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midata

midataは、イギリスのビジネス・イノベーション・技能省(BIS: Department for Business, Innovation and Skills)(※1)が中心となって進めるプロジェクトで、消費者に関するデータを保有する企業に、データの本人に公開しなおすことを促進する取り組みです。エネルギー、小売り、携帯電話、金融の各部門 の主要企業が参加し、データの管理・活用はBISが主導し、消費者団体と先進企業が協力して進めています。

プロジェクトは2011年に始まり、2013年にはこれを発展させ、民間企業が所有している消費者に関するデータを開放し、革新的な新サービスを生み出すプロジェクト、midata innovation lab(miL)が始まりました。miL では 企業が個人データを収集する従来のレコメンドサービスなどと異なり、消費者が自らのデータを提供してサービスを受けるというものです。実証実験では1,000人の消費者がボランティアとして個人情報を提供し、そのデータはPersonal Data Store(PDS)というオンラインで管理するためのストレージで管理され、消費者データには設立パートナーだけがアクセスすることができます。パーソナルデータを活用した新しいサービスを生みだそうという革新的な実証実験で、食品の購入履歴から自分専用のダイエットメニューをアドバイスしてもらうサービス、自分が住んでいる地域の平均的な電気料金と比較しエネルギープランの適正化を図るサービス、MI Relative Calm (高齢者の見守り; 寝起き、室温、消費など生活全般) 、MI Health (健康増進) などのアプリケーションの開発がされて来たようですが実用的なものが少なかったようです。

そんな中で、昨年始まった金融サービス比較サイトGocompare.comは期待されているようです。midataを活用したリコメンドサービスで、消費者は自分の12ヶ月分の取引履歴データをダウンロードしたうえで、Gocompareのmidata活用サービスでそのデータをアップロードし、データに基づいた最適なサービスを提供してもらうというものです。
Midataによく似た取り組みにはアメリカのMyDataやフランスのMesInfosなどがあります。

(※1)2009年に英国イノベーション・大学・技能省(DIUS)とビジネス・企業・規制改革省(BERR)が統合した新たに設立された省庁です。起業力、有能な人材、イノベーション、世界クラスの科学研究の奨励に向けた規制環境の施策を一体的に行いイギリスの競争力を高めることを役割としています。

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(資料4-1 データの利活用等に関する制度・ルールについて平成28年3月経済産業政策局http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/007_04_01.pdf より)

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(消費データの戦略的活用の促進に関する調査 報告書 (概要版) 2014.03 株式会社三菱総合研究所http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2014fy/000949.pdf より)

情報銀行

midataとよく似た仕組みに「情報銀行」があります。2013年に東京大学、慶応大学が中心となってインフォメーションバンクコンソーシアムを設立し、産学連携で構築中です。ホームページには「情報銀行は、パーソナル情報を取り扱うHUBとなり、安全にそして安心してパーソナル情報を預け、それらを活用する試みです」とあります。
仕組みとすれば、通常の銀行がお金を預かり企業に融資するように、情報銀行では、お金の代わりに情報を預かり企業に情報を貸し出すととらえることができます。情報銀行で預かる情報は、個人のネットショッピングでの購入履歴やクレジットカードの利用履歴などです。もちろんデータが不正に利用されたりプライバシーが侵害されたりすることのないように厳重に監視されます。預かった情報は企業に提供されますが、返済能力や担保の審査のように情報活用の活用目的や情報活用の能力などを審査します。
個人と企業が安心してパーソナル情報を扱える環境を作り出し、従来はなかったサービスを開発していこうというという狙いがあるようです。

PDS

Midataも情報銀行もPDS(Personal Data Store)と呼ばれるものです。個人が自己のデータ(個人情報、購買履歴、SNSなど)を管理し、自らの意思に基づいて他者と共有して活用・流通させるシステムです。いわばデータの管理・利活用を企業主体から消費者主体へと移行させるビジネスモデルと言えます。
こうしたことによって、例えば、患者やその家族がスマートフォンを使って介護記録を管理したり、自分の医療データを別の医療機関に開示することで検査や医療処置の重複、処置の矛盾を防ぐとともに、自分にあった医療機関を選ぶいうようなことが可能になってきます。

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(消費データの戦略的活用の促進に関する調査 報告書 (概要版) 2014.03 株式会社三菱総合研究所http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2014fy/000949.pdf より)

経済産業省の産業構造審議会中間整理の中でも、我が国の具体的戦略として「個人データの利活用の促進」をあげ、「本人の関与の下で、個人に関するデータを預かり、一元的に集約した上で、様々な事業者に対してデータを提供する機関の整備等」について述べており、イギリスのmidataに似た仕組みが整えられてくるのではないかと予想されます。

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