カメラ画像利活用ガイドブックver1.0

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カメラ画像利活用ガイドブックver1.0

経済産業省、総務省およびIoT推進コンソーシアムは、「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」を公表しました。
ガイドブックは、カメラ画像の利活用の促進を図るため、事業者が個人情報やプライバシーを保護し、適切なコミュニケーションを図るにあたっての配慮事項を記したものです。2016年7月にIoT推進コンソーシアムのデータ流通促進ワーキンググループ内に「カメラ画像利活用サブワーキンググループ」を設けて検討を重ねてきました内容をまとめたものです。
ただ、これは事業者へ強制する内容のものではなく、これらを基に、事業者の業界・業態に応じた利活用ルールの設定を期待するものとしています。

カメラ画像に関しては、「カメラ画像データを利用した避難誘導支援」「遭難者、急病人等の発見」「交通渋滞、イベント会場での混雑時の誘導」などといった社会課題の解決、「レジ待ち等の状況を把握し、品出し担当をレジ応援に向かわせる等」の人材の効率的利用、「カメラ映像から人流を把握し、施設の運用を図る」などの施設設備の運用の効率化など、防災・減災、ビジネス、都市計画などでの利活用のニーズがあります。

camera_image_001_R(「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」概要 平成29年1月 http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170131002/20170131002-3.pdf より)

カメラ画像に限らずデータの利活用は、わが国産業界のイノベーション、国際競争力の維持・向上にとって必要不可欠のものですし、そうした経済面だけでなく、個人の生活の質の向上や社会課題の解決の観点からも重要です。2016年7月には経団連も「データ利活用推進のための環境整備を求める~Society 5.0の実現に向けて~」という提言を行っています。

しかし、こうしたニーズがある一方で、「情報の漏えい」「個人の特定」といったことの他に、「映像に映り込む人は、画像データの取得及び活⽤について事前同意が実質不可能である」、「撮影されたくない者への配慮をどうするか」、「カメラで取得された情報がどの範囲で利用されるのか被写体者からは把握できない」、「本人の意図する範囲を超えた情報の取得の可能性」、「解析・プロファイリングによる新たな情報の生成」などの課題もあります。

ガイドブックにおける個人情報とは

ガイドブックでは、事業者がカメラ画像を利活用する場合において、当該情報が個人情報に該当するか否かが大きな分岐点であるとして、カメラ画像の「取得」「処理・保存」の各過程で、どういう場合が個人情報に該当するのか示しています。

〇 取得の段階

特定の個人を識別できる画像や画像やインデックスを付与して個人が検索できるような状態で保管した場合も個人情報データベースであるとしています。検索性を持たせない場合でも管理に注意が必要としています。また、写り込みに関しても同様としています。

〇 処理・保存の過程

ここでは、「特徴量データ」「属性情報」「カウントデータ」「動線データ」「処理済みデータ」の5つに分けて示しています。

特徴量データでは、データは、特定の個人の識別が可能なため「個人情報」であり、検索可能な状態で保管する場合は「個人情報データベース等」となるとしています。

属性情報では、機械処理で推計した属性(性別や年代など)は個人情報に該当せず、検索可能な状態での保存も、それによって個人を識別することはできないので個人情報データベース等ではないとしています。

カウントデータも、特定の個人を識別するものでないので個人情報ではなく、統計数値の保管も個人情報データベース等には該当しないとしています。

動線データとは、どの時間にどこで何をしていたかを示す座標値を時系列に蓄積することによって生成されるもので、特徴量データと紐づけず動線データのみの場合は個人情報や個人情報データベースではないが、特徴量データと紐づけられ、個人の行動履歴となった場合は個人上であるとしています。

処理済みデータについては、個人が識別できないような加工がされているものであれば個人情報には当たらないが、復元加工によって個人が識別できないように留意が必要としています。

ガイドブックの構成

ガイドブックでは、基本原則及び利活用の過程(事前告知時、取得時、取扱い時、管理時)ごとに、配慮事項を整理しています。そして、「店舗内設置カメラ(属性の推定)」「店舗内設置カメラ(人の行動履歴の生成)」「屋外に向けたカメラ(人物形状の計測)」「屋外に向けたカメラ(写り込みが発生し得る風景画像の取得)」「駅構内設置カメラ(人物の滞留状況把握)」などの具体的な適用ケースごとに配慮事項の対応例を示しています。

また、カメラ画像の取得目的(来店者の行動履歴の取得と分析など)、事業者が実施したいこと(店舗内レイアウト等の変更の効率化など)、運用実施主体、生活者へのメリット(顧客満足度の向上など)、生成または抽出したデータの保存期間・個人特定の可否・第三者への提供の有無などについて示された事前告知の例文なども掲載しています。

camera_image_002_R(カメラ画像利活用ガイドブック 平成29 年1 月ver1.0 IoT 推進コンソーシアム 総務省 経済産業省 http://www.soumu.go.jp/main_content/000462242.pdf より)

なお本ガイドブックは、「特徴量データ等を一定期間保存することで、来店者等のリピート判定に利活用するケース」「特徴量データ等、個人を特定するに至る情報を保存するケースにおけるオプトアウト(※1)対応方法」など、まだ検討課題があり、今後も改定を重ねていくとのことです。

(※1)オプトアウト(opt-out)は脱退するとか断るといういみですが、一方的に行われるダイレクトメールや電子メール広告の送信などを拒否することや個人情報を第三者へ提供することを本人の求めに応じて停止することなどを指します。

 

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