはスマートフォンに搭載されているような9軸センサー(加速度センサー×3、ジャイロセンサー×3、地磁気センサー(電子コンパス)×3)も搭載可能であることから、それを活用して移動情報、姿勢などの検出によるパーソナルナビゲーションや見守り、ヘルスケアなどの活用、さらに、コンサート会場などでの入退場管理、従業員の動態把握による安全管理や作業合理化などへの活用も考えられているようです。
(NEC「ヒアラブルデバイス向けWeb API群の紹介」 http://jpn.nec.com/nsp/hearable/index01.html より)
ヒアラブルの市場規模
前述のWiFore Wireless Consultingのレポートによれば、。ワイヤレスヘッドホンなどを含むヒアラブル端末製品市場全体は、2020年には2016年の約4倍の約5兆円まで拡大するという予測をしています。
(WiFore Wireless Consulting 「The Market for Hearable Devices 2016-2020」 http://www.nickhunn.com/wp-content/uploads/downloads/2016/11/The-Market-for-Hearable-Devices-2016-2020.pdf より)
株式会社AQU先端テクノロジー総研の調査報告書「AIスピーカー及び、ヒアラブル端末の市場動向、市場予測に関する調査」(2017年8月)では、およそ4人に一人が「ヒアラブル端末欲しい」というこたえており、こうした強い需要によって2017年の180億ドル規模が2022年には450億ドル規模に達する見ているようです。
(AQU先端テクノロジー総研 《ニュースリリース》 2017/8/14 http://www.aqu.com/aqu-news/2017-8-14.pdf より)