アナリティクス3.0

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アナリティクス3.0

アナリティクス3.0は、米バブソン大学教授トーマス・H・ダベンポート(Thomas H. Davenport)氏が提唱するものです。Harvard Business Reviewの2013 Decemberに氏の「Analytics 3.0」が掲載されており、この頃から使われ出した概念なのでしょうか?

ダベンポート氏は、ハーバードビジネススクールやシカゴ大学などで教鞭をとっていたこともあり、2012年に「Best Business School Professors」に選出されています。世界の最も著名なコンサルタントに選ばれたこともあります。

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(https://hbr.org/2013/12/analytics-30 より)

ダベンポート氏は、1950年代から2005年ごろまでを「アナリティクス1.0」、一部時代が重なりますが2000年代初めから現在を「アナリティクス2.0」、そして今起こりつつあるのが「アナリティクス3.0」の時代としています。

アナリティクス1.0の時代

この時代の分析対象は、生産工程や販売、顧客などの企業内のデータが中心で、データも比較的小さく、構造化されたものでした。分析モデルは「バッチ型」で分析にかなりの時間を要していました。そして、過去に何があったかを明らかにする「記述型分析」が中心で、その主たる目的は意思決定の支援であったとしています。このようなことからアナリティクス1.0はBI(ビジネスインテリジェンス)であったと評することもあるようです。BIとは、業務システムなどから蓄積される企業内のデータを、蓄積・分析・加工して、企業の意思決定に活用しようとする手法・技法のことです。

アナリティクス2.0の時代

主にシリコバレーなどのネット企業から生まれた動きで、データはソーシャルメディアなど企業の外部の構造化されていない複雑で大規模なものも活用します。アナリティクス1.0のような社内の意思決定にだけ用いるというのではなく、例えばAmazonが「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」とオススメするように、顧客に提供する製品やサービスに直結する時代ともいえそうです。また、前述のようにアナリティクス1.0が過去の分析とすれば、アナリティクス2.0は未来を予測する分析です。そのために膨大なデータの効率的に処理にクラウドやHadoopなどが利用されるようになり、データサイエンティストの需要とその地位が高まった時代でもあります。アナリティクス1.0では裏方であったデータサイエンティストが、製品開発や企業の意思決定に参画し、ビジネスを動かす表舞台にでてきた時代です。データの活用をプランニングにまで広げたのがアナリティクス2.0であると表現することもあります。

アナリティクス3.0の時代

データ分析には、過去の出来事について説明する「記述型分析」、過去のデータから将来を予測する「予測型分析」、最も望ましい行動を特定する「指示型分析」があり、アナリティクス3.0は、3番目のシステム自身が判断を下し現場へ指示を行う段階としています。そしてアナリティクス2.0がネット企業中心であったのに対して、アナリティクス3.0ではあらゆる企業において、社内データ、ビックデータ、SNS、構造化・非構造化データなどのデータを統合して分析し、事業の推進をスピードアップしていく時代でもあると見ています。

アナリティクス3.0の時代はIoTの普及とともに進展していくと考えられそうです。IoTによってそのデータ量は飛躍的に増大していきます。そうした膨大がデータとリアルタイムなデータを解析し・シミュレーションを行い、リアルな市場の変化に素早く対応していくCyber-Physical Systemsともつながり、さらにそうしたことを可能にする人工知能の発達とも無縁ではないようです。

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(三菱総研http://www.mri.co.jp/opinion/mreview/topics/201411-3.html より)

アナリティクス3.0の企業

ダベンポート氏はアナリティクス3.0を達成している企業としてP&Gとビジネス特化型SNSのリンクトイン(Linkedin)を挙げています。

P&Gは2000年ごろ深刻な経営危機に陥っていましたが、アラン・G・ラフリー氏がCEOに新たに就任してから、「消費者がボス」を掲げ、「買い物客が棚から製品を手に取る瞬間」と、「消費者が製品を使用する瞬間」の、2つの「真実の瞬間」に注目し、顧客価値を最大化することで競争を回復させました。その間のP&Gの取組は「P&Gウェイ: 世界最大の消費財メーカーP&Gのブランディングの軌跡」(東洋経済社)に述べられています。

Linkedin(https://www.linkedin.com/changetojapanese)は、日本ではあまり馴染みがありませんが、2003年にサービスを開始した、ビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービスです。利用者がビジネス専用のプロフィールを作成し、キャリアアップに必要な人とつながり、親交を深めたり、LinkedIn グループに参加して新しいアイデアや知識を見つけたりしてビジネスのつながりを広げ、ビジネスパートナーや人材を探したり、営業先の顧客や商談先、専門家などとコンタクトを取ることができるというものです。登録ユーザーは全世界で3億人を超え、日本では100万人以上が登録をしているとのことです。

(参照:【図解】コレ1枚で分かるアナリティクス3.0 http://blogs.itmedia.co.jp/itsolutionjuku/2015/04/30_1.html)

 

 

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