ポリモルフィック・ネットワーキング

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ポリモルフィック・ネットワーキング

あまり聞きなれないことばですが、ポリモルフィックとは日本語では「多形構造」と表しています。ポリ(poly-)は「複数の」や「多くの」という意味で、モルフィック(morphic)は「~の形状」や「~の構造」という意味があります。

2016年3月18日に国際社会経済研究所が「IoTの新地平~日本が勝ち抜くための新戦略」というシンポジウムを開催した際に、当研究所の松永統行主任研究員が「構造概念」として「ポリモルフィック・ネットワーキング」を提唱されたのが最初のようです。

松永氏は、ポリモルフィック(多形構造)を「システムの要素の一部もしくはすべてが、自律的な構造変化を促しながら環境に適応していく構造」と定義しておられます。そのうえでポリモルフィックネットワーキングは「システムの構造が変化するための要素間のつながりが形成される振る舞いの総称」としておられます。そして、この概念を「通信技術を超えて社会的な課題にも対応できる構造概念」であり、インターネットの次の変化をポリモルフィックネットワーキングだとしておられます。

「構造概念」というのも分かりにくい言葉です。松永氏の説明では、モノゴトの現象には何らかの構造が存在しており、その構造の理解や制御のための方法論のことを構造概念と呼ぶそうです。例えば、インターネットにおいては、知識の獲得、コミュニケーション、消費や取引は、インターネットの構造の上で作り出されています。一方で、セキュリティやプライバシーの問題等もインターネットの構造が本質的に抱える避けることのできない問題です。こうしたことを理解するための方法論ということなのでしょうか?

プラットフォームの知能化

これまでの社会インフラが持つ仕組みは供給型で、大量生産大量消費のように一様な形で提供される「作られたプラットフォーム」であり、こうした構造は「モノモルフィック(単形構造)」であるのに対して、「ポリモルフィック(多形構造)」は、場所、時、状況に合わせてしなやかに適応していく柔軟な構造です。

インターネットの「次の仕組み」が作る近未来は、情報を共有することから価値生むインターネット社会から、局所最適化のために自律分散的な価値を創り出す多形構造社会の構築へ、単一な構造の供給型プラットフォームから、多形で柔軟な構造を持つ知能化したプラットフォームの進展へとシステムそのものが構造を変え環境に適応していくポリモルフィック型のシステムが台頭するとしています。

さらにプラットフォームの知能化は、暮らし方や働き方を多様化させ、互恵性を規範とするエシカルなコミュニティを支える仕組みをも手に入れることを可能にするが、そのためには知能化するプラットフォームのデザインが重要になってくるとしています。

いずれにしても分かりにくい概念ですが、UBER(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー)のようなSNS上のアルゴリズムが社会インフラになりつつある現実やシェアという経済概念の中にポリモルフィック・ネットワーキングの兆候が見て取れるようです。

polymorphic_001_r(知能化するプラットフォーム IoTの未来へ 2016年3月18日 国際社会経済研究所 松永 統行 より)

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