話題の「次官・若手プロジェクト」資料

6e5b12652c2217359b7f5048a59a6c14_s_R

産業構造審議会配布資料が話題に

経済産業省が「産業構造審議会(第20回)」での配布した「次官・若手プロジェクト」の資料「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」が2017年5月18日に公表され、その内容が話題になっています。こうした資料が話題になることはあまりないのですが、内容がよほど衝撃的だったのか、一般の人が抱いている将来への不安をエリートも感じていることに共感したからなのか分かりませんが、賛否両論の意見がネット上にあふれています。

ところで、このプロジェクトは20代、30代の若手30人からなり、国内外の社会構造の変化を把握するとともに、中長期的な政策の軸となる考え方を検討し、世の中に広く問いかけることを目指すものと述べています。

提言は65ページからなり、次のような構成になっています。

1.液状化する社会と不安な個人
2.政府は個人の人生の選択を支えられているか?
(1)個人の選択をゆがめている我が国の社会システム
① 居場所のない定年後
② 望んだものと違う人生の終末
③ 母子家庭の貧困
④ 非正規雇用・教育格差と貧困の連鎖
⑤ 活躍の場がない若者
(2)多様な人生にあてはまる共通目標を示すことができない政府
(3)自分で選択しているつもりが誰かに操作されている?
3.我々はどうすれば良いか

(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~平成29年5月次官・若手プロジェクトhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf より)

インターネットが及ぼす影響

内容については、様々なメディアで報道されていますが、ここではIT関連について拾い出してみます。

ペーペーで取り上げているのは、インターネットの普及に伴う人々の意識の変化や社会にもたらす影響等についてです。そして、そのことについて次のように述べています。

一つ目は、「既存メディアに対する信頼は低下し、ソーシャルメディアが信頼される傾向」にあるということです。

project2017_002_R(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~平成29年5月次官・若手プロジェクトhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf より)

二つ目は、「インターネットは情報流通を圧倒的に増やしたが、情報の自己増殖により不安をあおられやすい面も」あるということです。

project2017_003_R(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~平成29年5月次官・若手プロジェクトhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf より)

三つ目は、「自分で情報を選び、自分で決断しているつもりが・・・実際には与えられた情報に踊らされている?」のではないかということです。

project2017_004_R(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~平成29年5月次官・若手プロジェクトhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf より)

そして、インターネットには、「個人の判断や行動が誰かに操作されるリスク」、その結果として「社会全体としての意思決定が極端なものとなる可能性」が内包されており、「我々はそれに対して何ができるのか考える時期に来ているのではないか。」と問いかけています。

ITと公の課題

資料の最後の章「3.我々はどうすれば良いか」では、社会の仕組みを新しい価値観に基づいて抜本的に組み替える時期に来ているのではないかとして、次の3点を提言しています。

①一律に年齢で「高齢者=弱者」とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会へ
②子どもや教育への投資を財政における最優先課題に
③「公」の課題を全て官が担うのではなく、意欲と能力ある個人が担い手に
(公共事業・サイバー空間対策など)

(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~平成29年5月次官・若手プロジェクトhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf より)

ITに関しては、「③「公」の課題を全て官が担うのではなく、意欲と能力ある個人が担い手に」に関連して、「ITでマッチングを効率化し「公」を再構築」するということで、その例としてテキサス州メイナー市の地域通貨「イノバック」を取り上げています。

メイナー市は2009年に「メイナー・ラボ」という市内の問題に対する解決策を提案する事業を始めました。市民が解決策を提案すると 1,000イノバック、市がそのアイデアを採用すると100,000イノバックを礼金としてもらえます。イノバックは、実際に使うことができ、パトカーの体験乗車や一日市長、地域の商店やレストランが割引券などに利用できます。

もうひとつ「NYC311」というニューヨーク市が運営する、市民の苦情・ニーズにワンストップで対応するスマホアプリ等のサービスを取り上げています。

「NYC311」は、2003 年にブルームバーグ市長はによって市政と市民をつなぐホットラインとして導入されたもので、この間、ソーシャルメディアやスマートフォンなどの新しいIT(情報通信)技術を積極的に取り入れてシステムを進化させてきました。

project2017_005_R(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~平成29年5月次官・若手プロジェクトhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf より)

また、すでに行われている取り組みとして、サイバー空間での情報の「質」を確保するための「専門家や民間機関によるネット情報評価」や「交流サイトによる不適切な動画等の削除」などを例として挙げています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です