ビッグデータとインバウンドビジネス

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ビッグデータとインバウンドビジネス

東京オリンピックに向けて、ますます外国人観光客の増加が予想されています。今、こうした外国人観光客の動向をデータ分析からビジネスや地域活性化に生かそうという試みが注目されています。ビッグデータとインバウンドビジネスついて紹介します。

Big Data Analysis Contest(IoT推進ラボ)

経済産業省と総務省が設立した「IoT推進コンソーシアム」の中の「先進的モデル事業推進ワーキンググループ(IoT推進ラボ)」が、2016年1月28日(木)に「第1回IoT Lab Connection」を開催するとのことです。

iotrabo_001_R (http://www.iotac.jp/ より)

このイベントの目的は、「IoT推進ラボの会員企業同士による企業連携・案件組成(Solution Matching)」と「関連するビッグデータのアルゴリズム開発や人材発掘のためのビッグデータ分析コンテスト(Big Data Analysis Contest)」となっています。後者の「Big Data Analysis Contest」は、企業等から提供されたビッグデータとそれを活用したデータ分析課題をもとに、アルゴリズムの開発競争をオンラインで実施するもので、優秀なデータサイエンティストの発掘や人材育成効果を期待しているようです。

今回は「観光」をテーマに過去の観光客宿泊数実績データ・SNSデータ・気象データ・為替データを中心に、総合部門、地域部門、交通部門、インバウンド(※1)部門の分析コンテストを行います。予測精度(定量評価)とモデリングのアイデア(定性評価)の観点から評価をして、優秀者はIoT Lab Connectionにおいて表彰するというものです。コンテスト応募受付期間は12月15日(火)~1月15日(金)です。

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(https://iot.datasciencelab.jp/#/hightlights より)

(※1)インバウンド(inbound)とは、外から入ってくる旅行で訪日外国人旅行を指します。それに足して海外旅行はアウトバウンド(outbound)と言います。

RESAS観光マップのインバウンド分析機能の拡充

ビッグデータの観光ビジネスへの利用としては、RESAS(リーサス:地域経済分析システム)もその一つと言えるのではないでしょうか。RESASですが、2015年12月18日から、新規追加や機能拡充が図られ、一段とパワーアップしました。

「観光マップ」では、特にインバウンド分析のための機能が拡充されました。

「目的地分析」

経路検索アプリのデータに基づき、観光施設の検索回数をマップやランキングで表示し、その地域における観光施設の人気度を把握できます。)、

「外国人消費花火図」

クレジットカードのデータに基づき、訪日外国人のカード消費額を国籍別・部門別に表示し、地域における訪日外国人の消費行動を把握できます。

「外国人消費分析」

上記のカード消費額に加え、取引件数や取引単価をマップやグラフに表示することで、地域における訪日外国人の消費額や消費単価を把握できます。

(地域経済分析システム(RESAS)第Ⅱ期開発 の2次リリースについて 平成27年12月15日 内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局 内閣府 地方創生推進室 より)

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 (https://resas.go.jp/#/13/13101 より)

日本版DMO

国土交通省観光庁は、2015年2月15日より日本版DMO候補法人の登録の申請の受付を開始しました。日本版DMOとは、国土交通省観光庁が地域の「稼ぐ力」を引き出す観光地域づくりの一つとして高める進めるもので、「地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的アプロ-チを取り入れた 観光地域づくりを行う舵取り役」を担う法人です。

科学的アプローチについて、これまでの観光経営は、「来訪客に関するデータの収集・分析が不十分」で、「ターゲットとなる顧客層や地域のコンセプトが十分に練られていなかった」と分析しています。そうしたことから、変化する観光市場に対応できないとして、「各種データ等の継続的な収集・分析」「明確なコンセプトに基づいた戦略の策定」「KPI(Key Performance Indicator:主要業績評価指標)の設定・PDCAサイクルの確立」が日本版DMOの役割であるとしています。

2015年11月に「『日本版DMO』形成・確立に係る手引き(第1版)」が出されましたが、その中で、訪日外国人旅行者による旅行消費額が2兆円を超え、インバウンド消費が日本経済を下支えするまでになっているとして、観光による地方創生を実現していくためには、観光に関する各種データの継続的な収集・分析が重要と述べています。また、ビッグデータを活用することによって、従来の観光統計等の情報のみでは得られなかった観光客の観光地間の移動の導線や観光地内での移動経路、消費行動等を明らかに出来る可能生があると述べています。

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(日本版DOMの概要http://www.mlit.go.jp/common/001110766.pdf より)

ワイヤ・アンド・ワイヤとアクセンチュアの「インバウンド・サテライト(Inbound Satellite)」

「インバウンド・サテライト (Inbound Satellite)」は、訪日外国人向けの無償Wi-Fiサービス「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」アプリを国内にて利用している訪日外国人の情報を活用したサービスで、ワイヤ・アンド・ワイヤとアクセンチュアが提供しています。アクセスポイントから生成される匿名化された訪日外国人の位置情報データを分析することにより、訪日外国人の動態や使用言語などの情報に基づく効果的なプロモーション施策を実施できます。また、このサービスの機能として、訪日している外国人観光客の動態をマップ上で可視化する「インバウンド・レーダー(Inbound Radar)」も提供されています。「インバウンド・レーダー」では、例えば、自社の店舗の周辺に、「どの言語を話す外国人」が、「どのくらいの人数が滞在しているのか」などがマップ上に可視化可能になるそうです。利用料金は月額1,980円(税抜)で、個人でもID登録が可能です。

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(Accenture https://www.accenture.com/jp-ja/company-news-releases-20151216 より)

inbound insight

inbound insight(インバウンドインサイト) は株式会社ナイトレイが2015年7月から提供している訪日外国人観光客の行動データ可視化ツールです。当初、対象としていた国は中国、香港、台湾、韓国、タイの5か国でしたが、2015年12月からは15ヶ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、スペイン、フランス、フィリピン、インドネシア、インド、マレーシア、シンガポール)のデータも閲覧できるようになりました。行動データの解析対象となるのは、Twitterや新浪微博などのSNSのうち、一般公開されているユーザ投稿の情報です。それをリアルタイム解析することで、行動場所やクチコミ・国籍・性別・移動経路などをデータベース化し、ASP型分析ツールと解析結果データとして提供します。

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(株式会社ナイトレイ http://inbound.nightley.jp/ より)

訪日外国人市場動向レポート

「訪日外国人市場動向レポート」は、三菱総合研究所の分析技術とドコモのビッグデータである「モバイル空間統計」を組み合わせ、市町村単位でインバウンド市場分析を提供するサービスで、2015年11月2日から提供されています。

「モバイル空間統計」とは、各基地局のエリア毎に所在する携帯電話を周期的に把握する仕組みを利用して、時間帯別に集計した携帯電話の情報から人口の地理的分布を推計するものです。訪日外国人の場合は、携帯電話のローミングデータを活用します。

図解トレンドExpress

「図解トレンドExpress」は、ホットリンクコンサルティングが定期配信するインバウンド消費に特化した定期レポートです。2015年5月から発売されています。

訪日前後を通じたソーシャルメディアの内容を分析することにより、インバウンド消費のトレンドや訪日客の心情を理解できる情報をわかりやすく届けるというものです。

「分析結果をグラフィカルに表現したインフォグラフィックスレポート」「インフォグラフィックス素材データ」「定量・定性的な分析」「分析に使用した数値データ」などが月4回配信されます。

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(ホットリンク https://www.hottolink.co.jp/service/trendexpress#price より)

 

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