サーキュラーエコノミー

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いろいろなエコノミー

「〇〇〇エコノミー」という言葉がよく耳にします。古いところでは「デジタルエコノミー(Digital economy)」という言葉があります。情報処理技術によって生み出された経済現象を指す言葉で、今ならIoTやAIなどによって生み出される新しいデジタル産業・サービスなど非常に広い範囲を指し示す言葉のようです。

近年よく耳にするのは「シェアリングエコノミー(Sharing economy)」です。明確な定義はありませんが、「モノ」や「サービス」などの遊休資産をインターネット上の取引のプラットフォームを介して交換・共有する経済活動です。レンタルやリースとの大きな違いは専門業者対個人の取引ではなく、個人対個人の取引が基本となっていることです。

ギグエコノミー(Gig Economy)」という言葉があります。インターネットを通じて単発で仕事を請け負う就業形態によって成り立つ経済です。

「バイオエコノミー(Bioeconomy)」は、経済産業省の「60秒解説」では「バイオテクノロジーが生産などに貢献する市場」としています。バイオマスやバイオテクノロジーを活用して、気候変動や食糧問題といった地球規模の課題を解決し、地球の持続性を保ちながら経済成長を目指す経済です。脱化石資源による経済活動とも言えます。

「バイオエコノミー」に似た言葉に「グリーンエコノミー(Green Economy)」があります。国連環境計画の定義では「資源・環境・生態系を維持しつつ、経済を成長させ。生活の質や貧困問題を解決するための経済の在り方」としています。

新しいところでは「トークンエコノミー(Token Economy)」、「APIエコノミー」があります。「トークンエコノミー(Token Economy)」は、ビットコインやイーサリアムなどの既存のブロックチェーンを利用して発行されるトークンが流通することによって生まれ経済圏です。「APIエコノミー」は、API(Application Programing Interface)を通じて、既存のサービスやデータをつなぐAPI連携によって、新たなビジネスや価値を生み出す仕組みです。

サーキュラーエコノミー

2014年ころからヨーロッパで提唱されてきたものに「サーキュラーエコノミー(Circular Economy)」があります。日本語では「循環型経済」と言われています。経済産業省「3R政策」には次のように記されています。

CE (Circular Economy)とは、貴重な資源の有効利用と再使用・再生利用等の一層の推進による資源の損失の防止、資源の再生利用等の方向性に基づいた新しいビジネスモデルの構築、雇用の創出と経済成長、環境配慮型の製品設計と産業振興の相互協力を通じた廃棄物ゼロの実現、温室効果ガスと環境への負の影響の削減等を包含する考え方。

(経済産業省「3R政策」 http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/oversea/index.html より)

また、経済産業省「産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会(第32回)」の資料ではサーキュラーエコノミーについて次のように説明しています。

従来の資源を消費して廃棄するという一方向の経済に対して、消費された資源を回 収し再生・再利用し続けることで、資源制約からデカップリングされた経済成長を実現する新たな経済モデル

(資源循環政策を巡る最近の動きについて 平成30年2月13日 経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/sangyougijutsu/haiki_recycle/pdf/032_05_00.pdf より)

エレン・マッカーサー財団は次のようなサーキュラーエコノミーの概念図を示しています。

circular_economy_001_R(Towards the Circular Economy: Accelerating the scale-up across global supply chains  http://www3.weforum.org/docs/WEF_ENV_TowardsCircularEconomy_Report_2014.pdf より)

サーキュラーエコノミーとIoT

サーキュラーエコノミー の背景にIoTなどのテクノロジーの進化があるといわれています。例えば、あらゆるものがインターネットに接続されることによって資産の場所や状況がリアルタイムで可視化され、資源の利用効率や再利用率を最大限に高めることが可能になります。また、機械の稼働データを分析して、メンテナンスの予兆の検知モデルを確立することで長寿命化につながります。2016年に発表された世界経済フォーラムとエレン・マッカーサー財団の「Intelligent Assets: Unlocking the circular economy potential」では、インテリジェントデバイスによって生成された情報と循環型経済の原則が合わさることで多くのイノベーションの肥沃な基盤が生まれ、広範な社会的恩恵を生み出すことが可能だと述べています。

経済産業省平成27年度地球温暖化問題等対策調査「IoT活用による資源循環政策・関連産業の高度化・効率化基礎調査事業調査報告書」(平成28年3月アクセンチュア株式会社)では、サーキュラーエコノミーを実現するテクノロジーとして、大きく「製造・リサイクル技術」と「IoT」2つに分け、前者の具体的な技術としては「モジュラー・デザイン」「高度リサイクル・テクノロジー」「ライフ&マテリアル・サイエンス・テクノロジー」「トレース&リターン・システム」「3Dプリンター」の5つ、IoTとしては、「モバイル」「M2Mコミュニケーション」「クラウド・コンピューティング」「ソーシャル」「ビッグデータ・アナリティクス」の5つを挙げています。

また、2030年までにサーキュラーエコノミーにより産み出される経済効果は4兆5000億ドルと見込んでいます、内訳は、再生可能エネルギー、バイオ燃料、バイオ素材の導入が1兆7000億ドル、アップサイクル、リサイクル、部品回収、エネルギー回収が1兆3000億ドル、「シェア」等の遊休資産の活用が6000億ドル、メンテナンス、修理、回収、再加工を活用した中古品市場が9000億ドルとなっています。

 

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